アオダモ

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テンプレート:生物分類表 アオダモ(青梻、学名:Fraxinus lanuginosa f. serrata)とはモクセイ科トネリコ属落葉広葉樹である。雌雄異株。別名:コバノトネリコアオタゴ

アオダモのアオの由来は雨上がりに樹皮が緑青色になること、枝を水に浸けて暫くすると水が青い蛍光色になること、高級感を出すために黒墨に加えて青墨を作るための着色剤として利用されたこと、青い染料に利用されたことによるといわれる。

特徴

日本では北海道から九州までの山地に広く分布している。南千島朝鮮半島にも自生している。街路樹や公園木として植樹されることも多い。

樹高は10-15m、太さは50cm程になるが成長は遅い。成熟した木の樹皮には地衣類が付着し白っぽい斑点模様ができる。葉は奇数羽状複葉で、3-7枚の小葉が対生する。小葉は10-15cmほどで淡緑色、周囲は波状小鋸歯がある。花は春に咲く。円錐花序に白い5-6mmの小花を多数つける。秋には果実が成熟する。長さ2-4cm、幅3-5mmほど、膜状の羽根を持つ翼果で風を利用し遠くまで飛ばす。

利用

材質は堅く強いが粘りがある。そのため曲げることができ、このような特質を生かしてさまざまな用途で使われた。

日本では木製のスポーツ用品の材料、とくに野球で使われる木製バットの原料として知られる。他にスキー板やテニスラケットなどにも使用される。日本でのバット材としての需要は年間20万本以上あり半数は輸入材で国産材のほとんどはアオダモである。計画的な植林・伐採が行われなかったことから、バットに適した高品質な材の確保が困難になっている。2000年には行政、野球関係者、バット生産者が一体となってアオダモ資源育成の会が発足、資源を確保するための取り組みが行われている。

天秤棒、輪樏(わかんじき)などの器具材や機械材、家具材としても使われる。建築材として床柱などにも使用される。資源の枯渇とともにこれらの用途は減少している。

生木でもよく燃えることから猟師が薪として利用した。

枝や樹皮を水に浸すと、水が藍色の蛍光を発する。この水は染料として使われた。また、アイヌ(いれずみ)をするときの消毒に用いた。また、樹皮は民間薬としても利用された。主な成分はクマリン配糖体で消炎解熱作用、止瀉、利尿作用や尿酸を排出する作用があり痛風結石の治療などの効果があるとされる。

ギャラリー

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アオダモの仲間

関連項目

外部リンク

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