みどりの券売機

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みどりの券売機(みどりのけんばいき)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)が導入している、指定席特急券類が発券可能な自動券売機愛称である。JR各社にあるみどりの窓口と同じ緑色を基調としたデザインである。

導入当初からしばらく愛称がなかったが、2001年(平成13年)10月頃にこの愛称が付いた。

なお、本稿では2010年(平成22年)1月より運用を開始したみどりの券売機プラスについても述べる。

概要

みどりの券売機

ファイル:JR西日本みどりの券売機.JPG
MV31型「みどりの券売機」(八本松駅)
ファイル:Passenger ticket Osaka Station.jpg
みどりの券売機で発行された乗車券

主にJR西日本管内を運行する特急急行列車と新幹線寝台列車は不可)を取り扱うが、設置駅により取り扱い列車は変わる。但し、路線や駅名などを指定するとJR他社の特急・急行列車の指定券・自由席券も購入する事が可能である。指定席では、購入客自身で座席表から席を自由に選択する事が可能であるが、これは特急だけでなく、指定席が連結されている快速列車などの在来線列車、山陽新幹線(金沢支社の一部駅は上越新幹線も含む)とそれに接続する特急列車(名古屋乗り継ぎの「ひだ」「しなの」も含む)に限定される。

なお、東日本旅客鉄道(JR東日本)の同等機種(指定席券売機)は、東北上越山形秋田長野新幹線についても可能。また、九州旅客鉄道(JR九州)(博多駅と小倉駅に設置)の同等機種も東海道新幹線直通列車以外は可能である。以前はJR西日本でも福山駅に東北・上越新幹線系統の購入・座席位置指定が可能なものが1台あったが、機能改修で一時消滅した。但し、同社全体で「時刻検索から購入」機能を追加した後は、その機能を使えば購入が可能となっている。また2013年頃からJR西日本の新幹線停車駅とその周辺駅に設置されているものでは、新幹線特急券の購入画面から東海道・山陽・九州新幹線から東北・上越新幹線系統への乗継及び東北・上越新幹線系統相互間の特急券・乗車券の購入が可能となっている。

この券売機は鉄道情報システム(JRシステム)が開発したもので、MV10型とその改良型で発売できる券種を拡充したMV30型、MV30型の一部を改良したMV35型、クレジットカード専用のMV40型の4種類がある。なお、MV40型については、インターネット予約や電話予約の受取専用機として使われる事が多く、JR西日本では「みどりの受取機」の愛称を使用している。また、支社によっては別の愛称があり、福知山支社では「みどりくん」と呼ばれている。

ICOCAエリア内に設置されている駅では、ICOCA定期券を購入する事が可能である(但し、通学定期は同一年度における継続のみ)。また、近距離の乗車券類購入でも領収書の発行が可能である。

クレジットカードは、自社ブランドカードであるJ-WESTカードの他、JCBVISAMasterCardAMERICAN EXPRESSDinersClub InternationalUCDCUFJcardMUFG(以上5489サービス可)・CFCardJR東海エクスプレスカード(5489サービスはJCB・VISA・Master Card各ブランド付のみ利用可)が利用可能である。しかし、一部の法人用クレジットカードは暗証番号が設定されていないため、MV10型・MV30型・MV35型では乗車券類の発券ができない(但し、予約分の乗車券の受取は可能。)。

他の鉄道事業者の指定席券が購入可能な券売機については自動券売機#指定席券売機を参照[1]

みどりの券売機プラス

ファイル:MIDORINOKENNBAIKI plus SUMA.JPG
須磨駅に設置されたみどりの券売機プラス、カメラときっぷなどの読み取り機が増設されている。

2010年1月29日限りで須磨駅甲南山手駅のみどりの窓口が廃止され、それに代替するものとして、同年1月30日より従来からあったみどりの券売機に小型カメラとオペレーターとの通話機能を追加した『みどりの券売機プラス』の運用を開始した。

この券売機は、JR東日本がかつて導入していた「もしもし券売機Kaeruくん」と同様にオペレーターによる対応が可能となった事で、みどりの券売機では取り扱えなかった学割乗車券の購入、通学定期券の新規購入と年度跨ぎの継続購入、各種乗車券の払い戻しなどが可能となっている(これらはカメラ読み取り部に乗車券や証明書などを置き、オペレーターとの対話によって処理を行う)。ただ、「レール&レンタカー」など一部のトクトクきっぷ、イベント券や団体乗車券などはみどりの券売機と同様に取り扱いはできない。「もしもし券売機Kaeruくん」ではすべての操作においてオペレーターとのやりとりが必要であったが、みどりの券売機プラスではオペレーターを通さずに従来のタッチパネルのみで乗車券類の購入も可能で、これが「もしもし券売機Kaeruくん」と大きく違う点である。従来のみどりの券売機の機能で買えない券種は画面右下の「呼び出し」(当初は「きっぷの購入に関するお問合せ」)を押してオペレーターを呼び出して購入するので、この点からも名前の通り「プラス」の機能といえる。

その後、2012年(平成24年)3月31日には能登川駅(滋賀県東近江市)、4月15日には津久野駅(大阪府堺市西区)でもみどりの窓口が廃止され、それぞれ翌日の4月1日、4月16日よりみどりの券売機プラスに移行した[2]。その後も増加傾向で、高井田駅(大阪府柏原市)、百舌鳥駅(大阪府堺市堺区)、富木駅(大阪府高石市)などの小規模駅だけでなく、京都駅地下東口、京橋駅西口など大規模な駅においてもみどりの窓口を代替する形でみどりの券売機プラスに移行している。テンプレート:要出典範囲

また、三国ヶ丘駅(大阪府堺市堺区)[3]のように、元々みどりの窓口のない[4]駅に新規に設置された例もある。

利用できるサービス

  • 特急券急行券乗車券の購入
  • ICOCA定期券(ICOCAエリアのみ)・磁気定期券(フレックスも可)の購入(通学定期は継続購入のみ可能)
  • 乗車券類の受取(エクスプレス予約・JR西日本5489サービス・JR九州インターネット列車予約(但し、受取可能なものは「eきっぷ」・「e早特」・「スーパー早特きっぷ」のみ)・サイバーステーション)
  • 指定席の予約・変更
  • トクトクきっぷの購入(一部駅を除く。2007年冬からは「青春18きっぷ」(京阪神エリア等一部駅のみ)、2012年夏からは「関西1デイパス」、2012年3月1日からは設定駅のみ「昼間特割きっぷ」の購入が可能に)
  • 入場券の購入(京都支社を中心とした一部の駅や新幹線停車駅のみ。購入できない駅もある)

以下はみどりの券売機プラスのみ

  • ジパング倶楽部や学割乗車券など割引証を必要とする乗車券類の購入
  • 通学定期券の新規購入・年度跨ぎの継続購入
  • 各種乗車券の払い戻し

「みどりの券売機」や「みどりの受取機」でも乗車券のみの購入が可能で(但し、券売機のMV10型と受取機のMV40型は新幹線停車駅とその周辺への駅を目的駅とする乗車券のみ)、現金の他クレジットカードも利用できる(但し、受取機ではクレジット決済のみ)。「普通(快速)列車のみ利用」のメニューの場合は本日分の購入駅発の乗車券に限られているが、乗車経路に新幹線や在来線特急の停車駅を含む場合は「主に新幹線のみ利用」や「在来線特急・新幹線等を利用」のメニューから前売分や他駅発着の乗車券の購入は可能である。なお、新幹線停車駅で構内にあるものは、その駅までの乗車券を挿入しないと購入できないようになっている(特急券のみ購入する場合を除く)。

導入駅

導入駅については、「JRおでかけネット」内のきっぷ受け取り駅一覧で調べる事ができる。なお、サイト内には、みどりの券売機が設置されている駅を四角い「券」アイコンで表示している。

外部リンク

脚注

  1. なお、2008年10月10日に四国旅客鉄道(JR四国)の高松駅に「みどりの受取機」が設置された。JR九州でも博多駅のMV30型横に「みどりの券売機」と書いた貼り紙があったが、その後撤去された。
  2. 津久野駅では2012年4月1日にみどりの券売機プラスが設置され、15日まで併用運用された。
  3. 2013年9月7日から2014年5月25日までは通常のみどりの券売機が設置されていた。
  4. 2013年9月6日までは駅舎が南海電鉄の管理下にあったため設置されなかった。ただし定期券は購入可能であった。