みちのく銀行

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株式会社みちのく銀行(みちのくぎんこう、英称The Michinoku Bank, Ltd.)は、青森県青森市勝田に本店を置く地方銀行

概要

1976年(昭和51年)10月、青和銀行が存続行となり弘前相互銀行を合併、みちのく銀行名称変更し現在に至る。初めて(第一)地方銀行相互銀行(後の第二地方銀行)が合併して誕生した銀行であり、また初のひらがな表記の銀行でもある。

企業スローガンは「家庭の銀行 みちのく銀行」。

青森県下では青森銀行に次ぐ規模の金融機関ではあるものの、資本金は同行を上回るほか、県外での店舗網も稠密である。

経営

経営陣

2005年(平成17年)4月末に顧客情報紛失(ほぼ全顧客に相当する約130万件の取引先が入力されたCD-R数枚といわれている)や、それ以前に発覚した青森県住宅供給公社巨額横領事件等の不祥事件、また2004年(平成16年)度末の赤字決算などにより東北財務局から業務改善命令が3度にわたり発動された上、金融庁からも早期是正勧告の発動がされた[1][2]

これらが大道寺小三郎会長や原田和夫頭取の責任問題に発展したばかりか[3]、役員総退陣へと追い込まれたため、栗田貢副頭取(原田の辞職に伴い、頭取代行。旧・青和銀行出身)が、旧・富士銀行時代から人事交流などで親密な関係にあったみずほFGの幹部に接触を図り、同グループからの役員派遣を打診した。そして協議を重ねた結果、会長兼CEO上杉純雄ユーシーカード社長(旧富士銀行元常務執行役員)が派遣され、一方で、出向組を含む内部起用をみずほ側から打診されたこともあり、頭取(後に代表取締役頭取執行役員)には杉本康雄みちのくカード社長(みちのく銀行元常務)が就任した[4][5]

CI

名称の由来

県民の公募から決定した名称であり、斬新でシンプルな表記である「みちのく銀行」を商号とした。当初は、馴染みの薄いひらがな表記の行名であったため、顧客等から違和感も出たとされる。略称は一般的には「みちぎん」が県民ばかりか行員の間でも親しまれているが、ATMコーナーやサービス名など公式には「みちのく」の略称を使用している。これは、日本銀行の略称である「にちぎん」と音が似ていることが一因とされる。

マークの由来

NTTのシンボルロゴ・「ダイナミックループ」や、東京オリンピックのポスターデザインを手がけたことで知られる、日本を代表するグラフィックデザイナー亀倉雄策によるシンボルマークが、統合当時より使われている。「みちのく」の「」を図案化したものであるが、それだけでなく「青和銀行と弘相銀行」を2つの円で表し、その二つの円を結ぶことによって、「合併して誕生した」意がこめられているとされる。

あゆみ

発足までの経緯

1970年代当時において相互銀行界中堅上位行であった弘前相互銀行が、地方銀行で下位に位置した青和銀行を救済合併に近い形で合併し発足しているが、存続行は青和銀行となっている。これは当時の大蔵省が、合併によって弘前相互銀行を存続行とすることを認めなかったためである。

後に、類似する地銀協加盟行と第二地銀協加盟行による合併のケースにおいても、近畿大阪銀行のような事実上逆さ合併となったケースを含め、ほぼ例外なく地銀協加盟行側が存続行となっている。

沿革

  • 1894年(明治27年):青森商業銀行(青森商銀)が発足
  • 1921年(大正10年):青森貯蓄銀行(青森貯銀)が発足
  • 1924年(大正13年):弘前無尽が発足
  • 1949年(昭和24年):青森貯銀が青和銀行に移行
  • 1951年(昭和26年):弘前無尽が弘前相互銀行に移行
  • 1958年(昭和33年):青和銀行が青森商銀を合併(青森商銀の旧本店は、現在の国道支店)
  • 1976年(昭和51年)10月1日:青和銀行が弘前相互銀行と合併し、みちのく銀行発足(旧青和本店が現・本店営業部、旧弘相本店が現・弘前営業部となる)
  • 1987年(昭和62年):東京証券取引所第二部に上場
  • 1989年(平成元年):東京証券取引所第一部に昇格
  • 1990年(平成2年):ニューヨーク駐在員事務所開設
  • 1992年(平成4年):香港駐在員事務所開設
  • 1994年(平成6年):みちのくファイナンス香港を設立
  • 1995年(平成7年):ユジノサハリンスク駐在員事務所開設
  • 1997年(平成9年):武漢駐在員事務所開設
  • 1998年(平成10年):シティバンク、エヌ・エイとの業務提携開始(みちのくワールドキャッシュ発行開始)
  • 1999年(平成11年)
    • みちのく銀行(モスクワ)を設立
    • ニューヨーク駐在員事務所閉鎖
  • 2000年(平成12年):香港駐在員事務所閉鎖(みちのくファイナンス香港に統合)
  • 2001年(平成13年)
  • 2002年(平成14年)
    • 東北・北海道に本拠を置く金融機関としては初めて、ATMによる数字選択式宝くじの販売を開始
    • みちのく銀行(モスクワ)、ユジノサハリンスク支店を開設(ユジノサハリンスク駐在員事務所を同支店に事業継承)
  • 2003年(平成15年)
  • 2004年(平成16年):上海駐在員事務所を開設
  • 2005年(平成17年):イーネットとの提携解消
  • 2006年(平成18年)
    • 武漢駐在員事務所閉鎖
    • みちのくワールドキャッシュの発行停止
    • ICキャッシュカード・クレジット一体型ICキャッシュカード「Michinoku Card」の発行を開始
  • 2007年(平成19年)
    • 浦和支店(さいたま市浦和区)を廃止(東京支店へ統合)し、埼玉県内から撤退
    • 南大通支店廃止(盛岡支店へ統合)に伴い、東北銀行とATM共同利用を開始
    • 函館市において北陸銀行北海道銀行との一部の業務共同化(メール便、現金業務)開始
    • 筒井支店(青森市)を、同行としては初となる「個人顧客取引専門店」に転換し、リニューアル
    • みちのく銀行(モスクワ)をみずほコーポレート銀行へ事業譲渡
    • ハバロフスク支店・ユジノサハリンスク支店廃業
  • 2008年(平成20年):みちのくバンクカードの取扱を終了
  • 2009年(平成21年):八戸支店を営業部に昇格
  • 2010年(平成22年):青い森信用金庫及び北海道銀行とATM共同利用を開始
  • 2011年(平成23年)
    • 3月17日:東北地方太平洋沖地震によって入居する第3日本オフィスビルが被災したため、仙台支店を青葉通プラザ3Fの仮設店舗へ移転
    • 4月4日:仙台支店を仙台NSビル2Fへ再移転し正式に空中店舗化。カード利便性確保のために北都銀行荘内銀行とATM共同利用を開始
    • 4月20日:仙台支店にATM再設置
  • 2012年(平成24年)7月1日:函館支店を営業部に昇格
  • 2013年(平成25年)1月21日:セブン銀行ATMと提携開始(カード入金のみ終日無料)
  • 2014年 (平成26年)

歴代頭取・会長

歴代頭取

氏名 期間 備考
1 唐牛敏世 1976年10月 - 1979年2月
2 葛西清美 1979年2月 - 1986年6月 青森朝日放送初代社長
3 大道寺小三郎 1986年6月 - 1997年6月
4 増田孝介 1997年6月 - 2000年6月
5 原田和夫 2000年6月 - 2005年5月
6 杉本康雄 2005年6月 - 2013年6月
7 髙田邦洋 2013年6月 -

歴代会長

氏名 期間 備考
1 葛西清美 1986年6月 - 1988年6月
2 大道寺小三郎 1997年6月 - 2005年5月
3 上杉純雄 2005年6月 - 2010年3月31日 富士銀行常務執行役員。旧ユーシーカード元社長。
4 杉本康雄 2013年6月 -

営業政策

店舗政策

特徴

支店は青森県を中心に、北海道秋田県岩手県宮城県及び東京都にある。近年は青森県内のほか北海道函館地区にも積極的に進出しており、さらに店舗外ATMの積極展開と稼働時間の延長を図っている。近年、店舗(有人出張所を含む)は整理統合されている。

東京支店

2006年(平成18年)10月10日には東京都中央区日本橋の同行東京支店が、日本橋蛎殻町の「蛎殻町Fビル」(現在はヒューリック蛎殻町ビルに改称)の2階に移転し、同行としては初の空中店舗化された。

インストアブランチ

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海外拠点

バブル崩壊後、多くの日本の銀行が海外拠点を縮小する中で、海外拠点の拡充に積極的であった。特にカントリーリスクの高いロシアに現地法人(みちのく銀行 (モスクワ))を設置し、モスクワ本店、ユジノサハリンスク支店、ハバロフスク支店の3拠点で、法人・個人向けのフルバンキングサービスを提供するほか、香港現地法人の設置、上海に駐在員事務所を置き進出企業に対するサポートを行うなど、独自の取り組みを行なってきた。

しかし、同行は2006年(平成18年)10月に、同行のロシア法人である「みちのく銀行(モスクワ)」の事業をみずほコーポレート銀行へ営業譲渡すると共に、同行の香港法人である「北日本財務(香港)」を同年度中に解散した。さらに、武漢の駐在員事務所を同年3月いっぱいで閉鎖し、上海に一本化している。

キャラクター

発足後2年目から一貫して「トムとジェリー」をキャラクターとして採用している。また、1990年代初期に、青森放送でトムとジェリーが再放送されたときは、スポンサーもつとめた。しかし、近年ではキャラクターを押し出したキャンペーン等は行っていない[注釈 1]

2002年サッカーワールドカップの開催地誘致に際し、ペレを誘致アドバイザーとしてCMに起用した。しかし、何をアドバイスするのかは全く通知されず、またスタジアム計画やインフラ整備計画の不明などから、青森県自体が試合開催地から最終選考で真っ先に除外された。

地方公共団体取引

青森銀行が県内地方公共団体との取引を圧倒している中、みちのく銀行は拓銀破綻に伴う函館市の指定金融機関の選定に際し、積極的に函館市幹部にアプローチを試み横並び意識の特に強い道内の金融機関に大きな危機意識をもたらした。

県内では西目屋村中泊町七戸町横浜町六ヶ所村新郷村が指定金融機関としている(2009年(平成21年)10月1日現在)。

自動機サービス

コンビニATM・提携ATM
みちのく銀はコンビニATMローソンATMと提携しており[6]、手数料は2012年(平成24年)1月9日までは通常のATMと同じ料金に設定されていた。このため、青森県内のローソンでATMを設置している店舗にはみちのく銀行の看板が掲げられている。また、ローソンATMの函館地区の管理は北海道銀行ではなく、進出に先行していたみちのく銀であることも特筆すべき特徴の一つとされる。また、個人・法人カードで北海道銀行東北銀行北都銀行荘内銀行と、個人カードで青い森信用金庫とATM共同利用(相互無料開放)を実施している。

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青森銀行との店舗外ATM共同利用化
みちのく銀と青森銀行とは、これまで双方はライバル的存在であり、ATMに関しても店舗外コーナーにおいて共同利用はされなかった。しかし、ゆうちょ銀行の発足によって競争が激化していることなどから、店舗外ATMの維持管理などにおける経費の削減する目的で、2008年(平成20年)5月12日に個別に設置していた店舗外ATMのうち、主に官公庁や病院などの各行6カ所ずつ共同ATMを設置しなおし、幹事行以外のATMを廃止した[7]
ICカード
2006年(平成18年)5月より、ICキャッシュカードの発行・システムの導入を開始した。導入開始時からICチップと磁気ストライプを搭載した「利便性型」(磁気ストライプによって他行ATM・コンビニATM等でも利用できる)とICチップのみを搭載した「安全型」(ICチップ対応みちのく銀行ATMやゆうちょ銀行生体認証ICカード対応ATMのみでしか利用できない)を発行している。
これと同時にみちのくカードと共同で、東北地方に本店を構える銀行としては初めてとなるクレジットカード一体型ICキャッシュカード「Michinoku Card<みちのくICキャッシュ&クレジット>」の発行も開始した。こちらも「利便性型」「安全型」の2タイプが発行されている。
さらに2007年(平成19年)2月16日からは、ICキャッシュカードの機能に「指動脈認証」方式の生体認証を追加した(東北地方に本拠を置く金融機関では初)。すでに発行済みのICキャッシュカードについては指動脈認証登録をするだけで、生体認証による取引が可能となる。

情報処理システム

勘定系システム

勘定系システムは、肥後銀行山陰合同銀行日立製作所と共同開発し日立製作所にアウトソーシング運用しているNEXTSCOPEを採用している[8][9]

チャネル系システム

インターネットバンキングのシステムも、日立製作所のFINEMAXを採用している[10]

営業店システム

営業店システムは、2013年より、日立製作所開発のフレイア21+の採用を開始した[11]

その他

利息付与時期

普通預金は2月・8月の第3土曜日後の日曜日付で付与される。貯蓄預金は毎月第2土曜日後の日曜日付で付与される。

キャッシュパスポート

2010年(平成22年)6月14日より、トラベレックスジャパンが発行するキャッシュパスポートの代理店業務を開始し、本店・弘前・八戸の各営業部と三沢支店・函館支店の5店舗の窓口で即時発行を開始した。ほかの店舗では取り次ぎの扱いになり、後日カードが送付されてくる。

そのほか、ホームページからも申し込みが可能である(こちらも、後日カードが発送される)。

休眠口座

長い間入金および出金がない口座であっても、引き続き預金を保有していることを明示している。また、預金通帳や印鑑が無い場合でも、本人確認書類など本人である事が確認できれば、預金を引き下ろす事が出来る。なお、休眠口座となる条件は、明示されていない。

脚注

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注釈

  1. 「トムとジェリー」をキャラクターとして採用している(た)銀行としては、七十七銀行佐賀銀行但馬銀行十六銀行四国銀行鳥取銀行宮崎銀行、、横浜銀行北陸銀行、大阪銀行(現:近畿大阪銀行)がある

出典

  1. テンプレート:Cite web
  2. テンプレート:Cite news
  3. テンプレート:Cite news
  4. テンプレート:Cite news
  5. テンプレート:Cite news
  6. テンプレート:Cite news
  7. 「47NEWS ATM共同利用5月12日から」 『東奥日報』 2008年4月25日
  8. テンプレート:Cite news
  9. テンプレート:Cite news
  10. テンプレート:Cite news
  11. テンプレート:Cite news

関連事項

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外部リンク

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