かいじ (列車)

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かいじは、東京駅新宿駅 - 甲府駅竜王駅間を中央本線経由で運行する東日本旅客鉄道(JR東日本)の特急列車 である。

本項では横浜駅 - 松本駅間を横浜線・中央本線経由で運行するはまかいじ大宮駅 - 甲府駅間を武蔵野線・中央本線経由で運行するむさしのかいじなどとともに、中央本線の東京駅 - 甲府駅間の区間優等列車の沿革についても記述する。

概要

1961年10月に新宿駅 - 甲府駅間で準急「かいじ」として運転を開始した。1965年10月に名称が「アルプス」に変更し一度廃止されたが、同年12月に新宿駅 - 松本駅間を中央本線・篠ノ井線経由で運転する急行列車に再び「かいじ」の名称が使用されるようになった。1980年代後半になるにつれ、定期列車の本数が減少し、1986年11月1日に再び廃止された。

その後、1988年3月13日に特急「あずさ」のうち、甲府駅発着列車を「かいじ」として分離し現在に至っている。

運行概況

特急「あずさ」と比較すると停車駅が多く、所要時間が長い傾向にある。基本的に、新宿駅 - 甲府駅間で運転されているが、一部列車が運転区間を延長し、東京駅や竜王駅発着で運転されている。

2013年4月現在、定期列車は12往復が約1時間間隔で運転されている。このほか、多客期には臨時列車も運転されている。

停車駅

東京駅) - (四ツ谷駅) - 新宿駅 - (三鷹駅) - 立川駅 - 八王子駅 - (上野原駅) - 大月駅 - 塩山駅 - 山梨市駅 - 石和温泉駅 - 甲府駅 - (竜王駅

  • (駅名)は一部の列車のみが停車する。
  • 下り113号・115号・121号・123号、上り104号は東京発着で運転。
  • 下り117号・119号、上り102号・104号は竜王発着で運転。
  • 四ツ谷駅は下り121号のみ停車。
  • 三鷹駅は下り121号・123号・187号、上りの102号のみ通過する。
  • 上野原駅は、下り121号・187号、上りの102号・104号のみ停車。
  • このほか臨時停車を行う場合もあり、以下のような例がある。また、臨時で立川通過列車・小淵沢ゆき列車が運転された例もある。
  • 竜王ゆき列車であっても、行先を利用者にわかりやすくするため行先表示器では「甲府 - 竜王」と甲府を主とする形で表示している。

使用車両・編成

テンプレート:JRE E257 0 Matsumoto Train Center 2007

なお、2016年度以降に新型車両を導入する計画があり、E257系は置き換えられる予定である[1]

過去の使用車両

  • 165系 :急行時代に使用されていた。
  • 115系 :急行時代に使用されていた。

特別企画乗車券

特別企画乗車券として、本列車群のみ使用可能な4枚つづりの回数券であるかいじ料金回数券が通年発売されていたが、「あずさ」や「スーパーあずさ」にも利用可能な中央線料金回数券の発売開始に伴い、2009年9月末をもって廃止された。

はまかいじ

テンプレート:列車名

ファイル:189 Hamakaiji 20010513.jpg
183・189系 「はまかいじ」

はまかいじは、1996年4月27日より土曜日・休日(一部をのぞく)に京浜東北線(正式には東海道本線)、横浜線中央本線横浜駅 - 松本駅間で運転されている特急列車である。下り列車が朝、上り列車が夕方の運転である。横浜駅周辺から中央東線沿線への旅客を意識したダイヤだが、一時は朝の上りおよび夕方の下り列車を加えた2往復運転されていた。2往復運転されていた期間のうち、2号および3号は1999年7月 - 2001年9月に根岸線磯子駅、2001年10月 - 2002年11月には横須賀線鎌倉駅を横浜側の起終点としていた。

当初は甲府駅発着だったが、1998年頃より松本駅まで運転区間が延長された。

停車駅

横浜駅 - 東神奈川駅運転停車[2]) - 新横浜駅 - 町田駅 - 橋本駅 - 八王子駅 - 大月駅 -(勝沼ぶどう郷駅) - 塩山駅 - 山梨市駅 - 石和温泉駅 - 甲府駅 - 韮崎駅 - 小淵沢駅 - 富士見駅 - 茅野駅 - 上諏訪駅 - 下諏訪駅 - 岡谷駅 - 塩尻駅 - 松本駅

使用車両・編成

大宮総合車両センター車両検査科東大宮センター配置(2013年3月15日までは田町車両センター配置)の185系200番台で運行される。京浜東北線・根岸線を経由するため、デジタルATCが搭載されているB3 - B5編成のみ使用されている。かつては、グリーン車の入った7両編成で運転されていたが、2013年7月6日の運行からグリーン車の連結を廃止し、6両編成での運行となった。

過去の使用車両

  • 183・189系 :ATCが搭載されている長野総合車両センター配置の183・189系N101編成で運行されていた。「はまかいじ」2・3号にのみ充当。

中央東線甲府駅以東区間優等列車沿革

急行「かいじ」の運行開始と廃止まで

  • 1961年昭和36年)10月:サンロクトオのダイヤ改正により、新宿駅 - 甲府駅間で準急「かいじ」が運転開始。
  • 1962年(昭和37年)12月:「かいじ」に富士急行河口湖駅発着の準急「かわぐち」が新宿駅 - 大月駅で併結開始。
  • 1965年(昭和40年)
    • 10月:「かいじ」が「アルプス」に変更され、「かいじ」が廃止。
    • 12月:新宿駅 - 松本駅間を中央本線・篠ノ井線経由で運転する急行「かいじ」が運行開始。
      • 基本的には、上り・下りとも甲府駅周辺と東京とを結ぶようにダイヤ設定されていた。
  • 1968年(昭和43年)10月:ヨンサントオのダイヤ改正により、「かいじ」は新宿駅 - 甲府駅間を中央本線経由で運行する急行列車になる。
    • 定期列車は2往復、臨時列車として3往復を運行する(臨時列車のうち2往復は毎日運行)。また、毎日運行される列車は新宿駅 - 大月駅で急行「かわぐち」を併結していた。
  • 1970年(昭和45年)10月:「かいじ」が近郊形電車である115系電車を使用して下り1本増発。
  • 1972年(昭和47年)10月2日:下り最終および上り始発の「あずさ」が甲府駅発着となる。現行「かいじ」の源流と言うべき列車といえる。
  • 1976年(昭和51年)11月:近郊形電車が使用された下り1本を快速列車に変更。
  • 1978年(昭和53年)10月:ゴーサントオのダイヤ改正により、季節列車3往復を快速に変更し、定期列車2往復の運転になる。
  • 1982年(昭和57年)11月:「かいじ」「かわぐち」定期列車1往復の運転になる。
  • 1985年(昭和60年)3月:「かいじ」「かわぐち」が臨時列車化。
  • 1986年(昭和61年)11月:「かいじ」「かわぐち」が廃止される。なお、列車名は廃止されたが、列車自体は臨時快速列車として運転された。新宿駅発着の「ホリデー快速富士山」は「かわぐち」の名残である。

特急「かいじ」「はまかいじ」「むさしのかいじ」

ファイル:183 Kaiji 20010513.jpg
183系あずさ色「かいじ」
  • 1988年(昭和63年)3月13日:エル特急「あずさ」の甲府駅発着列車が「かいじ」として分離。指定席券発券時の誤記や誤乗車防止のため、列車の号数を「あずさ」は1号、「かいじ」は101号からとした。
  • 1996年(平成8年)4月:横浜駅発着の「はまかいじ」運行開始。
  • 2000年(平成12年)12月31日:東京駅 - 甲府駅間の最終列車「かいじ119号」は列車名を「20世紀かいじ119号」に変更して運転。
  • 2001年(平成13年)12月1日:竜王駅改良工事完成に伴い、上り始発列車と下り最終列車を竜王駅まで乗り入れ。特別企画乗車券「かいじきっぷ」廃止。
  • 2002年(平成14年)12月1日:「かいじ」のエル特急の呼称が廃止される。
  • 2005年(平成17年)12月10日:下り最終列車を新宿駅始発から東京駅始発へ変更。
  • 2006年(平成18年)4月28日:事前に指定を受けた座席を利用した場合に限り、「かいじ」「はまかいじ」の座席指定席での車内改札を原則省略。
  • 2007年(平成19年)3月18日:全列車全席禁煙となる。
  • 2013年(平成25年)7月6日:「はまかいじ」のグリーン車連結を廃止。
  • 2014年(平成26年)2月14日2月18日:山梨県内が記録的な大雪による影響で、「あずさ」・「スーパーあずさ」と共に5日間終日運休となる。
  • 2014年(平成26年)9月27日9月28日大宮駅発着、武蔵野線経由の「むさしのかいじ」運転開始。(予定)

列車名の由来

五十音順
  • 「かいじ」 - 甲斐路から。
  • 「かわぐち」 - 河口湖から。
  • 「はまかいじ」 - 従来から運行されていた「かいじ」に横浜発着の意味合いである「ハマ」を冠する。
  • 「むさしのかいじ」 - 従来から運行されていた「かいじ」に武蔵野線経由を意味する「むさしの」を冠する。

脚注

  1. JR東日本 富士山観光見込み、中央線特急に新型車両 - スポニチアネックス、2013年9月16日。
  2. 京浜東北線と横浜線の分岐点で、保安装置は京浜東北線はD-ATC、横浜線はATS-Pであることから、保安装置切替の目的で運転停車する。

関連項目

テンプレート:中央本線優等列車