はくちょう座X-1

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はくちょう座X-1(-ざエックスワン、Cyg X-1)は太陽系から約6,000光年の距離にある、強力なX線源である。連星系を形成しており、その伴星は現在ブラックホールの最有力候補と考えられている。太陽系と同様に天の川銀河オリオン腕に存在する。

連星系をなす恒星の一方の質量が巨大だと、もう一方の恒星のガス成分を吸い込み、自身の周りを高速で回転し円盤を形成するようになる。これを降着円盤という。この高速で回転するガスから強いX線が放射されることになる。このX線を観測することが、ブラックホールを探る上での重要な指標となる。X線は、X線天文衛星によって観測する。

HDE226868星系[1]主星O型青色超巨星であり、そのガス成分が周囲に流出し、近くの何ものかに吸い込まれていた。その際に極めて強いX線が観測されたため、はくちょう座X-1はブラックホールの最有力候補となったものである。発見されているブラックホールの中では地球から2番目に近い。はくちょう座X-1は、9(±5)×1029Wと、太陽の2400倍ものエネルギーをジェットとして放出している。

なお、はくちょう座X-1は回転楕円体でもあり、はくちょう座V1357星(V1357 Cyg)という変光星としての名前も持っている。変光星としてのV1357星は、HDE226868の主星の青色超巨星が伴星のブラックホールとの潮汐力によってひしゃげて楕円様になっているため、見かけの明るさに揺らぎが生ずるものである。

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関連項目

  1. この星系のHD番号は HD226868 とも HDE226868 ともいう。これは、当該星が Henry Draper Catalogue の本表ではなくその補遺編 Henry Draper Catalogue Extension に収録されているためである。