ぬかびら温泉
ぬかびら温泉( - おんせん)は、北海道河東郡上士幌町にある温泉。
地名の由来は、アイヌ語の「ノカ・ピラ」(形のある崖)より。音更川沿岸の崖に、人の姿に似た岩があったことからの命名。その岩は糠平ダムの湖底に沈み、現在見ることはできない。
アクセス
バスでのアクセス
- 帯広駅バスターミナルより約1時間30分(十勝バス51系統)
- 旭川駅より約2時間30分(十勝バスなど「ノースライナーみくに号」)
- 層雲峡温泉より約1時間10分(同上)
泉質
温泉街
大雪山国立公園内にあり国道273号沿いの糠平湖南側に位置する。9軒のホテル・旅館・ユースホステル、及び数軒の飲食店等が温泉街を形成している。 それぞれの宿泊施設では日帰り入浴でも利用することができる。なお、旅館・ホテルで日帰り入浴が可能な湯めぐり手形も販売されている。旅館組合で「源泉かけ流し宣言」を行っており、全施設がかけ流しである。ただし、源泉が高温のため沢水で加水を行っている施設がある。また、湯元館前には無料の足湯がある。
かつて温泉街には現在経営中のホテルを凌ぐ規模を持ったホテルが存在していたが、2003年に閉鎖されている。その後は放置され、警備体制にも不備が多く、敷地内に人が無断侵入するケースが相次ぎ、施設の荒廃が進んだ。施設内外の引き払いの処理がされていないために建物内には備品が放置されたままになっており、建物は風雪による劣化が進んで廃墟と化している。解体も検討されているが、権利関係が複雑な上に莫大な費用が掛かるため、目どころが立たない状態である[1]。
温泉街には他に、大雪山国立公園の自然や昆虫の標本が展示されている「ひがし大雪博物館」や、1987年に廃止された旧国鉄士幌線糠平駅跡に「上士幌町鉄道資料館」も設置されている。また、旅館組合の主催で、毎朝熱気球の体験搭乗が行われている(冬季や強風・雨天時除く、有料)。
周辺施設としてはぬかびら源泉郷スキー場、国設ぬかびらキャンプ場、北海道遺産に選定されたタウシュベツ橋梁をはじめとする「旧国鉄士幌線廃線跡コンクリートアーチ橋梁群」がある。
歴史
- 温泉の発見は1919年(大正8年)である。当地にある旅館「湯元館」の初代館主が原生林の中に湧出する温泉を発見し、1924年大正13年から温泉旅館の営業を開始、開湯した。
- 1934年(昭和9年)には15軒の宿が営業していた。
- 1937年(昭和12年)、糠平まで鉄道が開通。
- かつては十勝の奥座敷として、また林業従事者の利用で賑わっていたが、昭和50年代頃をピークに徐々に衰退して行った。
- 1987年(昭和62年)、鉄道廃線。
- 2007年(平成19年)6月、糠平温泉旅館組合が北海道庁で「源泉かけ流し宣言」を発表[2]。
- 2009年(平成21年)、地名が「糖平」と間違われやすい等の理由により、温泉地区の字名が「糠平」から「ぬかびら源泉郷」と変更された[3][4]。
- 2010年(平成22年)6月20日、温泉街南部に存在した元国鉄保養所を利用した宿「湖水荘」が設備の老朽化と経営者の高齢化のため廃業した[5]。