にちりん (列車)

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にちりんは、九州旅客鉄道(JR九州)が小倉駅大分駅 - 宮崎駅南宮崎駅宮崎空港駅間、および中津駅 - 大分駅間を、日豊本線日南線宮崎空港線経由で運行する特急列車である。

本項では「にちりん」の派生系統で、博多駅 - 宮崎空港駅間を鹿児島本線・日豊本線・日南線・宮崎空港線経由で運行する特急「にちりんシーガイア」、および同じく「にちりん」の派生系統でかつて運行されていた夜行特急「ドリームにちりん」を含めた日豊本線で運行されていた優等列車の沿革についても記述する。

概要

特急「にちりん」は、1968年10月1日に博多駅 - 西鹿児島駅(現在の鹿児島中央駅)間を日豊本線経由で運行していた同名の急行列車を特急に格上げする形で運行を開始した。当時の日豊本線は幸崎駅以南が非電化であったためキハ80系気動車が使用された。その後、1972年に博多駅 - 大分駅間に485系電車を充当して1往復増発され、1974年4月25日に南宮崎駅まで電化が延長されたのを受けて485系充当の列車は宮崎駅まで延長された。

1975年3月10日のダイヤ改正では、「にちりん」は同日全線開業した山陽新幹線と小倉駅で接続する列車として位置づけられ、従来関西方面と日豊本線を直通していた特急「みどり」の九州内区間を編入する(「みどり」は翌年佐世保線の特急として列車名復活)などして8往復に増発され、同時にエル特急の指定を受けた。1979年に日豊本線の電化が完了し、翌年には気動車による運転を終了した。1982年11月15日のダイヤ改正では、夜行列車を除く日豊本線の優等列車が「にちりん」に統一された。

国鉄分割民営化以降は増発と大分駅発着列車を中心に新型車両の投入が進み、1993年頃までに博多駅 - 大分駅間、博多駅 - 南宮崎駅(西鹿児島駅)間毎時1本ずつの運行にほぼ統一された。この間下関駅門司港駅発着の列車が設定された時期もあったが、博多駅発着への統一化に伴い前者は1992年、後者は1997年に姿を消している。

一方で、1995年4月20日に宮崎駅 - 西鹿児島駅間が「きりしま」として、1997年3月18日に博多駅 - 大分駅間の列車が「ソニック」として系統分割され、「にちりん」は博多駅 - 南宮崎駅・宮崎空港駅間の列車となったが、この頃から九州自動車道の全通により福岡市宮崎市を結ぶ高速バスフェニックス号」が大幅に時間短縮された影響で「にちりん」は特に大分駅 - 延岡駅間での利用不振が目立つようになっていた。そのため、2000年に「にちりん」は同区間を廃止、大分駅以北は「ソニック」に編入、延岡駅以南は「ひゅうが」として系統分割する形で大幅に本数が削減された。

その後、「にちりん」の本数自体は2000年以前の水準に回復していったが、2001年に小倉駅発着、2003年2004年別府駅発着に短縮された。2009年以降はさらに別府駅から大分駅発着への変更が進み、2012年に大分駅発着に統一された。このようにして、「にちりん」は従来の福岡県大分県宮崎県間の輸送、および山陽新幹線接続の役割から、大分県・宮崎県間の輸送、および宮崎空港へのアクセスへと役割を移していった(ただし「ソニック」と大分駅での接続の利便性を図ることで、従来の役割も一部残されている)。

特急「にちりんシーガイア」は1993年3月18日に「にちりん」の南宮崎駅発着列車のうち2往復に787系電車を投入した際に与えられた別愛称であるが、当初から「にちりん」と共通の号数が与えられている。列車名は、同年に開業した宮崎市のリゾート施設、シーガイアに因んでいる。2000年に783系電車での運行となり、翌年には「にちりん」が小倉駅発着に変更の上で一部列車が783系での運行になったことから(このとき「にちりんシーガイア」は1往復に削減されたが、2011年に上り1本が増発された)、以降は博多駅に乗り入れる「にちりん」としての意味合いが強くなっている。テンプレート:要出典範囲

なお、「にちりんシーガイア」の設定と同時に夜行急行「日南」を特急に格上げした列車が「ドリームにちりん」である。2009年3月14日以降はJR九州管内を運行する唯一の定期夜行列車となっていたが、利用率低迷もあって2011年3月10日の出発分をもって廃止された。 これを以て、座席車のみを連結した定期夜行列車は全廃された。

列車名の由来

列車名の由来は、太陽を表す「日輪」を平仮名にしたものである。

「にちりん」の名称自体は、博多駅・門司港駅 - 西鹿児島駅間(日豊本線経由)、および博多駅 - 熊本駅間(日豊本線・豊肥本線経由)で運行していた急行「ひかり」が、「ひかり」の愛称を東海道新幹線超特急に使用するのに伴い列車名の変更を余儀なくされ、1964年10月1日から西鹿児島駅発着編成を「にちりん」とした列車が最初である。この「にちりん」は翌年の9月30日に廃止されるが、1965年3月25日に博多駅 - 西鹿児島駅間を運行する急行列車として列車名が復活し、上記の通り1968年に特急に昇格した。

運行概況

「にちりん」は下り13本・上り12本、「にちりんシーガイア」は下り1本・上り2本が運行され、中津駅 - 大分駅間の「にちりん101・102号」を除いて「にちりん」「にちりんシーガイア」に通しの番号が振られ、1 - 26号が与えられている。

1 - 26号については、「にちりん」は3号が小倉駅→宮崎空港駅間、6号が宮崎駅→大分駅間、2・4・21・23・25号が大分駅 - 南宮崎駅間、その他の列車は大分駅 - 宮崎空港駅間で運行される。「にちりんシーガイア」には7・20・24号が与えられ、全列車博多駅 - 宮崎空港駅間で運行される。このうち3・24号は2003年・2004年に「にちりん」が別府駅発着に短縮されてからも2008年3月まで1往復のみ小倉駅発着で残っていた列車で(2008年3月当時は上りは26号が該当)、2008年3月のダイヤ改正で大分駅以北がいったん「ソニック」として分割された後、2011年3月のダイヤ改正で再統合したものである。その際、上りは「ソニック」への分割時に博多駅行きに延長していたのをそのまま引き継いだため列車名が「にちりんシーガイア」に変更され、「にちりん」「にちりんシーガイア」とも上下の本数に差異が生じることになった。

「にちりん」のうち1・3・101・102号以外の列車は、大分駅で「ソニック」と接続し、博多駅・小倉駅方面からの直通需要にも配慮されている。別府駅または大分駅で改札を出ないで「にちりん」と「ソニック」を乗り継ぐ場合は、特急料金の乗り継ぎ料金制度により、通しの料金で乗車することができ、駅や車内での案内も「ソニック&にちりん」(あるいはその逆)と記されている。この特例は2003年に「にちりん」が一部別府駅発着になった際に設定されたもので、2012年に「にちりん」の別府駅発着列車がなくなったため事実上大分駅のみでの接続となったが、規則上は引き続き別府駅における特例も残されている。

繁忙期には小倉駅 - 大分駅間で臨時特急が運行されるが、このうち883系・885系以外で運行される場合は「にちりん」として運行される。また、485系の場合はグリーン車なしの編成となる。2011年までは別府駅・大分駅発着の定期列車を延長して対応するケースもあった。

停車駅

にちりん

小倉駅→行橋駅宇島駅 → 中津駅 - 柳ヶ浦駅 - 宇佐駅 - 杵築駅 - 亀川駅 - 別府駅 - 大分駅 - 鶴崎駅 - (幸崎駅) - 臼杵駅 - 津久見駅 - 佐伯駅 - 延岡駅 - 南延岡駅 - (門川駅) - 日向市駅 - (都農駅) - 高鍋駅 - 佐土原駅 - (宮崎神宮駅) - 宮崎駅 - 南宮崎駅 - 宮崎空港駅

  • → は下り列車のみ運行、( )は一部の列車のみ停車。
にちりんシーガイア

博多駅 - (吉塚駅) - 香椎駅 - (赤間駅) - 折尾駅 - 黒崎駅 - (戸畑駅) - 小倉駅 - 行橋駅 - (宇島駅) - 中津駅 - (柳ヶ浦駅) - (宇佐駅) - (杵築駅) - 別府駅 - 大分駅 - 鶴崎駅 - 臼杵駅 - 津久見駅 - 佐伯駅 - 延岡駅 - 南延岡駅 - (門川駅) - 日向市駅 - (都農駅) - 高鍋駅 - 佐土原駅 - 宮崎駅 - 南宮崎駅 - 宮崎空港駅

  • ( )の駅は、吉塚駅・赤間駅・杵築駅は7・24号のみ、戸畑駅・宇島駅・柳ヶ浦駅・宇佐駅・門川駅・都農駅は24号のみ停車。
  • 小倉駅でスイッチバックをするため、小倉駅到着時には座席の向きを変えるようにとの車内放送が流れる。また西小倉駅 - 小倉駅間は重複運転となるが、小倉駅で途中下車しなければこの区間は運賃・料金計算には含めない。

なお宮崎駅 - 宮崎空港駅間に関しては乗車券のみで普通車自由席に乗車可能で、この区間のみで普通車指定席またはグリーン車に乗車する際には、指定席券あるいは普通列車用自由席グリーン券を車内で車掌から購入する形となる。また宮崎駅を跨いで乗車する場合、特急料金は宮崎駅以北の区間のみで計算される。

使用車両・編成

2011年3月12日現在の編成図
にちりん・にちりんシーガイア
テンプレート:TrainDirection
1・2・5・6・10・11・15・16・18・
21・23・26・101・102号(787系)
1 2 3 4
G
3・8・13・14・19号
にちりんシーガイア24号(787系)
1 2 3 4 5 6
テンプレート:Bgcolor,G G個4 指・b
4・9・12・17・22・25号
にちりんシーガイア7・20号(783系)
1 2 3 4 5
G
  • 全車禁煙
  • 「にちりんシーガイア」は小倉駅で方向転換
  • 座席種別は変更される場合がある
凡例
テンプレート:Bgcolor=グリーン車座席指定席
テンプレート:Bgcolor=DXグリーン席(座席指定席)
テンプレート:Bgcolor=グリーン車4人個室(座席指定席)
指=普通車座席指定席
b=普通車ボックスシート(4人用×6室、座席指定席)
自=普通車自由席

大分鉄道事業部大分車両センター南福岡車両区に所属する787系電車、南福岡車両区に所属する783系電車(ハイパーサルーン)が充当されている。787系は大分車両センターに所属する車両が4両編成、南福岡車両区に所属する車両が6両編成(グリーン個室・デラックスグリーン車連結)、783系は5両編成で運転される。

787系は4両編成が「にちりん」7往復に、6両編成が「にちりん」下り3本・上り2本と「にちりんシーガイア」上り1本に充当されている。2011年3月12日の九州新幹線鹿児島ルート全線開通に伴い余剰となった車両で485系電車を置き換えるために日豊本線系統の特急列車に転用したもので、特急「きりしま」「ひゅうが」「川内エクスプレス」にも充当されている(ただし6両編成は「ひゅうが」のみで運用)。なお、「にちりんシーガイア」には1993年 - 2000年にも充当されたことがあり、当時連結していたビュッフェも営業していた。

783系は「にちりん」3往復と「にちりんシーガイア」1往復に充当され、各車両中央の乗降口を境に宮崎空港/博多寄りのA室と大分・小倉寄りのB室に分かれている。車両自体は「にちりん」には2001年から、「にちりんシーガイア」には2000年からそれぞれ充当されているが、2011年3月12日のダイヤ改正で「にちりん」系統に使われていた車両は博多駅近郊のホームライナーの性格を持つ特急列車に転用され、代わって「かもめ」系統で使用されていた車両で運行されるようになった。なお、両数は新旧の編成とも5両編成だが、乗車定員は現在の車両の方がやや多くなっている[1]。783系は1990年 - 1996年にも「にちりん」に充当されていたが、1995年までは783系の「にちりん」は車両の愛称に因んだ「ハイパーにちりん」の列車名で運行されていた。

なお、「にちりんシーガイア7・20号」は2010年9月11日 - 9月26日の土・日・祝日に限り、「がんばれ宮崎!」のラッピングを施した885系電車が使用された[2]テンプレート:-


過去の使用車両

過去に運行されていた列車

ドリームにちりん

1993年3月18日のダイヤ改正で、門司港駅(後に博多駅) - 西鹿児島駅間(宮崎駅 - 西鹿児島駅間は普通列車)を運行していた夜行急行列車「日南」が、787系投入の上で博多駅 - 南宮崎駅間の特急「ドリームにちりん」に変更された(寝台は廃止)。「日南」時代に続いて1日1往復の運行で、1996年7月に下りのみ宮崎空港駅まで延長され、2000年3月に783系での運行となり、以後廃止までこの体制で運行していた。夜行列車としての役割と同時に、博多駅 - 小倉駅・大分駅間や延岡駅 - 南宮崎駅・宮崎空港駅間の始発・最終列車としての役割を兼ねており、時間調整を行うため大分駅で長時間停車していた。

本州から九州に乗り入れる夜行列車が全廃されたことにより、2009年3月14日以降はJR九州管内を運行する唯一の定期夜行列車となり、2010年3月13日以降は急行能登」が臨時列車とされたため、JRでは最後の座席車のみの定期夜行列車であったが、2011年3月12日のダイヤ改正で、博多駅 - 大分駅間は「ソニック」、延岡駅 - 宮崎空港駅間は「ひゅうが」に系統分割(大分駅 - 延岡駅間は運行取りやめ)し、廃止された[3](運転最終日は始発駅基準で同年3月10日[4])。

停車駅

以下の停車駅は廃止時点のものである。

博多駅 - 赤間駅 - 折尾駅 - 黒崎駅 - 八幡駅 - 戸畑駅 - 小倉駅 - 行橋駅 - 宇島駅 - 中津駅 - 柳ヶ浦駅 - 宇佐駅 - (杵築駅) - 別府駅 - 大分駅 - 臼杵駅 - 津久見駅 - 佐伯駅 - 延岡駅 - 南延岡駅 - 門川駅 - 日向市駅 - 都農駅 - 高鍋駅 - 佐土原駅 - 宮崎駅 - 南宮崎駅 - 宮崎空港駅

  • ( )は宮崎空港行きのみ停車

使用車両・編成

廃止時点の編成図
ドリームにちりん
テンプレート:TrainDirection
1 2 3 4 5
G F
  • 全車両禁煙
  • 博多駅 - 小倉駅間は逆向き
  • 宮崎駅 - 宮崎空港駅間はグリーン車の指定席が自由席に変更
座席種別凡例
テンプレート:Bgcolor=グリーン車座席指定席
指=普通車座席指定席
テンプレート:Bgcolor=普通車座席指定席(女性専用席
自=普通車自由席

南福岡車両区に所属する783系が使用された。

編成は783系「にちりん」や「にちりんシーガイア」と同様であるが、指定席の一部は女性専用席とされた。車種が783系に変更されて以降、女性専用席は1号車B室に設けられていたが、グリーン車(1号車A室)の乗客がトイレを利用する際に女性専用席を通らなければならなかったこともあり、2008年10月1日から2号車A室に変更された。

日豊本線優等列車沿革

観光列車「ひかり」→「にちりん」と周辺列車群

  • 1958年昭和33年)
  • 1959年(昭和34年)
    • 4月1日:「ひかり」の一部編成の運転区間を博多駅・門司港駅 - 都城駅間に変更。
    • 9月22日:「ひかり」の博多駅・門司港駅 - 都城駅間の系統が、宮崎駅 - 都城駅間において宮崎駅 - 西鹿児島駅間(現在の鹿児島中央駅)を運転する編成の併結開始。
  • 1960年(昭和35年)
    • 3月10日:大分駅 - 別府駅間(小倉駅・熊本駅・大分駅経由)において「第2ひかり」運行開始、従来の「ひかり」は愛称を「第1ひかり」に変更。
    • 6月1日:ダイヤ改正に伴い以下のように変更をする。
    1. 「ひかり」、博多駅・門司港駅 - 都城駅間の系統および宮崎駅 - 西鹿児島駅間を統合し、運行区間を博多駅・門司港駅 - 熊本駅・西鹿児島駅に変更する。
    2. 別府駅 - 西鹿児島駅間を運行する準急列車「日南」(にちなん)運行開始。
    3. 従来、博多駅 - 別府駅間を久大本線経由で運行していた臨時快速列車ゆのか」の運行区間を延長し、定期列車化。博多駅 - 由布院駅 - 別府駅 - 博多駅間運行の循環準急列車となる。
  • 1961年(昭和36年)10月1日サンロクトオのダイヤ改正に伴い、以下のように変更する。
    1. 従来、門司港駅 - 宮崎駅間を運行していた準急列車に「青島」(あおしま)の名称を与える。
    2. 新たに広島駅 - 別府駅間運行の「べっぷ」の運行を開始。
  • 1962年(昭和37年)10月1日:ダイヤ改正に伴い以下のように変更する。
    1. 「第1ひかり」、急行列車に昇格。「第2ひかり」は愛称を「ひまわり」に変更。
    2. 西鹿児島駅 - 博多駅 - 宮崎駅間を運行する急行列車「フェニックス」の運行を開始。これに伴い、「青島」名称を廃止する。
  • 1963年(昭和38年)7月15日:博多駅 - 大分駅間を運行する準急列車「きじま」運行開始。
  • 1964年(昭和39年)10月1日:東海道新幹線開業に伴うダイヤ改正に伴い、以下のように変更をする。
    1. 「ひかり」の名称を東海道新幹線超特急の名称としたことから、運行系統を以下のように分割。
      1. 西鹿児島駅発着編成を「にちりん」に変更。
      2. 豊肥本線経由熊本駅発着編成を「くさせんり」に変更。
    2. 別府駅→宮崎駅間運行の準急列車「つるみ」、大分駅→門司港駅間運行の「しいば」運行開始。
      • これら片方向のみの準急列車はいわゆる送り込み運用の側面が大であったとされる。
  • 1965年(昭和40年)10月1日:このときのダイヤ改正に伴い、以下のように変更する。
    1. 「にちりん」と広島駅 - 別府駅間運行の「べっぷ」を統合し広島駅・門司港駅 - 西鹿児島駅間に「青島」運行開始。これにより「にちりん」の名称一時廃止。
    2. 「くさせんり」の運行区間を三角駅 - 別府駅 - 小倉駅 - 長崎駅・佐世保駅間とし、「九重」(くじゅう)に名称を変更。
  • 1966年(昭和41年)
    • 3月5日:準急列車制度の改変に伴い、「しいば」「ゆのか」「つるみ」「きじま」が急行列車に昇格。
    • 3月25日:博多駅 - 西鹿児島駅間を運行する急行列車として「にちりん」運行開始(「にちりん」の名称復活)。
  • 1967年(昭和42年)10月1日:「九重」を別府駅 - 小倉駅 - 長崎駅・佐世保駅間に変更し、「べっぷ」の名称を与える。

特急「にちりん」の登場とその周辺列車群

  • 1968年(昭和43年)10月1日ヨンサントオのダイヤ改正により、以下のように変更する。
    1. 「にちりん」をキハ80系気動車を使用した特急に昇格。
    2. 「日南」の列車名が京阪神対日豊本線夜行急行に用いられる。これにより列車名を「南風」(なんぷう)に変更する。
    3. 「しいば」が「南風」に統合。
    4. 「ゆのか」が博多駅 - 大分駅間を運行する急行列車の総称名となる。これにより、「きじま」名称廃止。また、前1967年に幸崎駅まで電化したことから、一部列車に475系電車を用いる様になる。
    5. 「べっぷ」が博多駅を境に運行系統を分割。博多駅以東を「ゆのか」に統合。
  • 1972年(昭和47年)
    • 3月15日このときのダイヤ改正に伴い、以下のように変更する。
      1. 「南風」の列車名称を土讃本線特急列車の名称に用いることから、列車名称を「しいば」に変更する。
      2. 従来門司港駅 - 西鹿児島駅間を運行していた夜行普通列車を急行列車に格上げし、「みやざき」の愛称を与える。
    • 4月27日:「にちりん」の博多駅 - 大分駅間(鹿児島本線・日豊本線経由)において485系電車を使用し1往復増発し2往復(電車1往復・気動車1往復)となるが、増発分の大分発着「にちりん」の食堂車は営業休止のまま連結。
  • 1973年(昭和48年)10月1日:「フェニックス」の宮崎駅発列車の終着駅を西鹿児島駅から博多駅に変更。
  • 1974年(昭和49年)
    • 4月25日:日豊本線幸崎駅 - 南宮崎駅間電化にともない、「にちりん」の博多駅 - 大分駅系統の運行区間を宮崎駅まで延長。運行区間を博多駅 - 宮崎駅間に変更。延長前に営業休止の食堂車が営業を開始。気動車特急「おおよど」新設により編成を共通運用化させる為に西鹿児島発着「にちりん」の食堂車が編成から外れる。
    • 11月1日:新幹線「ひかり」食堂車従業員確保で宮崎駅発着の「にちりん」の食堂車営業を終了。
  • 1975年(昭和50年)3月10日山陽新幹線岡山駅 - 博多駅開通にともなうダイヤ改正に伴い、以下のように変更する。
    1. 「にちりん」がエル特急に指定される。6往復増発し8往復(電車7往復・気動車1往復)となる。同時に山陽新幹線岡山駅 - 博多駅開業にともない、小倉駅にて新幹線に接続する列車となる。
      • 運行区間:博多駅・小倉駅 - 大分駅・宮崎駅間(485系)、博多駅 - 西鹿児島駅間(キハ80系)
    2. 「ゆのか」を博多駅 - 小倉駅 - 大分駅間の急行列車に統一。熊本駅乗り入れを廃止し、山陽線直通の「べっぷ」の日豊本線内の系統も吸収する。
    3. 門司港駅・小倉駅・別府駅 - 宮崎駅・西鹿児島間運行の急行として「日南」を設定。(改正前は、京都駅大阪駅 - 宮崎駅・都城駅間で運行していた夜行急行の愛称。日豊本線内で一部立替)これにより、「フェニックス」「青島」「高千穂」「みやざき」として運行されていた日豊本線内急行の名称は廃止。
    4. 宮崎駅 - 西鹿児島駅間の急行列車は、「しいば」を除き、「錦江」に統一。山陽線直通の「青島」は「日南」と「錦江」に分割される。
  • 1978年(昭和53年)10月2日ゴーサントオのダイヤ改正により、以下のように変更する。
    1. 「にちりん」使用のクハ481形200番台の列車名幕に太陽を図案化したイラストマークが採用される。
    2. 「しいば」の列車名称を「日南」に変更。
  • 1979年(昭和54年)10月1日:日豊本線全線電化。「錦江」1往復を格上げし西鹿児島発着系統を1往復電車列車で増発。ただし従前より運行の西鹿児島発着系統の「にちりん」の1往復は肥薩線経由の特急「おおよど」と車両を共通運用するためキハ80系気動車のままで運行。
  • 1980年(昭和55年)10月1日:「にちりん」の一部において「彗星」の間合い運用で583系電車の使用開始。これにより全列車が電車化される。また、別府駅始発西鹿児島行の「にちりん」1号を運行開始。
    • このとき、昼行急行「日南」「ゆのか」は大幅削減されたものの、全列車の特急格上げを前提に一部が残された(このため「日南」の一部は博多駅に乗り入れた)。その際、それらを格上げして運転されると想定した「にちりん」と実際に運転される「にちりん」を通しで付番したため、「にちりん」の号数に欠番が生じた。

総特急化とその後の進展

  • 1982年(昭和57年)11月15日東北新幹線上越新幹線開業に伴うこの時のダイヤ改正により九州各線での昼行電車急行列車を廃止し、東北新幹線化により余剰となった485系電車を用いて特急列車化がなされる。これにより「日南」は夜行列車1往復を残し、すべて「にちりん」に格上げされる。
  • 1984年(昭和59年)2月1日:583系による「にちりん」を終了し、全列車485系電車による運転となる。
  • 1985年(昭和60年)3月 : 485系ボンネット形先頭車にもイラストマーク採用。イラストの濃さが特に濃いものも有り、太陽の赤い部分が目立って大きく見えたマークも存在した。
  • 1986年(昭和61年)11月1日:「にちりん」が下関駅 - 大分駅間の運行開始。
  • 1988年(昭和63年)3月13日一本列島のダイヤ改正により、以下のように変更。
    1. 「にちりん」の宮崎駅発着系統の一部を南宮崎駅まで運行区間延長。
    2. 「にちりん」が門司港駅 - 大分駅間で運行開始。
    3. 「日南」の運行区間を博多駅 - 西鹿児島駅に変更。
  • 1989年平成元年)3月11日:「にちりん」の大分駅発着系統の一部を佐伯駅まで運行区間延長。
  • 1990年(平成2年)3月10日:このときのダイヤ改正に伴い、「にちりん」の運行系統を以下のように変更。
    1. 大分駅発着系統の一部において783系電車「ハイパーサルーン」の使用を開始し、当該列車の愛称を「ハイパーにちりん」とする。
    2. 宮崎駅発着系統をすべて南宮崎駅発着とする。
  • 1991年(平成3年)3月16日:「にちりん」のうち、佐伯駅発着系統の一部列車を南延岡駅まで運行区間延長。
  • 1992年(平成4年)7月15日:このときのダイヤ改正に伴い、以下のように変更する。
    1. 下関駅 - 大分駅間の「にちりん」を廃止。
    2. 別府駅発西鹿児島行「にちりん」を小倉駅発とし運行区間延長。
1993年3月18日時点の編成図
にちりんシーガイア・ドリームにちりん
テンプレート:TrainDirection
1 2 3 4 5 6 7 8 9
テンプレート:禁煙 テンプレート:禁煙 テンプレート:禁煙 テンプレート:禁煙 テンプレート:禁煙
G G個4 F B・b
  • 7両編成で運行する場合がある(この場合、5・6号車は自由席禁煙車、7号車は自由席喫煙車に変更)
  • 小倉駅で進行方向を変える
凡例
テンプレート:Bgcolor=グリーン車座席指定席
テンプレート:Bgcolor=グリーン車4人個室(座席指定席)
指・テンプレート:Bgcolor=普通車座席指定席(テンプレート:Bgcolorはドリームにちりんのみ女性専用車
b=普通車ボックスシート(4人用×6室、座席指定席)
自=普通車自由席
B=ビュッフェ(にちりんシーガイアのみ営業)
テンプレート:禁煙=禁煙
  • 1993年(平成5年)3月18日:このときのダイヤ改正に伴い、以下のように変更。
    1. 「にちりん」の南宮崎駅発着系統のうち2往復において787系電車を使用し、当該列車の愛称を「にちりんシーガイア」に変更、ビュッフェ営業も行われたので19年振りに「にちりん」に供食設備が復活する。
    2. 「日南」に787系電車を投入し、博多駅 - 南宮崎駅間の特急「ドリームにちりん」に変更。
      • なお、改正後も「日南」は臨時列車として1年余り運行した。
  • 1995年(平成7年)4月20日:このときのダイヤ改正に伴い、以下のように変更。
    1. 「にちりん」の西鹿児島駅発着系統を宮崎駅・南宮崎駅で分割、同じ区間を運行していた快速「錦江」を統合する形で、宮崎駅 - 西鹿児島駅間に「きりしま」を新設。
    2. 883系電車を「にちりん」の大分駅発着列車の一部に使用し、「ソニックにちりん」に変更。
    3. 「ハイパーにちりん」の愛称を廃止し「にちりん」に統合(783系自体は引き続き充当)。
    4. 門司港駅発「つばめ」の時刻を繰り下げ、門司港駅 - 博多駅間にこれまで「つばめ」のダイヤを踏襲する形で「にちりん」101号を設定。
    • この改正から翌年3月のダイヤ改正までの1年弱、「にちりん」には485系・783系・787系・883系と4系統の車両が用いられていた。JR九州の在来線特急列車で定期ダイヤで1愛称に4系統の車両が用いられたのはこれが唯一の事例である。
  • 1996年(平成8年)
    • 3月16日:「にちりん」の783系電車は一旦運用を終了。
    • 7月18日:「にちりん」「にちりんシーガイア」が宮崎空港線開業に伴い、南宮崎駅発着系統の一部を宮崎空港駅発着に変更。
  • 1997年(平成9年)
    • 3月22日:「にちりん」「ソニックにちりん」のうち、大分駅発着系統の列車を「ソニック」に変更。これにより「にちりん」の門司港駅 - 大分駅系統を廃止。
    • 11月29日:「にちりん」101号を長崎行き「かもめ」5号に統合。

2000年代での展開

  • 2000年(平成12年)3月11日:このときのダイヤ改正に伴い、以下のように変更。
    1. 大分駅以南の利用不振のため、「にちりん」の南宮崎駅・宮崎空港駅発着系統を削減、南延岡駅発着系統を廃止。「にちりん」全体としては11往復から6往復に削減。
    2. 「ソニック」を増発し、佐伯駅発着系統を新設。
    3. 削減された「にちりん」を補うのと、快速「ひむか」を統合する形で、延岡駅 - 南宮崎駅・宮崎空港駅間に「ひゅうが」を新設。
    4. 「にちりんシーガイア」「ドリームにちりん」の使用車両を783系電車に変更。同系列は本列車に復帰するが、ビュッフェ営業が廃止。
  • 2001年(平成13年)3月3日:このときのダイヤ改正により、以下のように変更。
    1. 「にちりん」の全列車の運行区間を小倉駅 - 南宮崎駅・宮崎空港駅間に短縮し、一部列車において783系電車による運転開始。これにより、485系電車は臨時列車を除き博多駅への乗り入れがなくなる。
    2. 「にちりんシーガイア」1往復削減。
  • 2003年(平成15年)3月15日:「にちりん」を6往復から8往復に増発するが、このうち4往復に関して別府駅発着とした上、「ソニック」と「にちりん」を別府駅・大分駅で接続させるダイヤに変更。別府駅・大分駅での特急料金の通算を設定。
  • 2004年(平成16年)
    • 3月13日:「にちりん」を8往復から11往復に増発するが、小倉駅発着の1往復を除いて全て別府駅発着とする。
    • 7月1日:平日のみ運転であるが、中津駅 - 大分駅間に「にちりん」101号・102号新設(現在は毎日運転)。
  • 2005年(平成17年)
    • 4月1日:「にちりん」「にちりんシーガイア」車内販売を中止。
    • 10月1日:寝台特急「彗星」の廃止により、別府駅 - 宮崎空港駅間に「にちりん」を1往復増発(小倉駅・別府駅 - 南宮崎駅・宮崎空港駅間は計12往復)。以後、本数面では現在までこの体制が続いている。
  • 2006年(平成18年)9月17日:14時5分頃、「にちりん」9号が南延岡駅手前1km付近で、台風13号の影響による突風で先頭から2両が脱線し、横転する列車脱線事故JR日豊本線脱線転覆事故)が発生。6人が負傷。
  • 2008年(平成20年)
    • 3月15日:「にちりん」の全列車の運転区間を別府駅・大分駅以南に短縮(101・102号をのぞく)。これにより、485系電車は臨時列車を除き小倉駅への乗り入れがなくなる。
    • 6月:エル特急の呼称を廃止。
  • 2009年(平成21年)3月14日:ダイヤ改正により以下のように変更。
    1. 別府駅発着列車のうち、朝・夕方の列車を中心に約半数の列車を大分駅発着に変更。
    2. 全車禁煙となる[5]
  • 2010年(平成22年)
    • 8月28日29日の2日間、EXILE LIVE TOUR 2010 "FANTASY"の九州公演が大分市大分銀行ドームで開催され、485系で運行されている「にちりん」102号が博多駅まで延長運転。臨時列車として787系による「にちりん」92号博多行きを運転。
    • 9月11日:宮崎応援企画の一環として、「がんばれ宮崎!」ラッピング装飾を施した885系「ソニック」用一編成を9月11日から26日までの土日祝に「にちりんシーガイア」として運行。デザインは、885系のデザイナーである水戸岡鋭治が同じく関わっている和歌山電鐵のスーパー駅長・たまをモチーフにしている[2]
  • 2011年(平成23年)3月12日:ダイヤ改正により以下のように変更[3]
    1. 「にちりん」の使用車両を787系・783系に変更。
    2. 「にちりん」の宮崎空港駅発着の1往復を下りは小倉駅始発、上りは博多駅行きに延長の上、上りに関しては「にちりんシーガイア」に列車名変更。これにより「にちりん」は中津駅発着列車も含めて下り13本・上り12本、「にちりんシーガイア」は下り1本・上り2本の運行となる。「にちりんシーガイア」の使用車両は従来からの1往復が783系、増発分の上り1本は787系。
      • これにより「にちりん」の小倉駅乗り入れが3年ぶりに、及び「にちりんシーガイア」への787系充当が11年ぶりに復活。
    3. 「ドリームにちりん」廃止。これにより、JR九州管内から定期夜行列車が消滅。
    4. 別府駅発着列車は午前中の2往復を除いて大分駅発着に変更。
    5. 「にちりん」「にちりんシーガイア」での車内販売が復活。
  • 2012年(平成24年)3月17日:このときのダイヤ改正により、残った別府駅発着列車もすべて大分駅発着に変更[6]

脚注

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関連項目

外部リンク

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  1. テンプレート:Cite book
  2. 2.0 2.1 テンプレート:Cite news
  3. 3.0 3.1 テンプレート:Cite press releaseテンプレート:リンク切れ
  4. 「JR時刻表」2011年2月号。
  5. テンプレート:Cite web
  6. テンプレート:Cite press release