おぼっちゃまくん

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テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/TVAnime テンプレート:Infobox animanga/Footer テンプレート:Sidebar with collapsible listsおぼっちゃまくん』は、小林よしのりによる日本漫画作品、及びそれを原作としたテレビアニメ。コミックスは全24巻。幻冬舎から文庫版全8巻が刊行されている。

概要

御坊財閥の跡取り(999代目)息子御坊茶魔が主人公。漫画雑誌月刊コロコロコミック』で1986年5月号から1994年9月号までの間に連載。人気絶頂期には特別読み切りとして『週刊少年サンデー』にも数回登場のほか『ちゃお』にも掲載。1989年に第34回小学館漫画賞児童向けを受賞。コミックスは約600万部を売り上げ、『東大一直線』、『ゴーマニズム宣言』と並ぶ小林よしのりの代表的作品の一つである。1989年からアニメ放映もされ高い人気を博した(詳細情報は後述)。

主人公が喋る「茶魔語」(後述)は、当時の子供達の間で流行語になった。しかし、男性器や大便(一応、蛍光色にして表現を和らげてはいる)が多く登場するなど下ネタギャグがたっぷり含まれていたため、アニメ版は日本PTA全国協議会の「子供に見せたくない番組」では、常に上位だった。

本作の生まれたきっかけ

小林は福岡県出身で、プロデビュー後何年かしてから上京したが、東京では地方出身者に対する差別が激しい事を体験し、見返してやる事を決心。収入が増えるたびに転居を繰り返し、1986年には日本有数の高級住宅街である世田谷区成城に住居と仕事場を構えた(詳細は「小林よしのり」参照)。

そして喫茶店でアイデアを練っている時、金持ちの若いカップルが後から店に入ってくると、男が「今度俺のクルーザーに乗せてやるよ」と女に自慢した。この嫌味な金持ち感覚に強い憤りを覚えた小林が、そのような上流階級がさらに呆れるような金持ちを創作してやろうと奮起して生まれたのが本作である。ちなみに小林の意図に反して、そういった上流階級からも人気は高かったという。

なお、このエピソードは漫画化されコミックに掲載されている。

茶魔語

本作の主人公「御坊茶魔」が発する特有の言語。初期の頃は、「でしゅ」「ぶぁい」のような博多弁を幼く崩した言葉遣いや、「ともだちんこ」「いいなけつ」「ぜっこうもん」のような下ネタダジャレを指していたが、連載していた雑誌『月刊コロコロコミック』で読者に新しい茶魔語を募集して選ばれた「おっ…おはヨーグルト」が作者・読者ともに評判が良く、その後、「こんにチワワ」「こんばんワイン」「そんなバナナ」「頭に北半球」「さいならっきょ」「ちが宇っ宙(うっちゅう)に」など、多彩な言葉遊びへと発展していった。このうち「なんて骨体」は沢田ユキオの『スーパーマリオくん』で、「すいま千円」は浜岡賢次の『浦安鉄筋家族』などでも使われたこともある。また「そんなバナナ」「ともだちんこ」などは日常的に使う人もいる。

上記の言葉遊びとは異なり、「へぽーん」「むんな気持ち」「みんな感じ」など、自らの感情表現をボディランゲージ的に表す『おちゃま語』というのも存在する。

またこれまでの小林が描いた漫画からの流用も「すぺぺっ」「ぐぴぴっ」「パーペキ」「パープリン」(東大一直線)「うんにゃのっと」(世紀末研究所)「(どんどど)どぼちて?」(いろはにほう作)などが存在する。

エッセイスト江國滋が『日本語八ツ当り』でこき下ろし、小林とテレビ番組で対決する事態までになったこともある。もっとも出演時には江國の態度は豹変しており、小林は拍子抜けしたという。

登場人物

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御坊家の所有物

テンプレート:節stub 御坊家はアメリカ合衆国大統領旧ソ連の指導者にも影響力が強く、世界でも有数の大財閥ということで、庶民には思いつかない多くの物を所有している。その一部をここに記す。

お召し列車
天皇家のお召し列車を模した、御坊家専用列車。御坊家敷地内に駅があり、そこから出発する。柿野や沙麻代を連れて、伊勢志摩等に出かけた。
チャマンスカー
箱根の茶魔温泉に旅行するのに利用する御坊家専用お召し列車。御坊家の地下にある駅を出発し、小田急線に乗り入れて箱根に向かう。元ネタは小田急電鉄特急ロマンスカー。なぜ小田急かと言うと、小林が田園調布の前に成城に住んでいたからである。
便ツ
たまに茶魔が通学に使用する小型の自家用車。座席が洋式便器型になっており、きばると前に進むようになっている。元ネタはドイツの高級車、ベンツ
巨大凧
ビル10階分の大きさがある遊覧飛行用の。一番下にあるゴンドラを利用する。ただ巨大が故に風の影響を受けて宇宙に飛ばされることがあるため、非常用ヘルメットを常備している。
底なし沼
御坊家の粗大ゴミはここに捨てられる。ボーイング747が丸ごと飲み込まれるほど大きい。袋小路や貧保っちゃまがここに落ちて溺れそうになったことがあった。
巨大洋式トイレ
通常の何十倍もの大きさがある洋式便器が設置されたトイレ。フタの裏には亡き母・和貴子の写真が飾られている。茶魔は百畳敷きの和式トイレとを気分に応じて使い分けている。巨大であるが故に流す水の量も絶大で、たまに時空間のゆがみが発生する。
チャファリパーク
御坊家の敷地内に存在する巨大サファリパーク
チャマーズランド
人工スキー場を有する遊園地。
御坊軍
御坊家の護衛を任務とする私設軍隊民兵組織)。陸・海・空の戦力に加え、「地底軍」という地中の部隊もある。戦車潜水艦戦闘機F/A-18)そして、地中を進むことができる戦車を保有しており、女性看護士から成る衛生隊もある。ただし、茶魔が誘拐された際は、亀光から通報を受けたアメリカ海兵隊帝国ホテルを強襲した。普段は御坊家及びそのコンツェルンの護衛任務に付いているが、父子喧嘩が勃発した際には亀光派と茶魔派に分裂して互いに激戦を繰り広げる事もあった。また、茶魔が不良グループに引き込まれた際には、対立する不良グループとの決闘に戦車を出動させて衛生隊ともども加勢している。
地下牢
成績不振など素行不良を起こした茶魔を懲らしめるための牢獄。
しかし実際の地下牢とはかなり異なり牢屋の中にテレビやフルーツなどがあるなどゴージャス。
茶魔の絶叫と鞭のような擬音、じいの怯え方から鞭打ちの刑と思われたがが実際はお父ちゃま(御坊亀光)からのペロペロの刑であった。

その他、茶魔の勉強部屋も、当然ながら通常の小学生とは異なり、水族館・ミニ動物園・ピンボールゲーム等が備え付けてある。ただし、真面目に勉強するには不向きであり、無意味に広い畳敷きの和式トイレでやるのが最適のようである。

アニメ

本作のアニメ版は1989年1月14日から1992年9月26日まで、テレビ朝日系列にて毎週土曜日19:30~20:00(1991年4月より19:58までに短縮)に放送された。全164話。平成で最初に放送されたアニメである。

なお、朝日放送では当該時間帯にドラマ『部長刑事』シリーズを放映していた関係上、同日夕方の先行ネットとなっていた[1]。その為、夏の高校野球大会期間中は、試合展開等により本来放送されるべき時間帯に所定通りの放送ができなく、1990年には大会終了後の10:30~11:30に2週分まとめて放送されたことがあった。

また、ウンチには青い透過光がかけられていたり、金色に光らせたりしていた。ちんこはほぼ修正なしで放送されている。

2013年4月5日(日付上4月6日)にはDVD発売記念におぼっちゃまくん傑作選が放送される。放送時間は1時間(4:10 - 5:10、関東ローカル)。

スタッフ

  • 原作:小林よしのり
  • 監督補:鳥羽厚
  • 美術監督:内田建彦
  • 音楽:宮原恵太
  • 録音監督:小林克良
  • 撮影監督:金子仁、小沢次雄→岡本英一郎
  • プロデューサー:木村純一テレビ朝日)、増子相二郎シンエイ動画
  • 監督:やすみ哲夫
  • 脚本:桶谷顕、安斉あゆ子、海老沼三郎、田中浩司、桜井正明、松島明子、高山広子、やすみ哲夫、真保裕一、大山歳郎、中島康雄、西村孝史、切通理作、久保田美智代、西園悟大地丙太郎
  • 文芸:真保裕一
  • 演出・絵コンテ:やすみ哲夫、鳥羽厚、聖慈魔、大関雅幸、木下ゆうき、鈴木幸雄、池野文雄、秦義人、佐藤真人、寒竹清隆、あにますお、石崎すすむ、康村諒、松島明子、藤原浩一、南波千浪、長岡耕一、山尾正、大地丙太郎、又野弘道、緒方静、ワタナベシンイチ、林啓、遠藤卓司、中野線路、松浦錠平、真保裕一、相田祥博、中野頼道、犬野内蔵、ムトウユージ、小林孝志、高柳哲司、成川武千嘉、鈴木貴一、矢吹勉、川島宏、鈴木吉男
  • キャラクターデザイン:藤田宗克
  • 作画監督:松本清、古川達也、清水明、木下ゆうき、山尾正、佐久間信計、佐藤真人、金沢勝眞、北衛人、藤田宗克、後藤聖一、河合静男、山本佐和子、大西克美、高木信一郎、武内啓、山崎勝彦、新井豊、音地正行、石井浩司、新井雪、陳清富、鳥羽厚、畑良子、小村井修、藤田麻貴、中村正、宍戸久美子、上條修、都丸保、大澤聡、河村明夫
  • タイトル:道川昭
  • 効果:横山正和
  • 整音:中戸川次男
  • 制作デスク:大地丙太郎→村竹保則→東道泰→神村篤
  • 制作:テレビ朝日シンエイ動画

主題歌

オープニングテーマ

『ぶぁいYaiYai-おぼっちゃまくんのテーマ-』
作詞 - 小林よしのり / 作曲 - 永島浩之 / 編曲 - 庄建治 / 歌 - いんぐりもんぐり
『茶魔さま』
作詞・作曲 - 吉幾三 / 編曲 - 入江純 / 歌 - 田中義剛[2]

エンディングテーマ

『一度だけI LOVE YOU-沙麻代ちゃんに捧げるうた-』
作詞 - 永島浩之 / 作曲 - 前島正義 / 編曲・歌 - いんぐりもんぐり[2]
『容赦なく愛して』
作詞 - 小林よしのり / 作曲・編曲 - 佐藤準 / 歌 - 本田理沙
『EVERYBODY〜YOU ARE THE ONLY ONE』
作詞・作曲 - LU-NA / 編曲 - 浅田昌也 / 歌 - BABY'S
『Hello! Hello! Hello!』
作詞 - 白石浩介、野山昭雄 / 作曲 - 野山昭雄 / 編曲・歌 - THE BELL'S
エンディング映像では、レギュラーキャラの顔がその担当声優の顔写真に差し替えられるという演出があった。
む〜んな気持ちはおセンチ
作詞 - 川島だりあ / 作曲・編曲 - 織田哲郎 / 歌 - Mi-Ke
『GO! GO! ハマちゃま (COUNT IT OFF)』
作詞 - Hammer / 作曲 - Hammer and Felton C.PilateII / 歌 - Hammer(Featuring,The Home Boy Chair)
当時人気絶頂だったハマーが来日した際、主題歌に協力してもらえないかとダメモトで依頼したところ快許が得られ、『COUNT IT OFF』に副題を付けてEDとしたもの。またハマー自身も『Hello! Hello! Hello!』と同じ演出の写真画で登場している。
権利上の都合でDVDには収録されていない。

各話リスト

ネット局

(※印は時差ネット、▲印は途中から同時ネットでスタート)

最終回

アニメについては、漫画の連載後期に何本か執筆されていた「前後編合計100頁シリーズ」の「地球王の秘宝」を前後編形式でオンエアし、締めくくっている。

漫画についてはいつも通りの一話完結だったものが、突如「第一部完」という、ほとんど打ち切りのような形で終了している。『ゴーマニズム宣言』が忙しくなったためとも、コロコロ編集部との間に軋轢が生じたためとも言われているが、真相は不明。後に小林が編集長を務める『わしズム』Vol13・14・18で新しい話が連載された。

備考

  • 小林が『宝島』に連載していたエッセイ漫画『おこっちゃまくん』によると、同じ小学館の『らんま1/2』とアニメ化の時間帯が同じになり、結局『らんま』が半年で撤退すると、小林の許に高橋ファンを名乗る者から剃刀が送られるなど、抗議の手紙が殺到したという。小林はそのような行動を取る高橋ファンを「高橋自身はまじめに漫画を考えているが、高橋ファンはマザコンでタチが悪い」と批判した。その後『週刊少年サンデー』で本作の特別読み切りが掲載された際、表紙で『らんま』の主人公と茶魔が共演を果たし、小林は『おこっちゃまくん』で「思う存分カッカしてね(笑)」と皮肉っている。
  • クイズ!いち2の三枝』では、神代知衣がナレーションを担当。明確に名乗ってはいないが、語尾に「ぶぁい」とつけていた。
  • トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜』では、神代知衣が御坊茶魔として影(副音声)のナレーターを担当。定期的に他の「影ナレ」と交代で出演している。しかし、2006年9月27日前半(最終回)では最後の副音声を務めるあしたのジョーの矢吹丈役のあおい輝彦と交代された。
  • 1988年に『クイズダービー』にて「歩く身代金と言われている、漫画・おぼっちゃまくんの主人公が鼻の穴の中に入れている宝石は何」という問題が出題されたことがある。『クイズ!年の差なんて』でも、ヤング問題として、茶魔語の1つである「シンクロナイズド睡眠不足」の「睡眠不足」を当てる穴埋め問題が出題されたことがある。
  • 出版社のパーティーで小林は晩年の藤子・F・不二雄と話をした際、「『おぼっちゃまくん』は何年続いてますか?」「8年です」「読者が入れ替わっているから、15年は続けられるね」と指摘され、衝撃を受けたと『ゴーマニズム宣言』で述べている。

ゲーム・パチンコ

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脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

テンプレート:前後番組 テンプレート:小林よしのり テンプレート:テレビ朝日系列土曜夜7時台枠のアニメ テンプレート:小学館漫画賞児童向け部門

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  1. 開始当初は17:55~18:25。その後、全国ニュース(『ANNニュース&スポーツ』→『ザ・スクープ』→『ANN 530ステーション』)の時間枠変更に伴い、1989年10月より17:30~18:00、1990年10月より17:00~17:30にそれぞれ変更となった。
  2. 2.0 2.1 テレ朝チャンネルでの放送ではこの曲で統一している。