Β鉄

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テンプレート:小文字 β鉄(べーたてつ、βFe)とは、高純度の(純鉄)において、770~911℃の温度領域にあるとみなされていた鉄の相(組織)である。

結晶構造解析が未発達だった時代では、強磁性体の鉄と常磁性体の鉄の相は異なると想定されていた。その時、前者をα鉄(フェライト)、後者をβ鉄としていた。しかし、その後、α鉄・β鉄両方とも同じ体心立方格子構造をとるとわかった。つまり、α鉄とβ鉄の結晶構造は同じであり、相変態が起こっていないということがわかった。現在では、α鉄に統一されたため、『β鉄』という用語は用いられていない。

なお、純鉄において、770℃を境目にして鉄の磁性が変化する。この温度は鉄のキュリー温度であり、A2点という。

関連項目