H&K MSG90

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テンプレート:Infobox H&K MSG90は、1987年ドイツH&K社が開発したセミオートマティックライフル。MSGは"Militärisches Scharfschützengewehr"の略で「軍用狙撃銃」を意味し、90は生産開始年の1990年を表す。PSG1の廉価版にあたり、G3SG/1とPSG1の中間に位置する。軍用として開発され、PSG1とは多少の差異がある(後述記載)。

開発の経緯

H&K G3のテクノロジーを流用して開発されたH&K PSG1は、連射可能な狙撃ライフルとして優秀な性能であった。しかし、それゆえに値段が7,000ドルと非常に高額だったことに加え、銃を長距離持ち運ぶ必要性が低い警察系特殊部隊向けに開発されたためか8.1kgと重かった。そこで軍用系部隊の使用を考慮し、数々の変更(下記参照)によってコストダウンした上、1.7kgの減量にも成功し、PSG1の性能はそのまま、軍用としての使用でも苦にならない様に改良された。ドイツにはすでにH&K PSG1・G3SG/1があったためか軍用としては納入されなかった。しかしアメリカ軍に採用され、湾岸戦争でデルタフォースグリーンベレー等の特殊部隊が使用した実績もあり、1997年にはアメリカ軍の要請でバックアップ用アイアンサイトH&K G8タイプ)やマズルフラッシュを低減させるフラッシュハイダーを装備したMSG90A1が生産されている。その後二脚を変更したMSG90A2も開発された。

この功績により、最近ではアメリカ陸軍特殊部隊デルタフォースグリーンベレーアメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズなどのアメリカの部隊でも導入されている。

PSG1との違い

  • PSG1と同じトリガーシステムながら、銃身を短くした上、フレームもG3と同様のものを使用
  • スコープをカーレスヘリオス×6に変更
  • 野戦での携行性を高めた
  • スコープの着脱が可能

外部リンク