F5D (航空機)
Douglas F5D Skylancer | ||
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ダグラス F5D スカイランサー ダグラス F5D スカイランサー(NASAでのダイナソア計画における訓練時のもの) | ||
概要 | ||
分類 | 艦上戦闘機 | |
乗員 | 1 | |
初飛行 | 1956年 | |
製造 | ダグラス社 | |
寸法 | ||
全長 | 53 ft 9.75 in | 16.4 m |
全幅 | 33 ft 6 in | 10.2 m |
全高 | 14 ft 10 in | 4.5 m |
翼面積 | 557 ft² | 52 m² |
重量 | ||
空虚時 | 17,444 lb | 7,912 kg |
満載時 | 24,445 lb | 11,088 kg |
最大離陸重量 | 28,072 lb | 12,733 kg |
機関 | ||
エンジン | Pratt & Whitney J57-P-8 ターボジェット 1基 | |
推力 | 10,200 lbf 16,000 lbf アフターバーナー時 |
45 kN 71 kN アフターバーナー時 |
性能 | ||
最大速度 | 990 mph | 1,590 km/h |
戦闘半径 | 1335 miles | 2,148 km |
フェリー航続距離 | miles | km |
実用上昇限度 | 57,500 ft | 17,500 m |
上昇率 | 20,730 ft/min | 6,320 m/min |
機器 | ||
レーダー | X-24A | |
武装 | ||
機銃 | 4 × 20 mm 機関砲 | |
ミサイル | 4 × AIM-9 サイドワインダー or 2 × AIM-7 スパロー | |
ロケット | 72 × 2 in (51 mm) ロケット |
F5Dはアメリカ海軍向けの試作戦闘機。開発はアメリカ合衆国のダグラス社が行なっており、愛称はスカイランサー(テンプレート:Lang-en-short)。F4Dスカイレイ戦闘機の改良型であったが、制式採用には至らなかった。
概要
F4D-1戦闘機は、高速性能が優秀であったものの、全天候性能や航続性に欠けていた。そのため、1953年に改良型として、F4D-1を大型化したF4D-2Nがダグラス社より提案され、開発が開始されることとなった。名称は間もなくXF5D-1に変更となった。
基本的な外形はF4Dと同じく、丸みを帯びたデルタ翼を持つ機体であるが、機体は大型化され、各所が改良されている。全長が3m近く大きくなっているほか、エリアルールの採用や、主翼厚の減少、垂直尾翼の拡大などが行われている。キャノピーや機首形状もより鋭角的になった。その他、搭載ミサイル数の増大、燃料容量の拡大に伴う航続距離の延伸、新型レーダーやFCSの搭載も行われている。エンジンはF4D-1と同じくP&W J57-P-8ターボジェットエンジンを搭載したが、量産型ではP&W J57-P-14エンジンの搭載が予定され、より強力なGE J79エンジンを搭載する計画もあった。
1956年4月21日に初飛行し、超音速飛行を行った。初飛行以前に、試作機2機のほか、先行量産型9機・量産型51機の発注が行われたが、試作機2機と先行量産型2機が完成したところで、F-8の採用により、開発はキャンセルされた。
F5Dはその後、アメリカ航空宇宙局(NASA)での試験に供されることとなった。NASAは機体を1961年までに取得し、2機が飛行試験に使われた。超音速輸送機の開発・研究に用いたほか、飛行特性が似ていたことからX-20(ダイナソア)計画の訓練にも用いられた。1963年のダイナソア計画の中止後も、これらはシミュレーターやチェイス機など各種用途に1970年頃まで使われた。ニール・アームストロングがダイナソア計画中に搭乗したことがあることから、現在は1機がニール・アームストロング航空宇宙博物館に展示されている。
参考文献
- アメリカ海軍機 1946-2000 増補改訂版 ミリタリーエアクラフト’01年2月号別冊 デルタ出版