オン・ザ・ロード (1982年の映画)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『オン・ザ・ロード』(On The Road)は、1982年の日本映画。ジョイパックフィルム・ムービー・ブラザーズによる製作。配給は松竹。公開時の併映は『転校生』。
解説
監督の和泉聖治は、1972年に「情事の報酬」でデビューし、「オン・ザ・ロード」までに49本のピンク映画を監督、この作品で一般映画にデビューした。
たいへんな低予算映画ではあるものの、よく練られた脚本とスピーディな物語展開は鮮やか。
東京から鹿児島まで白バイと赤いスポーツカーが駆け抜けるロードムービー。作中に「(白バイ警官の富島哲郎は)イージーライダーだよ」というせりふがあるが、映画全体を象徴するせりふである。
あらすじ
白バイ警官の富島哲郎は、飲酒運転車の取り締まり中にスクーターをひっかける事故を起こしてしまう。富島はスクーターに乗っていたファッションモデルの比嘉礼子に謝罪に行きたいと上司に申し出るが、上司の高森は「軽傷だし、謝罪に行かれると警察の責任を認めたことになる」としてそれを押しとどめる。数ヵ月後、富島は、比嘉礼子が大怪我であり歩行障害が残ったためファッションモデルを断念せざるを得なくなっていたことを知る。比嘉礼子は、富島を激しくなじった。
改めて富島が比嘉礼子のアパートに謝罪に訪れると、比嘉礼子は東京から故郷の沖縄に戻ることを決め、姉・比嘉さち子が運転する赤いスポーツカーで陸路鹿児島まで向かう旅に出た直後だった。富島は、白バイに乗ったまま、謝罪のためにその赤いスポーツカーを追跡する。
勤務を離脱した白バイがあることが問題となり、各地で警察をあげての大追跡劇がはじまる。
キャスト
- 富島哲郎:渡辺裕之(白バイ警官)
- 比嘉礼子:藤島くみ(ファッションモデル)
- 比嘉さち子:秋川リサ(比嘉礼子の姉・赤いスポーツカーの女)
- 高森:室田日出男(富島哲郎の上司)
- 江上:山田辰夫(富島哲郎にシンパシーを抱くバイク少年)
- アパートの管理人:殿山泰司
- 竹成:うえだ峻
- 岡田真澄、竹田かほり、絵沢萌子、江藤潤、山西道広、平泉征、唐沢民賢、坂田祥一朗、青空球児・好児、千うらら、野上正義 ほか
スタッフ
- 監督:和泉聖治
- 脚本:那須真知子・和泉聖治・藤中秀紀
- 音楽:長戸大幸
- 音響効果:小島良雄
- 助監督:中原俊弘(現:中原俊)
- カーアクション:スリーチェイス
- 現像:東映化学
- スタジオ:にっかつ撮影所
- 企画:石橋晋也、渡辺稔、吉田格
- プロデュース:中川好久(ニュー・センチュリー・プロデューサーズ)