アルゴス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アルゴス(テンプレート:Lang-grc-short, テンプレート:Lang-la)は、ギリシア神話に登場する巨人である。
全身に百の目を持ち、しかもそれらの目は交代で眠るため、彼自身は常に目覚めている(別の伝承では、背中に第三の目があるとも、後頭部に二つ目があるとも言われる)。つまり、アルゴスには時間的にも空間的にも死角が無い。
神々の命を受け、アルカディアで雄牛の怪物を、ペロポネーソスでエキドナを退治する等の軍功を上げる。
特にヘーラーの忠臣であったが、雌牛に変えられたイーオーの監視をしていた際、ゼウスの密命を受けてイーオーを取り戻しに来たヘルメースに暗殺される。この際、ヘルメースは葦笛の音を聞かせてアルゴスの目を全て眠らせ剣で首を刎ねたとも、遠くから石を当てて殺したともいう。あるいは、ヘルメースには殺されなかったが、イーオーを逃がされた責でヘーラーに処刑されたともいう。
ヘーラーはアルゴスの死後、その目を取って自身の飼っているクジャクの尾羽根に飾った。それ以来、クジャクは尾羽根に百の目を持つという。クジャクの話にはもう一つ説があり、それによれば、ゼウスがヘーラーの機嫌を直させるために送った鳥がクジャクだという。どちらにしても、クジャクの尾羽根にある百の目はアルゴスの目であるという説がある。