高濃縮ウラン
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高濃縮ウラン(こうのうしゅくウラン、HEU,High Enriched Uranium)とは、核分裂を起こすウラン235の濃度が20%以上のもので、原子爆弾、研究用原子炉、軍事用艦艇の推進機関などに使用される。原子爆弾に使用される高濃縮ウランは、濃縮度が90%以上(最低70%以上)であるため、原子炉で用いられる低濃縮ウラン燃料とは異なり、容易に核暴走を引き起こすため、取り扱いに注意を要する。
天然ウランに含まれるウラン235は、およそ0.7%程度である為、濃度を高めるにはウラン濃縮を行う必要がある。
原子力推進機関を備えた艦艇で、高濃縮ウランが使用されるのは、燃料の交換を不要にするためである。原子力空母や原子力潜水艦の核燃料交換には、船体を大きく切り開く必要があり、多大な費用が必要となるが、高濃縮ウランを使用することで、艦齢より長い原子炉稼動期間を実現し、理論的に核燃料の交換作業を不要とした。
関連項目
テンプレート:Nuclear-stuben:Enriched_uranium#Highly_enriched_uranium_(HEU) de:Hochangereichertes_Uran