ピエール・ルネ・ドリーニュ
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ピエール・ドリーニュ(Pierre Deligne、1944年10月3日 - )はベルギーの数学者。
14歳でニコラ・ブルバキの数学原論を読みこなしていたドリーニュは、ブリュッセル自由大学──大学に入るころは既に大学の数学をすべて終えていたとのこと。──と高等師範学校で数学を学び、23歳でIHÉSの客員教授、26歳でIHÉS教授、34歳のときフィールズ賞を受賞。1984年からはプリンストン高等研究所教授。
そのドリーニュが師事したのが、アレクサンドル・グロタンディークである。彼はグロタンディークが数学をしていた間はグロタンディークに忠実であったが、グロタンディークが数学をやめた後は、グロタンディークのプログラムよりヴェイユ予想の早期の解決に向かい、1974年ヴェイユ予想を解決した。
自らのプログラムが放棄(埋葬)されたことに激怒したグロタンディークはドリーニュを激しく非難した。現在ドリーニュは1988年にグロタンディーク還暦記念論文集を刊行するなど和解に向けて努力している。
ドリーニュ61歳記念カンファレンスには、複数のフィールズ賞受賞者を含むメンバーが揃った[1]。
2013年にアーベル賞を受賞。
業績
- Weil予想の解決。
- Ramanujan予想の解決。
- テンプレート:疑問点範囲
- Mumfordとの共同研究でモジュライ空間のコンパクト化。
- Lusztigとの共同研究で幾何学的な既約表現の構成、既約表現の分類。
- Hodge関係の仕事
- Hodge分解の代数的証明。
- DeligneのHodge理論。
- "重さ"の哲学。
- Zariski予想の解決。
- Deligne-Griffiths-Morgan-SullivanでのKahler多様体の仕事 。
- ふたつの変形量子化の間の相対コホモロジーの導入。
- Deligne-Serre の定理。モジュラー形式の<math> l </math>進表現。
- Deligne-Kazhdan の跡公式。
- Deligne-Mostowの分類。射影直線の配置空間の分類。
- Deligne Cohomologyの構成。
- 多重ゼータ値とモチーフの関係付け
- 他にもBeilinson-Deligne、とかとか
受賞歴
- 1978年 - 国際数学者会議フィールズ賞
- 1988年 - スウェーデン王立アカデミークラフォード賞
- 2004年 - バルザン財団バルザン賞:数学における様々重要な分野(代数幾何学、代数的および解析的整数論、群論、トポロジー、グロタンディークのモチーフ)での貢献。新しい強力な道具によって有限体上のリーマン仮説(ヴェイユ予想)を証明。
- 2008年 - ウルフ財団ウルフ賞数学部門:混合ホッジ理論、ヴェイユ予想、リーマン・ヒルベルト対応、数論への貢献に対して
- 2013年 - アーベル賞