樹状細胞
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テンプレート:単一の出典 樹状細胞(じゅじょうさいぼう、テンプレート:Lang-en-short)は、抗原提示細胞として機能する免疫細胞の一種であり、哺乳類の免疫系の一部を担っている。
皮膚組織をはじめとして、外界に触れる鼻腔や肺、胃、腸管に存在し、その名のとおり周囲に突起を伸ばしている。表皮の樹状細胞はランゲルハンス細胞と呼ばれる。
抗原提示細胞は自分が取り込んだ抗原を、他の免疫系の細胞に伝える役割を持つ。抗原を取り込むと樹状細胞は活性化され、リンパ節や脾臓などの二次リンパ器官に移動する。リンパ器官では取り込んだ抗原に特異的なT細胞を活性化する。この活性化は非常に効率的であり、T細胞の活性化において、樹状細胞はマクロファージよりも優れている[1]。
抗原を取り込む能力を持った末梢組織の樹状細胞を未熟樹状細胞、リンパ節に移動し、テンプレート:仮リンクを発現してT細胞を活性化する能力を獲得するとともに抗原を取り込む能力を失った樹状細胞を成熟樹状細胞と呼ぶ。また、リンパ節に入ると樹状細胞はケモカイン テンプレート:仮リンク を分泌してT細胞を誘引するとともに、接着分子 テンプレート:仮リンク によりT細胞と強く結合するようになる。この状態における成熟樹状細胞は、その形態から相互連結細網細胞 (interdigitating reticular cell) とも呼ばれる。
樹状細胞は発現している表面抗原分子 (CD, cluster of differentiation) によってさまざまなサブセットに分類される。
樹状細胞の分類
- 骨髄系樹状細胞(myeloid dendritic cell)
- 形質細胞様樹状細胞(plasmacytoid dendritic cell)
- ランゲルハンス細胞(Langerhans cell)
- 指状嵌入細胞(interdigitating cell)
- ヴェ-ル細胞(veiled cell)
- 真皮内樹状細胞(dermal dendritic cell)