塩川伸明
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
塩川 伸明(しおかわ のぶあき、1948年8月31日 - )は、日本の政治学者。専門はロシア政治史、比較政治学。
略歴・人物
東京都生まれ。都立日比谷高校卒業。東京大学教養学部、同大学大学院社会学研究科で学ぶ。学生時代は新左翼の思想に傾倒し、全共闘運動の熱心な活動家だったこともある(所属は中核派)。
1979年に東京大学社会科学研究所助手、1982年より同大学法学部助教授。渓内謙の後任として比較政治を担当し、1994年より東京大学大学院法学政治学研究科教授。2013年定年退職。
社会主義とは結局、人類にとって何であったのかという問いかけを根本に置きながら、専門分野で緻密な実証研究を発表する一方で、平易な文体で綴られた社会主義の啓蒙的な著作も数多い。
著書
単著
- 『「社会主義国家」と労働者階級――ソヴェト企業における労働者統轄 1929-1933年』(岩波書店, 1984年)
- 『スターリン体制下の労働者階級――ソヴェト労働者の構成と状態:1929-1933年』(東京大学出版会, 1985年)
- 『ソヴェト社会政策史研究――ネップ・スターリン時代・ペレストロイカ』(東京大学出版会, 1991年)
- 『ペレストロイカの終焉と社会主義の運命』(岩波書店, 1992年)
- 『終焉の中のソ連史』(朝日新聞社, 1993年)
- 『社会主義とは何だったか』(勁草書房, 1994年)
- 『ソ連とは何だったか』(勁草書房, 1994年)
- 『現存した社会主義――リヴァイアサンの素顔』(勁草書房, 1999年)
- 『「20世紀史」を考える』(勁草書房, 2004年)
- 『多民族国家ソ連の興亡(1)民族と言語』(岩波書店, 2004年)
- 『多民族国家ソ連の興亡(2)国家の構築と解体』(岩波書店, 2007年)
- 『多民族国家ソ連の興亡(3)ロシアの連邦制と民族問題』(岩波書店, 2007年)
- 『民族とネイション――ナショナリズムという難問』(岩波書店[岩波新書], 2008年)
- 『冷戦終焉20年――何が、どのようにして終わったのか』(勁草書房, 2010年)
- 『民族浄化・人道的介入・新しい冷戦――冷戦後の国際政治』(有志舎, 2011年)
共編著
- (石川晃弘・松里公孝)『講座スラブの世界(4)スラブの社会』(弘文堂, 1994年)
- (中谷和弘)『法の再構築(2)国際化と法』(東京大学出版会, 2007年)
- 『ユーラシア世界(1)〈東〉と〈西〉』、塩川伸明・小松久男・沼野充義・宇山智彦編、東京大学出版会、2012年
- 『ユーラシア世界(2)ディアスポラ論』、塩川伸明・小松久男・沼野充義編、東京大学出版会、2012年
- 『ユーラシア世界(3)記憶とユートピア』、塩川伸明・小松久男・沼野充義]]編、東京大学出版会、2012年
- 『ユーラシア世界(4)公共圏と親密圏』、塩川伸明・小松久男・沼野充義・松井康浩編、東京大学出版会、2012年
- 『ユーラシア世界(5)国家と国際関係』、塩川伸明・小松久男・沼野充義編、東京大学出版会、2012年
訳書
- スティーヴン・F・コーエン『ブハーリンとボリシェヴィキ革命――政治的伝記、1888-1938年』(未來社, 1979年)
- E・H・カー『ロシア革命――レーニンからスターリンへ, 1917-1929年』(岩波書店, 1979年/岩波現代文庫、2000年)
- M・シートン=ワトソン『文学作品にみるソヴェト人の息吹』(朝日新聞社, 1988年)