訓令
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訓令(くんれい)とは、行政機関(上級官庁)が別の行政機関(下級官庁)または職員に対して権限行使を指揮するために発する命令のことである。国家行政組織法(昭和23年法律第120号)の第14条に定めがあり、「各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、命令又は示達するため、所管の諸機関及び職員に対し、訓令又は通達を発することができる。」とされている。基本的に公表はされないが、中には公共性が強いなどの理由で官報に掲載されるものもある。官報に掲載される訓令は法令番号と同様の訓令番号を持つ。
訓令の種類
訓令は発出する機関により以下のような種類に分けられる。
地方自治体(及びその機関)にも訓令を発出するものがある。
訓令と類似したものとの関係
訓令と法令
訓令と法令とは異なるものであるが、法令としての性質を有する訓令や法令を補完する役割を果たす訓令も存在する。
訓令と通達
国家行政組織法14条2項は、「各省大臣、各委員会及び各庁の長官は、その機関の所掌事務について、命令又は示達するため、所管の諸機関及び職員に対し、訓令又は通達を発することができる」として訓令と通達を使い分けて規定しているが、両者は相排斥する概念ではなく、実質的意味の訓令が文書によって示達された場合、これを通達というのが一般的理解である。
訓令と職務命令
上司が部下の公務員の職務に関して発する職務命令(国家公務員法(昭和22年法律第120号)第98条第1項)とは、理論上区別される。訓令は、行政組織内部における規律にとどまり、法規の性質をもたないのが原則なので、訓令違反の行為は職務上の義務違反となるだけで、国民に対する関係では直ちに違法とはならない。
関連項目
外部リンク
- 所管の法令・告示・通達等(電子政府の総合窓口)