磯部しゅう三
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
テンプレート:Ambox-mini テンプレート:Infobox Scientist
磯部 琇三(いそべ しゅうぞう、1942年7月16日 - 2006年12月31日)は、日本の天文学者。専門は、恒星の誕生領域の研究。大阪府大阪市生まれ。
生涯
大阪府立清水谷高等学校卒業。東京大学理学部及び同大学大学院を卒業。高瀬文志郎に師事した。国立天文台助教授を経て、2006年に64歳で亡くなるまで日本スペースガード協会の理事長を務めた。
各地のアマチュア天文家ともコンタクトを取り天文学の普及に尽力した。学生時代は野球部に在籍し、それ以来の熱心な野球ファンとしても有名である。
有言実行を信条としており、「やると言い出したらやりすぎるほどの行動派」と妻から評されていた。そのため、健康状態が芳しくなくドクターストップがかかっているにもかかわらず、皆既日食の観察のために5000m級の山に登ったこともある。
2006年12月31日に肝臓癌で亡くなったが、本人の希望で葬儀等は執り行なわず、2007年1月20日の朝日新聞・毎日新聞・読売新聞の朝刊に本人の遺言状として黒枠で囲まれた個人広告が掲示された。それは「妻と娘に、生前の自分との付き合いはどうだったか手紙を送ってくれ」という旨の文章と氏名のみが記載されたものであった。
著書
単著
- 『なにがオリオン大星雲で起っているか』(講談社 ブルーバックス 1980年)
- 『灼熱の星間空間』(誠文堂新光社 1982年)
- 『彗星と星間物質・星間ダストと彗星』(地人書館 1982年)
- 『星はどうして生まれたか』(ポプラ社 天文シリーズ 1982年)
- 『世界の天文台』(河出書房新社 アストラルライブラリー 1983年)
- 『南天天写真集』(地人書館 1984年)
- 『星の誕生』(共立出版 モダン・スペース・アストロノミー・シリーズ 1985年)
- 『巨大惑星の世界』(旺文社 ジュニア宇宙科学シリーズ 1986年)
- 『すい星の世界』(旺文社 ジュニア宇宙科学シリーズ 1986年)
- 『太陽とエネルギー』(旺文社 ジュニア宇宙科学シリーズ 1986年)
- 『探査機が見た惑星』(旺文社 ジュニア宇宙科学シリーズ 1986年)
- 『星の誕生と進化』(旺文社 ジュニア宇宙科学シリーズ 1986年)
- 『ぼくらの天文・気象・地球 宇宙のはてへの旅』(岩崎書店 1987年)
- 『宇宙のはてを見る』(講談社 ブルーバックス 1988年)
- 『天文学を変えた新技術』(朝倉書店 1988年)
- 『星空へのガイドブック』(丸善 理科年表読本 1988年)
- 『天文学の辞典』(朝倉書店 1989年)
- 『宇宙と星の基礎知識・星はいつ、どのようにして誕生するのでしょう』(講談社 1989年)
- 『はるかな宇宙へのステップ』(けやき出版 1990年)
- 『第二の地球はあるか』(講談社 ブルーバックス 1991年)
- 『太陽の輪の謎に挑む ある天文学者のメキシコ登山日記』(けやき出版 1993年)
- 『遥かなり地球外生命』(同文書院)
- 『星雲星団シリーズ・散光星雲』(地人書館)
- 『散光星雲』
- 『宇宙のフロンティア探検』
共著
- 『天文資料集』(東京大学出版会 1989年)
訳書
- 『宇宙 - 100億年への挑戦』(ナイゲル・ヘンベスト他著 教育社 1985年)
- 『宇宙・天文大辞典』(Pybil P. Parker他編 丸善 1987年)
- 『アストロノミー』(L.K.Kelsey著 誠文堂新光社 1990年)
- 『星の物理』(ジェームズ・ケイラー著 日経サイエンス社 1993年)
- 『宇宙で起こった3つの大爆発』 (フィリップ・M・ド-バ-+リチャ-ド・A・ミュラ-著 三田出版会 1997年7月10日)