国歌

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テンプレート:国の象徴 国歌(こっか、テンプレート:Lang-en-short)は、そのを象徴するのこと。各国の法律によって規定されるもの、国民の共通意識によって認識されるもの、歴史的に国歌として扱われているものなどがあり、一様ではない。国歌は不変の存在ではなく、政治体制によって、時代によって、改定が行われることもある。


歴史

ヨーロッパにおいて最も古い国歌はオランダ八十年戦争1568年から1572年に書かれた、「ウィルヘルム」である。ヨーロッパでは国歌に対する関心が19世紀に高まり、ナショナリズムの台頭とともに、各国が独立国家として国歌を採用した。ヨーロッパによる植民地統治を乗り越えて成立した多くの国はヨーロッパ式の国歌を採っている。

様式

多くの国歌は、行進曲賛美歌のスタイルを採っている。ラテンアメリカの国々は、オペラ風の作品を選ぶ傾向があり、一握りの国々はファンファーレの様式を採っている。各国の国歌の平均的な長さは演奏時間にして1分ほどであるが、南アメリカ諸国の国歌は長いものが多い。英語表記が national anthems であるように、直訳すれば「国賛歌」となる。 幾つかの国歌は有名な作曲家によって書かれている。

逆に、スペインの国歌「国王行進曲」のように歌詞のない国歌も存在する。

国歌の歌詞

政治体制の変化などによって国歌を改訂する際、メロディーはそのままで歌詞のみを一部、または全面的に改めることがよく見られる。中国の国歌のように一度変更した歌詞を元に戻したり、ロシア連邦国歌のように他のメロディーに変更した後、再びソビエト連邦の国歌に新しい歌詞を付け直したりする例もある。

公用語が複数ある国では、国歌の歌詞も各言語のものが全て正式なものとして認められている場合が多い。その場合多数派の言語の歌詞を少数派の言語に訳すことが多いが、カナダの国歌フィンランドの国歌のように人口的には少数派の言語の歌詞が先に作られたものもある。場合によっては、南アフリカの国歌のように複数の公用語の歌詞を一曲にまとめた例(但し、この例においては独立的な2曲を一曲として国歌にしている)や、神よニュージーランドを守り給えのように、公的な場において複数言語の歌詞を一度に歌うことが慣習となっている例が存在する。

イギリスの国歌リヒテンシュタインの国歌や、フィンランドの国歌エストニアの国歌のように、同一のメロディーに別の歌詞(言語も異なる)が付けられている国歌も存在する。

ギリシャキプロスの国歌「自由への賛歌」や、トルコ北キプロス・トルコ共和国の国歌「独立行進曲」のように、複数の国が全く同一の曲(歌詞・言語・メロディーが全て同じ)を国歌とする例もある。

国歌の使用機会

国歌は多様な機会で使用される。休日や、祭りで演奏される場合や、オリンピックFIFAワールドカップなどのスポーツの国際大会や親善試合などでも試合の前や、金メダル受賞者に演奏される。幾つかの国では学校の始業前に毎日、愛国心の訓練のために演奏されたり、似た様に国旗に敬礼する。また他の国では演劇や映画の上演前に演奏される。多くのラジオテレビ局は放送開始と終了の時に国歌を流す。多くの場合1番 (stanza) のみ演奏される(ドイツは3番)。 ワールドゲームズにおいては、2001年に開催された第6回秋田大会から演奏されている。

国歌に準ずる曲

多くの国家は非公式な国歌も持っている(王室、文化圏、州、連邦州、など。例:ベルギー地域)。

国歌に次いでその国を象徴するような歌(曲)が「第二の国歌」と呼ばれることがある。ほとんどの場合法的に定められたものではない。「第二の国歌」として知られる曲として、イギリスの威風堂々第1番、アメリカ合衆国の星条旗よ永遠なれアメリカ・ザ・ビューティフル、イタリアのナブッコ、オーストリアの美しく青きドナウなどがある。

大きな統一体の場合、欧州連合 (EU) の歌として、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの「歓喜の歌」をもつ。国際連合アフリカ連合も非公式な歌を持つ。2005年には、ブリティッシュ・アンド・アイリッシュ・ライオンズグレートブリテン及び北アイルランド連合王国構成地域。イングランドウェールズスコットランドアイルランド北アイルランドアイルランド共和国)からなるラグビー連合)は "The Power of Four" を聖歌に定めた。

なお戦前の日本では、海行かばが第二国歌としての扱いを受けており様々な場面で唱和されていた[1]

国歌一覧

詳細は国歌の一覧を参照。

評価

作曲家團伊玖磨は晩年に、国歌の必要条件として、短い事エスニックである事好戦的でない事の3条件を挙げ、イギリス国歌ドイツ国歌君が代の3つが白眉であると評した。なお、君が代については同時に、「音楽として、歌曲としては変な曲だが国歌としては最適な曲である。」と書いていた。[2]

脚注

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外部リンク

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  1. 堀 雅昭『戦争歌が映す近代』、葦書房、2001年、25-26頁
  2. 團伊玖磨、「しっとりパイプのけむり」、p145、朝日新聞社、2000年、ISBN4-02-257480-7