平野耕太

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テンプレート:Infobox 漫画家 テンプレート:Sidebar with collapsible lists 平野 耕太(ひらの こうた、1973年7月14日 - )は、日本漫画家東京都足立区出身。主にアクションかギャグ、どちらかを区切って取り扱った作品が多い。「ヒラコー」とも呼ばれている[1]

来歴

高校時代は漫画研究部の部長を務め、その後、専門学校東京デザイナー学院アニメーション科に入学し、中退。同校の漫画研究会に所属し、在学中に『COMICパピポ』(フランス書院)に掲載された『COYOTE』でデビュー。一時ゲーム会社に勤めていたものの数日(1週間以内)で退社しており、本人曰く「忘れたい出来事」と作品中で語っている。

デビューから暫くは成人向け漫画を執筆していたが、既にその頃からストーリー展開やギャグ部分に独特の雰囲気が存在していた。その後、一般雑誌に転向し『コミックガム』にて、同人誌に全てを賭けるオタク達の野望と狂気を描いた『大同人物語』でカルト的な人気を得るが、連載中断のまま未完となった。打ち切りに際して、「ガム(掲載誌)? 知らねえよ。電話ひとつねえ。理不尽には無視で返すべきなのだ。故に知らねー」と、出版社との確執を吐露した。また1997年には『ファミ通PS』で『進め!!聖学電脳研究部』を連載、掲載雑誌の方向性をしばしば逸脱したゲーム紹介やストーリーの脱線などで話題を集めたが、出版関連の騒動から近年の角川書店版発売まで単行本が余り出回らなかった(角川書店版の後書きで騒動の顛末が書かれている)。1998年より『ヤングキングアワーズ』にてイギリス国教会カトリックのヴァンパイアハンターおよびナチスの吸血鬼軍団による三つ巴の戦いを描く『HELLSING』を連載、同作は10年近い長期連載へと至る人気作となり、漫画家としての知名度を確立する事になった。

2009年に『HELLSING』を完結させ、新たに各時代の武士軍人達が異世界で戦う『ドリフターズ』の執筆を開始した。

作風

作品中ではナチスが登場することも多い。デビュー作の『COYOTE』ではレジスタンスとナチス・ドイツを髣髴とさせる軍事国家との戦いが描かれ、『HELLSING』では物語のキーとなる形で登場する。なお、軍服の作画には苦労するらしく「あんな描きにくい奴ら死ねばいいんですよ!」「ナチはヘドが出るほど描き過ぎた」と語っている。[2]

ベタを多用し陰影を強調した画、特異なデッサン・ポーズ、そして芝居がかった大仰な台詞回しが特徴である。この独特の修辞法は佐藤大輔の小説やウィンストン・チャーチルの演説などから影響を受けているとされる。また、前者の描画法は日本国内では珍しいが、アメコミでの一般的なデフォルメに近い形式である。

長編作品ではシリアスな物語を基本とする一方で、ネタに走った場面や短編・エッセイ風の作品も描く。 ギャグシーンなどでゲーム、漫画、アニメ、映画、音楽などの話題が唐突に登場したり、背景としてペンギン村風の光景(山や雲などに笑顔)などパロディをさしこむこともある。

登場人物は男女を問わず手袋眼鏡を着用しているキャラクターが多い。巨乳メガネ、ネコ(女役)になる美少年を好む。眼鏡キャラには偏愛があり、『天空の城ラピュタ』の登場人物であるムスカ大佐が自身の精神世界で最上位に来ると『アニメージュ』で語ったことがある。おなじくふしぎの海のナディアの敵役であるガーゴイルからの影響もたびたび語る。

体験を作品に反映していると語る。『HELLSING』にてロンドンを破壊し、イギリス人イングランド人)を虐殺するシーンがある。自身のサイトにて「ロンドン旅行の際、たびたび不愉快な経験をしたことが原因」と述べた。ホテルの従業員から差別的な扱いを受け、露天商から偽ブランド品を売りつけられ、更に食事(イギリス料理)もまずかった。観光を兼ねた取材旅行であったのが、最終的には「作品中でどうするか」など怒りながら写真を撮って回っていたという。

『HELLSING』や『ドリフターズ』の単行本巻末には、近況、ブラックジョーク、ヤクザ映画などのパロディ、筆の向くままの奇声などを描くコーナーが存在する。単行本カバーにおける著者紹介欄では、毎回新ネタによる3項目ほどの紹介と、ほぼ一貫して趣味「いやがらせ」「ちんこいじり」と記載することが恒例となっている[3]


成年漫画誌時代は、支離滅裂なまま指定のページ数の終了を迎えてしまい、時折、コマの外に「なにこれ」「もう何が何だか」と書くこともあった。

女性器描画における陰毛表現についてこだわりを持っており、一般誌に移ってからも折にふれて主張。「無毛・パイパン以外認められない。魅力的なキャラクターでも陰毛が生えているだけで台無しになる。」例に挙げるのはトップをねらえ!のタカヤ・ノリコなど。 また、同人誌であつかう性描写には強姦ものが多い。


しばしばコマの外にアシスタント募集の旨を綴った文が見られた。最初のうちはごく普通の告知であったが、回を重ねるごとに必死さが増していき、やがて懇願しているかのようなものになっていった[4]。因みに現在のアシスタントは専門学校時代の同級生3名とのこと。

近況漫画に出てくる2人のうちツッコミを担当している方が、友人で漫画家の山田秋太郎である。

人物

ファイル:Kouta Hirano drawing.JPG
ジャパン・エキスポでのパフォーマンス(2008年)

単行本の後書き・巻末コメントやTwitter、公式サイト・ブログなどのインターネット上では過激かつひょうきんな一面をあらわすことでも話題にあがる。 ただしこうした発言はあくまでオタクが定型的に用いるネタであるとしている。

掲示板などの質問には真摯な面もみせる反面、ネット上の煽りなどには激しく憤る人物である。公式サイト時代は怒りとともに閉鎖・再開・閉鎖・再開を繰り返していた。

自画像では黒のサファリ帽を被り、黒いワイシャツネクタイを締めワッペンを沢山貼ったジャケットをまとった、太った眼鏡の男として登場する。

エピソード

  • 特に自らが嫌う人・物に対するバッシングは激しく、その容赦のない文面によっても話題を集めている。
    • HELLSINGがTVアニメ化した際その出来を痛烈に批判。「野沢那智がもったいねえ。以上。第一話見て期待してた俺が馬鹿だった。さっさとゲームWAVE見たら寝ようや。馬鹿馬鹿しい。」と切り捨てた。これにより後に作者の意向を反映させたOVA版がつくられることになる。[5]
    • 職業を「江川達也をテレビで見るたびに舌打ちをする係」としていたこともあり、接点の薄いタレント漫画家に対して苦言が多い。
    • ファイアーエムブレム 暁の女神』を「コントローラー放り投げた」など猛烈に批判した。[6]
    • 出身地である足立区をネタにすることが多い(「ギャングの巣窟で、抜け出すにはラッパーか漫画家になるしかない」「銃を持たずにくるほうが悪い」など)。
      • 対して区民でもない人間からの悪評には怒りの反応をしめす。「治安が悪い」などと評されたときには激怒のコメントを書きつづったこともあった。
  • ブログからTwitterに移りかわり、こうした発言の頻度も活発化していった。
    • 2010年に入ったころ開始。フォロワーから寄せられる「思ってたより面白くない」などのツイートへ怒りを表した。「勝手に人のこと想像しといてイメージと違ったから嫌いってアホか」とアカウント削除に至る。数日後あらたにアカウントをつくりなおしTwitterを再開した。[7]
    • 学生時代の同級生が、平野耕太と山田秋太郎の関係を「モーツァルトサリエリ」に例えて訳知り顔で書き込みをした所、「学生時代絵も漫画もろくに描かなかった奴が、なぜそんなことを言えるのか」という主旨のコメントし、強く非難した。[8]
    • Pixivが開催した講談社まんがスカウトfesから一作をツイートし、すがわらくにゆきからの盗作だと呼びかけた。「正気かよ」「もう少し捻ろうぜ」と創作モラルに対して苦言を呈した。当該作品は数時間後に削除された。[9]
    • 大地丙太郎から罵りを受けたと告発した。飲み会の席で大した面識もないのにやってきて、肥満について説教し、ダイエット法を押しつけてきた。不快な思いをしたと現場でのセリフをまじえて数ツイートにわたり描写した。[10]
    • アニメーション監督の山本寛をブロックしていると公言。[11]
  • 伊集院光電気グルーヴ大槻ケンヂなどによる深夜ラジオ、VOWアスキーOUTなど投稿雑誌の影響下にあったことを公言している[12]。いずれも90年代前半におけるサブカルシーンの本流であり「過激なことを言ったもの勝ち」な風潮であった。
  • ラブドール・等身大人形を複数所有している。引越しにおける扱いづらさを赤裸々に語り、笑いをさそった。オリエント工業製を愛用している。[13]
  • 『HELLSING』10巻の表紙折込や『以下略』の第2話で、苗字が同じという理由で「平野綾が自分の嫁になるべき」と主張した。

作品リスト

継続中の作品

単行本化された完結作品

  • COYOTECOMICパピポフランス書院)連載。※成人向け漫画
    1. 1995年刊行 ISBN 4-8296-7745-7 Xコミックス、全1巻。
  • 拝Hiテンション:表題作を含む短編集。※成人向け漫画
    1. 1996年刊 ISBN 4-8827-1445-0 カラフルEX(ビブロス)、単巻。
収録作品「上海遊撃隊」「砂漠の用心棒」「私の足ながパトロン」「儂も若い頃は無茶したもんじゃ」「テクノ番長」「テクノ番長SS(スーパーズ)」
  • 大同人物語コミックガムワニブックス)、1996年より連載。連載中断の後、未完となっている為、第1巻のみ刊行(雑誌掲載分の単行本未収録あり)。
    1. 1998年刊 ISBN 4-8470-3280-2 GUMコミックス刊
  • HELLSING:ヤングキングアワーズ(少年画報社)連載。ヤングキングコミックス。
    1. 1998年刊 ISBN 4-7859-1870-5
    2. 1999年刊 ISBN 4-7859-1958-2
    3. 2000年刊 ISBN 4-7859-2047-5
    4. 2001年刊 ISBN 4-7859-2125-0
    5. 2003年刊 ISBN 4-7859-2286-9 [14]
    6. 2003年刊 ISBN 4-7859-2373-3
    7. 2004年刊 ISBN 4-7859-2499-3
    8. 2006年刊 ISBN 4-7859-2666-X
    9. 2007年刊 ISBN 4-7859-2885-9
    10. 2009年刊 ISBN 4-7859-3131-0
  • 進め!!聖学電脳研究部ファミ通PS(アスキー)、1997年から1998年まで連載。全1巻。
    • 1999年刊 ISBN 4-88199-590-1 ゲーメストコミックス(新声社)版:7Pの短編「うっかりパパ」および、18Pの短編「東京BINGO団」を併録。
    • 2003年刊 ISBN 4-0471-3478-3 角川コミックスエースエクストラ(角川書店)版:7Pの短編「うっかりパパ」および、16Pの短編「進め!!聖学以下略。」を併録。
  • 補足
新世紀エヴァンゲリオン』のいわゆる商業アンソロジーでは、他の作家とのオムニバス短編が数点確認されている。内容はスラップスティック・ギャグの体裁に仕上がっている。

単行本未収録作品

  • ANGEL DUST(COMICパピポ 1996年(フランス書院)):『COYOTE』の続編。全10話。※出版社により原稿紛失。
  • HIANDLOW(ヤングキングアワーズ(少年画報社))〈読み切り〉
  • ガンマニアウルトラジャンプ集英社))
  • 進め!以下略(季刊少年エース増刊桃組→コンプエース(ともに角川書店))
  • 彼らの週末(月刊アフタヌーンシーズン増刊 2001年Winter号(講談社))〈読み切り〉
  • BE WILD!!(月刊少年ガンガン(スクウェア・エニックス))〈読み切り〉
  • HELLSING(快楽天 1996年10月号(ワニマガジン社)):同名の長編作品のパイロット版。〈読み切り〉※成人向け漫画
  • 無敵の魔法教師カワハラーZ(快楽天 1996年7月号(ワニマガジン社)〈読み切り〉※成人向け漫画
  • 大総統サバサバ(快楽天 1997年2月号(ワニマガジン社))〈読み切り〉※成人向け漫画
  • ブービートラップ(快楽天 1997年4月号(ワニマガジン社)〈読み切り〉
  • イカす総統天国(コミック零式 1998年Vol.6(リイド社))〈読み切り〉※成人向け漫画
  • 美少年で名探偵でドエス(電撃大王GENESIS 2010SUMMER)〈連載〉(アスキー・メディアワークス)※連載の予定であったが掲載は1話目のみ、翌号以降休載。
  • HELLSING外伝 THE DAWN(ヤングキングアワーズ増刊号(少年画報社)不定期連載)※掲載誌の休刊に伴い休載。

挿絵

関連項目

作風だけでなく作者本人の個性から、友人である漫画家達の作品に何度かキャラクターとして登場している。

脚注

  1. テンプレート:Cite web
  2. HELLSING official guide bookのインタビューより
  3. 『HELLSING』『ドリフターズ』各単行本カバー折り返し参照。
  4. 『大同人物語』の連載中断時には、掲載誌の『コミックガム』誌上で、何度かアシスタントの募集が公式に行われていた。
  5. 公式サイト■2001/10/25 (木) 「第3話感想」
  6. 公式サイト■2007/03/07 (水) 「ファイアーエムブレム暁の女神」
  7. https://twitter.com/hiranokohta からの投稿 |13:37 - 2010年05月09日
  8. 同上17:11 - 2013年07月15日
  9. 同上02:26 - 2013年04月24日
  10. 同上06:22 - 2010年05月30日
  11. 同上02:27 - 2014年1月11日
  12. 同上18:40 - 2013年02月09日
  13. 同上22:05 - 2013年10月17日
  14. 発売と同時期に公開された映画『MOON CHILD』がヴァンパイアが題材であった為、出演者のGackt(現・GACKT)から「現在、君が人間であることを感謝せよ/Gackt(Artist)」というコメントが、一時期単行本の帯に寄せられていた。

外部リンク

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