メボソムシクイ
テンプレート:生物分類表 テンプレート:Sister テンプレート:Sister
メボソムシクイ(目細虫食、学名 テンプレート:Snamei)は、鳥類スズメ目メボソムシクイ科の1種である。
種小名 テンプレート:Snamei は「北」の意。
特徴
分布
北東ユーラシア大陸、アラスカ、サハリン、日本に生息する(アラスカ州西部、インド、インドネシア、カンボジア、シンガポール、タイ王国、大韓民国、中華人民共和国、台湾、朝鮮民主主義人民共和国、日本、ノルウェー、フィリピン、フィンランド、ブルネイ、ベトナム、マレーシア、ミャンマー、モンゴル人民共和国、ラオス、ロシア)。
夏季にアラスカ、ユーラシア大陸北部で繁殖し、冬季になると東南アジアへ南下し越冬する。日本では テンプレート:Snamei(コメボソムシクイ)が渡りの途中に飛来する(旅鳥)。春の渡りは他の旅鳥に比べて遅く、5月下旬から6月上旬の記録が多い。 テンプレート:Snamei(亜種メボソムシクイ)が夏季に繁殖のため本州や四国に飛来(夏鳥)する。
形態
全長13cm。体重8.5–14g。背面は淡い緑褐色の羽毛で覆われる。
眼上部にある眉状の斑紋(眉斑)は細く黄白色。通眼線は暗色。
テンプレート:Snamei は、腹面は淡い黄緑色の羽毛で覆われる。テンプレート:Snamei は、腹面は緑褐色味を帯びた白い羽毛で覆われる。ただし羽色には変異が多く、テンプレート:Snamei と同じ羽色の個体もいる。
生態
針葉樹と広葉樹が混生した森林で生息する。日本では繁殖期は主に亜高山帯の森林に生息するが、渡りの時期になると群れを形成し、標高の低い森林でも見かけられる。冬季は単独もしくはペアで生活する。
食性は動物食で、昆虫、クモ等を食べる。樹上を移動しながら獲物を捕食する。
繁殖期には縄張りを形成する。日本(亜種メボソムシクイ)では亜高山帯針葉樹林の岸壁等にコケや枯草などを組み合わせて、横に出入り口のある球形の巣を作り、6–8月に4–6個の卵を産む。メスのみが抱卵し、抱卵期間は約14日。
繁殖期には「チョチョリ チョチョリ チョチョリ」と歯切れのよい声でさえずる。聞きなしは「銭取り、銭取り」。朝だけでなく日中もよくさえずる。地鳴きは、「リュリュリュ」または「ジュジュ」。コメボソムシクイは「ジジロ、ジジロ」と抑揚のない声でさえずる。
系統と分類
系統樹の種間は テンプレート:En[1]、種内は テンプレート:En[2]より。テンプレート:En は テンプレート:En による仮の系統名である。
メボソムシクイはハシブトムシクイ・キタムシクイ・エゾムシクイに近縁で、これらとは500万年前に分岐した[3]。
メボソムシクイを含む系統は現在は テンプレート:Snamei 属に分類されているが、テンプレート:Snamei の模式種キタヤナギムシクイ テンプレート:Snamei とは別系統のため、メボソムシクイを模式種とする テンプレート:Snamei 属に分離される可能性がある[4]。
亜種
メボソムシクイは4亜種に分かれる[2]。
- テンプレート:Snamei (Blasius, 1858)
- ユーラシア大陸(カムチャツカを除く)。模式亜種。
- テンプレート:Snamei
- アラスカ。遺伝子的には テンプレート:Snamei と明確な違いはない。
- テンプレート:Snamei, テンプレート:En, コメボソムシクイ
- カムチャツカ、サハリン、北海道。テンプレート:Snamei に含める説もあったが、遺伝子的には離れており、さえずりも異なる。Clade A とは190年前に分岐した。
- テンプレート:Snamei, テンプレート:En, メボソムシクイ
- 日本(本州、四国、九州)。最も古く、Clade A+B とは250万年前に分岐した。
3–7亜種に分ける説もある。テンプレート:Snamei は別種メボソムシクイ テンプレート:Snamei とする説もある(このばあい テンプレート:Snamei には別の和名を当てる必要がある)。
関連項目
出典
参考文献
- 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社、1984年、31頁。
- 黒田長久 監修、C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン 編 『動物大百科9 鳥III』、平凡社、1986年、156頁。
- 高野伸二 『フィールドガイド 日本の野鳥 拡大版』、日本野鳥の会、1989年、258–259頁。
- 『小学館の図鑑NEO 鳥』、小学館、2002年、94頁。
- 高野伸二 他 『山渓カラーガイド 日本の野鳥』、山と渓谷社
- 真木広造 他 『日本の野鳥590』 平凡社
外部リンク
- 2007 IUCN Red List of Threatened Species
- BirdLife International 2004. Phylloscopus borealis. In: IUCN 2007. 2007 IUCN Red List of Threatened Species.テンプレート:Bird-stub
- BirdLife International 2004. Phylloscopus borealis. In: IUCN 2007. 2007 IUCN Red List of Threatened Species.テンプレート:Bird-stub