ベンジルアルコール
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ベンジルアルコール (benzyl alcohol) は、示性式 C6H5CH2OH、分子量 108.14 の芳香族アルコール。融点 −15.3 ℃、沸点 205 ℃ の無色の液体。CAS登録番号は [100-51-6]。フェニルメタノール(phenylmethanol) とも呼ばれる。
単体は無色透明の液体で、ほのかな心地よい芳香臭がある。比重 1.046 で水溶性は低く (4 g/100 mL)、水とほとんど分離する。
溶剤として優れており、毒性が低く、蒸気圧が小さい。アルコールとエーテルに溶けやすい。ベンジルアルコールは炭酸ナトリウム(ソーダ灰)の存在下、塩化ベンジル (C6H5CH2Cl) を加水分解することで製造する。
空気中で酸化されて安息香酸に変化する。
酢酸、安息香酸、セバシン酸などの酸と反応することで、エステルなどの化合物を生成する。特にエステルの酢酸ベンジルは、ジャスミン、イランイランの芳香成分として有名。
用途
ベンジルアルコールは、インク、塗料、ラッカー、エポキシ樹脂塗膜などの溶剤として用いられる。石鹸や香料に用いるさまざまなエステルの原料としても使用される。写真の現像のほか、香りが良いことから殺菌剤としても用いられている。揮発保留剤としても使われる。