ソマリ族

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テンプレート:Infobox 民族 ソマリ族 (Somali) は主にアフリカ大陸の東端である「アフリカの角」に住む民族。1,000万人以上の人口を抱えるが、言語ソマリ語)・文化面(スンナ派イスラームを信仰)から民族的均一性は非常に高い。しかし民族意識よりも氏族への帰属意識が高いため、氏族権益から同一民族同士で争うことが多々ある。その最たる例が、ソマリア内戦である。

主な居住地

遺伝子系図

遺伝子系図の手法により、ソマリ族の由来がいくらか判明している。(ただし、その報告はまだ数報に留まっている。)それによると、アフリカの角と呼ばれるアフリカ北東部に住むソマリ族、エチオピア人、エリトリア人は人種的な関連が深く、その他の周辺地域とはやや孤立している[1]

世界の人種の中で、アフリカ人と非アフリカ人の遺伝的隔たりは大きい。北東アフリカ人はその中間に位置する。北東アフリカ人は南アフリカ人と遺伝子がかなり異なっているため、人類の歴史の比較的初期の段階で分かれたものと考えられる[2]

ミトコンドリアDNAは母親から遺伝する。これによると、ソマリ族の多くはミトコンドリアDNAにM1ハログループ(部分)を持つ。リビアソマリアザンビアの250人のDNA分析によると、M1はサハラ以南ではほとんど見られない。東アフリカ人は20%以上がM1を持ち、北アフリカにも多い。一方、サハラ以南ではL1、L2のみであった。これは、サハラを越えての婚姻がほとんど行われなかったことを示している[3]

M1はアジア由来の遺伝情報であり[4]インド発祥と考えられている[5]。これを持つ人種は大きくはアフロ・アジア語族に属している[3]。M1はエチオピア人、エジプト民族リビア人、ベルベル人が持つ遺伝子であり、北東アフリカの人間は南から来たのではなく、一度、アフリカを出て中東付近まで到達したグループが、再び戻ってきた可能性を示唆している。

この他、東アフリカの母系遺伝子は、コーカソイド(いわゆる白人)との関係も強く、ソマリ族の46%がコーカソイド由来の遺伝子を持っているという研究もある[6]


一方、Y染色体の一部であるE3b1から、ソマリ族がオロモ人と別れたのは4~5千年前と推定されている。Y染色体の一部であるE1b1bから、エチオピア人、エリトリア人、ベルベル人、地中海沿岸のアラブ人が近い関係にあることが分かっている[7]。77%のソマリ人男性のE1b1bにM78の部分が見つかっており、エジプト北部から来たことを示唆している[8]。これに次いで多いのが、ユーラシア由来のhaplogroup T (M70)であり[9]、10%強のソマリ人男性から見つかっている。haplogroup Tはアフリカの角北アフリカ西南アジアでよく見られる特徴である。また、Y染色体の5%はブラックアフリカ由来である[8]テンプレート:-

主な氏族

経済

居住地が不毛な砂漠地帯であることが多いために牧畜を行うことが多いが、土地が肥えている場所では農業、また都市部では商業を行う者もいる。特にソマリアはラクダの頭数が世界一である。

脚注

  1. Risch et al. (1999), Categorization of humans in biomedical research: genes, race and disease, Genome Biol. 2002; 3(7): comment2007.1–comment2007.12.
  2. Tishkoff et al. (2000). "Short Tandem-Repeat Polymorphism/Alu Haplotype Variation at the PLAT Locus: Implications for Modern Human Origins". Am J Hum Genet; 67:901-925
  3. 3.0 3.1 A.D. Holden (2005), MtDNA variation in North, East, and Central African populations gives clues to a possible back-migration from the Middle East, Program of the Seventy-Fourth Annual Meeting of the American Association of Physical Anthropologists (2005)
  4. Gonzalez et al., Mitochondrial lineage M1 traces an early human backflow to Africa, BMC Genomics 2007, 8:223 doi:10.1186/1471-2164-8-223
  5. Revathi Rajkumar et al., Phylogeny and antiquity of M macrohaplogroup inferred from complete mt DNA sequence of Indian specific lineages, BMC Evolutionary Biology 2005, 5:26 doi:10.1186/1471-2148-5-26
  6. Comas et al. from (1999), Analysis of mtDNA HVRII in several human populations using an immobilised SSO probe hybridisation assay, Eur J Hum Genet. 1999 May-Jun;7(4):459-68.
  7. Cruciani et al., "Phylogeographic Analysis of Haplogroup E3b (E-M215) Y Chromosomes Reveals Multiple Migratory Events Within and Out Of Africa", Am J Hum Genet. 2004 May; 74(5): 1014–1022
  8. 8.0 8.1 Sanchez et al., High frequencies of Y chromosome lineages characterized by E3b1, DYS19-11, DYS392-12 in Somali males, Eu J of Hum Genet (2005) 13, 856–866
  9. Underhill et al., "The Levant versus the Horn of Africa: Evidence for Bidirectional Corridors of Human Migrations," American Journal of Human Genetics 74:532-544, 2004

関連項目