温熱療法

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温熱療法(おんねつりょうほう)は生体内にエネルギー注入しこれを熱源とし生体治療を行う医療行為[1]ないし代替医療である。科学的治療法であるハイパーサーミア療法と東洋医学による代替医療の温熱療法があり、両者はたびたび混同される。

がんの高周波ハイパーサーミア療法は固形がんへの医療行為であり、日本では健康保険の適用がある。

理論

温熱療法が効果である根拠として、次のようなことが考えられる。

  • 経絡 - 気の流れ(経絡)には「ツボ」があり、そのツボから気が出入りすると考えられる。ところが、そのツボを中心に気の流れがとどこおり病気になる。熱刺激によって気の流れをスムーズにするのが治療目的である。(代替医療)
  • テンプレート:要出典範囲(代替医療)
  • 血管系 - 熱刺激によって動脈も静脈も拡張する。拡張すれば血流が増加し循環がよくなる。循環の悪い状態を瘀血(おけつ)状態と呼ぶが、血管拡張作用によってこの瘀血が改善される。(代替医療)
  • 炎症理論 - 炎症は生体内・生体外からのあらゆる刺激に対する生体反応である。その反応の主体は免疫システムの発動である。温熱刺激が免疫システムのスイッチを入れると考える。(ハイパーサーミア療法)
  • がんの治療 - がん細胞周辺は血流が少なくなるため酸性に傾いて温度感受性が高くなる傾向が認められる[2]。また、がん細胞自身が熱に弱く、体内では細胞が熱に耐える機構自体ががん細胞に対して働きにくくなるため、総合的に見て温熱療法の殺細胞効果が有効なケースがあり、ハイパーサーミアと呼ばれる[2]。(ハイパーサーミア療法)

作用

局所では鎮痛、鎮静、末梢血管拡張、血流増加、浮腫、代謝亢進、筋スパズム軽減、膠原線維伸張、全身では心拍出量増加、末梢血管拡張、鎮痛、鎮静作用、新陳代謝増加(1℃につき13%)

治療をしてはならないもの

  • 禁忌疾患 - 非代償性心不全
  • 患者の状態 - 全身循環障害、知覚鈍麻、出血傾向、浮腫、乳児、意識障害を伴う患者、体内金属とペースメーカー(ただし、極超短波と超短波のみ禁忌)

分類

熱源のエネルギーの種類によって次のように分けることができる。

  • 燃焼
  • 赤外線(近・遠)
  • 可視光線
  • レーザー光線(単一波長光)
  • マイクロ波
  • 蒸気

装置の種類によって次のように分けることができる。

種類

  • 表在熱
    • ホットパック
    • ワールプール(過流浴)
    • パラフィン浴(伝導)
    • ハバートタンク(対流)
    • 赤外線(照射)
  • 深部熱(ジアテルミー
    • 超音波療法
    • 極超短波療法
    • 超短波療法

脚注

  1. 松木英敏, 家名田敏昭, 菊地新喜, 山口正洋, 村上孝一, “感温アモルファスフレーク を用いたソフトヒーティング法の基礎的検討”, 日本応用磁気学会誌, Vol. 13, No. 2, pp. 449 - 452 (1989).
  2. 2.0 2.1 テンプレート:Cite web
  3. テンプレート:Cite web