テレフタル酸
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テレフタル酸(テレフタルさん、terephthalic acid)は分子式 C8H6O4 の芳香族ジカルボン酸。TPAと略される。また、高純度のものを PTA (purified terephthalic acid) と略することがある。 ベンゼン環のパラ位に2個のカルボキシル基が結合した形を持つ。酸性や中性の水、アルコールやジエチルエーテル等にはほとんど溶けないが、アルカリ性の水や熱濃硫酸、DMFには可溶である。異性体にフタル酸、イソフタル酸があり、これらの異性化あるいは p-キシレンの酸化によって作ることが可能。下式のようにエチレングリコールと作るポリエステルはポリエチレンテレフタラート (PET) と呼ばれ、ペットボトルや衣料の原料として工業的に重要である。
テレフタル酸の2008年度日本国内生産量は 1,015,009t、消費量は 160,184t である[1]。
p-キシレンをコバルト、マンガン、臭素の触媒下に250 ℃で酸素酸化して製造される。この系中ではテレフタル酸に至る前に p-トリル酸を経由している[2]。
関連項目
- フタル酸(フタル酸誘導体)
- イソフタル酸
- テレフタル酸ジメチル
- タキ24300形 (タキ35000形から派生したテレフタル酸専用タンク車)
- UT12A形 (タキ24300形の後継として製造されたタンクコンテナ)
参照資料
- ↑ 経済産業省生産動態統計・生産・出荷・在庫統計平成20年年計による
- ↑ 野村正勝、鈴鹿輝男『最新工業化学』講談社、2004年、128ページ。