詞花和歌集

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詞花和歌集』(しかわかしゅう)は、八代集の第六にあたる勅撰和歌集天養元年(1144)に崇徳院が下命し、藤原顕輔(1090~1155年)が撰者となって編集、仁平元年(1151)になって完成奏覧された。十巻、総歌数415首。また、『金葉集』三奏本があまり流布しなかったため、金葉三奏本との間でかなり重複がある。

『詞花集』の歌は清新な叙景歌に特色があるほか、詠懐調の歌も多く見られ、その歌風は多様である。

金葉と詞花は、第五、第六勅撰和歌集で、その命名の義も構成も、全く同じである。古今以来、二十巻という勅撰集の慣例を破り、羈旅・哀傷・神祇歌を省き、恋歌を二巻に縮めた素朴な構成だが、その分選歌には厳しく、珠玉の詞華選といった感じである。

『詞花集』と『金葉集』との違いでもっとも顕著なのは、『金葉集』の近代重視に対し、『詞花集』では、最多入集歌人が曾禰好忠(17首)・和泉式部(16首)であることが示すとおり、中頃(後拾遺集時代)の歌人を重視する方針をとる。一方、当代の歌人については同一歌人を極力避け、原則的に一人一首とした(例外は、当事者たる崇徳院と顕輔)。

平凡社東洋文庫版『八代集3』(奥村恒哉校注、1987年)に所収。 

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