肉骨粉
牛・豚・鶏から食肉を除いたあとの屑肉、脳、脊髄、骨、内臓、血液を加熱処理の上、油脂を除いて乾燥、細かく砕いて粉末としたもの。豚・鶏の飼料、農作物の肥料、ペットフードの原料となる。安価で、蛋白質、カルシウム、リン酸質が豊富で高い栄養価を誇るため、BSEの問題が起こる前まではよく用いられていた。加熱処理が施されており、通常の寄生虫、細菌類は死滅し、衛生上も問題がない。
牛海綿状脳症との関わり
牛海綿状脳症(BSE、いわゆる狂牛病)の原因に関係すると考えられている異常プリオンは、肉骨粉の材料となる部位に多く含まれており、また通常の加熱処理では不活化できないため、材料を採取した動物が「異常プリオンを保有している牛」であった場合は、そこから生産された肉骨粉にも異常プリオンが含まれている可能性がある。その場合、この肉骨粉を牛の飼料として与えると牛海綿状脳症の感染源となりえることが指摘されている。
日本では昔から肉骨粉を牛の飼料としては用いられておらず、牛以外の家畜の飼料や肥料として使われる事が多かった。しかし、保管・流通段階で牛の飼料に混入したり、不適切な使用により牛に与えられていた事例があったことから、2001年10月から法律で肉骨粉を含む家畜飼料・肥料の製造・販売が停止された。
本来、子牛は人間同様母牛の乳を飲んで成長するが牛乳は人間が飲むために出荷し、牛には(親子双方ともに)カルシウムなどの栄養素を肉骨粉で代用したのである。
2001年11月1日からは、豚・鶏由来の肉骨粉に限っては、異常プリオンが含有せず牛海綿状脳症の感染源にはなりえないとして、豚・鶏の飼料および肥料として再び使えるようになった。
使用できない牛由来の肉骨粉は、工場で焼却処分したり、セメントへの再利用が進められている。
米国
米国FDAは未だに動物に非反芻動物のタンパク質を牛の餌に与えることを許容している。例えば、鶏糞や畜粉を牛に与えることは許容されており(糖蜜飼育,鶏糞飼育)、牛や豚の肉骨粉は鶏の餌として与えられている。