悪魔のいけにえ

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テンプレート:Infobox Film悪魔のいけにえ』(あくまのいけにえ、The Texas Chain Saw Massacre)は、1974年アメリカ映画。日本での公開は1975年2月。R指定作品。

米国テキサス州に帰郷した5人の男女が、人皮によって創られた仮面を被った大男「レザーフェイス」により殺害されていく様子を捉えたホラー作品。

殺人鬼であるレザーフェイスの真に迫った精神異常の描写や、外面的な行動のみを捕え、同情を誘うような描写を一切廃したプロットは公開されるや否や数多くのフォロワーを産み、マスターフィルムがその描写の芸術性ゆえにニューヨーク近代美術館に永久保存されている。

配給会社の判断で原題とは無関係な日本語タイトルとなっているが、原題を邦訳した場合「テキサスチェーンソー虐殺」という意味になる。

あらすじ

墓荒らしが頻発しているテキサスの某所、5人の男女がドライブをしていると一人の男がヒッチハイクをさせてくれと頼んできた。車に乗せた途端、男は自傷行為を行い異常さを察知した若者たちは彼を車から追い出す。程なくして古びた洋館に立ち寄るのだが、これが恐怖への入り口になるのだった。

キャスト

役名 俳優 日本語吹替
サリー・ハーデス マリリン・バーンズ 泉晶子
レザーフェイス ガンナー・ハンセン 福士秀樹
ヒッチハイカー
スリム(吹替版)
エドウィン・ニール 青野武
コック(ドレイトン)
メイソン(吹替版)
ジム・シードー 坂口芳貞
グランパ(祖父)
じい様(吹替版)
ジョン・ドゥーガン 小野丈夫
カーク ウィリアム・ヴァイル 田中秀幸
ジェリー アレン・ダジンガー 石丸博也
フランクリン ポール・A・パーティン 秋元羊介
パム テリー・マクミン 高橋ひろ子
カウボーイ
レッド(吹替版)
ジェリー・グリーン 郷里大輔
アナウンサー 蟹江栄司
ナレーター ジョン・ラロケット
(クレジットなし)
ファイル:Shawn Patrick, Marilyn Burns, Teri McMinn, William Vail, John Dugan, Ed Neal, Ed Guinn, Allen Danziger, photographed by Ryota Nakanishi (The Texas Chainsaw Massacre).JPG
本作のキャストメンバー(左二番目より、マリリン・バーンズ、テリー・マクミン、ウィリアム・ヴァイル、ジョン・デュガン、エドウィン・ニール、エド・グイン、アレン・ダジンガー)
ファイル:Gunnar Hansen, R.A. Mihailoff, Bill Johnson, photographed by Ryota Nakanishi.jpg
本作及び本シリーズのレザーフェイス役者達(左より、R・A・ミハイロフ、ビル・ジョンソン、ガンナー・ハンセン、ロバート・ジャックス)

スタッフ

作品解説

トビー・フーパーはこの作品により全米及び英国への進出を果たす。

製作費は約4千万円。公開後から2006年9月現在まで、世界中で総額60億円以上の配給収入を上げている。なお配給元のブライアンストン社はこのフィルムと上映権利を約1億円で購入した[1]

エド・ゲイン事件

この作品は、1957年ウィスコンシン州プレインフィールドで実際に発生したエド・ゲインによる猟奇殺人事件をモデル[2]にしたということが通説になっているが、監督本人はこの事件については記憶が曖昧で、ある評論家がエド・ゲイン事件に似通っている部分があると評したのをきっかけに、映画と似たような実際のモデルケースがあったことに監督本人は仰天。映画冒頭部分のテロップ「これは真実の物語」は少しでも観客の恐怖を煽ろうと後づけで追加した苦肉の演出であり、上記事件との関連はなかったが、別段否定もせず傍観していたところ通説の方が流布してしまい以降その通説が定着することになり結果的に大ヒット映画となった[3]

撮影

作品独特の粗い画像が物語全体の雰囲気を醸し出しているが、これは演出効果や技術的なものではなく、製作予算が低かったために通常の映画撮影に使われる35mmフィルムではなく、購入も現像も安価で済むサイズが一回り小さい16mmフィルムで撮影したものをスクリーンに合わせて映像のサイズを拡大したものであった。

結果的にこれが監督の手法と相まってプラスに働き印象に残る映像となる。ただ監督本人にとっては本意ではなかったようで、撮影に映画用のフィルムが使えなかったことに加え、マスターフィルムの形式から高画質版のリリースが物理的に不可能な点を残念がっている。

公開

公開当初は余りの残酷性の高さゆえに「決して観てはいけない」と学校などで告知され、全米の各州で上映禁止処分が下り、さらにドイツなど一部の国では殺人・喰人シーンなど残酷な場面をカットしたバージョンしか一般に鑑賞できなかった。

DVD

日本では1998年中期から2007年初頭までの間権利関係の問題からDVDが発売できず、それ以前に発売されたDVD(1997年、ビーム・エンターテイメント(2012年現ハピネット・ピクチャーズより発売)にはプレミア価値がついていた。

2004年9月にワーナーブラザーズがDVDを再発売させようとしたが権利の取得に失敗し断念。しかしデックスエンタテインメントから2007年6月8日に再発売が決定。吹替短縮版の収録に関しキム・ヘンケルから異議が唱えられ一部発売が遅れたが、結果として通常のDVDは予定通り復刻パンフレットなどを封入した「コレクターズBOX」版は7月13日に発売した。

なお、DVDの再発を記念し、渋谷映画館シアターN渋谷[4]にて2007年3月17日から4週間、本作がレイトショーにて再公開された[5]

2008年8月22日にはコレクターズBOXに以前カプコンからセットで販売されたドキュメンタリー「ファミリー・ポートレイト」と「ショッキング・トゥルース」、さらに復刻ポスターとポストカードセットが追加収録された「プレミアム・コレクションDVD-BOX」が発売。

受賞など

  • 1974年度ロンドン映画祭最優秀賞受賞作品
  • 英国監督週間上映作品
  • 1974年度~BBC最重要注意作品

続編

続編として『悪魔のいけにえ2』(The Texas Chainsaw Massacre 2, 1986年)、『悪魔のいけにえ3 レザーフェイス逆襲』(Leatherface: Texas Chainsaw Massacre III, 1990年)、『悪魔のいけにえ レジェンド・オブ・レザーフェイス』(The Return of the Texas Chainsaw Massacre, 1994年)が製作された。さらに2004年に製作30周年を記念して『The Texas Chainsaw Massacre 5』と名付けられた5作目の製作がトビー・フーパー監督、製作総指揮の下でスタートされたが、脚本が完成した時点で資金面の理由により断念された。 2013年 『飛びだす 悪魔のいけにえ レザーフェイス一家の逆襲』("Texas Chainsaw 3D")のタイトルで新作が公開された。この作品はリメイク版「テキサス・チェーンソー」の続編ではなく1作目「悪魔のいけにえ」の続編「悪魔のいけにえ2」の内容を無かったことにしたパラレルワールド的展開である。

リメイク

マイケル・ベイの製作会社であるプラチナム・デューンズがリメイク権を獲得し、マーカス・ニスペル監督で『テキサス・チェーンソー』(The Texas Chainsaw Massacre)が2003年に公開された。さらに2006年にはジョナサン・リーベスマン監督による前日譚『テキサス・チェーンソー ビギニング』(The Texas Chainsaw Massacre: The Beginning)が公開された。

脚注

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外部リンク

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  1. この記述内の金額はすべて、物価変動などを考慮した上で現在の日本円に換算したものである。
  2. アルフレッド・ヒッチコック監督の『サイコ』も同事件をモデルとしている。
  3. 映画『テキサス・チェーンソー ビギニング』に寄せたインタービューより。
  4. http://www.theater-n.com/
  5. http://blog.livedoor.jp/livefreaky/archives/50777144.html