中日スポーツ

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テンプレート:基礎情報 新聞中日スポーツ(ちゅうにちスポーツ)は、中日新聞社発行の日本の東海・北陸地方を主な販売地域とする日刊スポーツ新聞である。1954年(昭和29年)2月25日創刊。略称中スポ(ちゅうスポ)[1]。発行部数は45万853部(2013年7-12月、ABCレポート)。

概略

歴史

  • 当時、中部日本新聞(現:中日新聞)では、プロ野球関係の記事については「中日ウィークリー」〔1948年(昭和23年)9月3日・発刊〕で掲載していたが、プロ野球がによる2リーグ制に移行したのを機に、1950年(昭和25年)3月17日に週刊紙(タブロイド紙。8ページ。10円)として独立した。1面を写真で見せたほか、プロ野球の戦評・サイドニュース、競輪競馬記事なども独立させ、その当時中部地区へ進出を狙っていた東西の各スポーツ紙の出ばなをくじく事になった。
1953年(昭和28年)から日刊紙へ移行する計画が練られていたが、広告スポンサーが集まらず、最後まで日刊紙計画を阻んでいた。しかし当時の三晃社社長の松波金弥が広告を全て買い切ったことが、日刊紙への足がかりとなった[2]
  • 1954年(昭和29年)2月1日、当時の旧社屋にあった編集局の西側に「中日スポーツ編集部」が12人体制で発足、全国の日刊スポーツ紙では6番目の「中日スポーツ」が誕生した。ページ数も4ページ(中日スポーツとしての創刊年月日より)→6ページ〔1958年(昭和33年)4月1日~〕→8ページ〔1962年(昭和37年)4月1日~〕と年を追うごとに増やしていく。
  • 1962年10月1日、新聞業界初の事業部制実施を機に、編集局の「中日スポーツ編集部」→現在の「中日スポーツ総局」へ昇格し、同日より読者の要望に応える紙面刷新を行う。
1964年(昭和39年)4月1日からは10ページに増やす。

販売エリア

東海地方愛知県岐阜県三重県静岡県)、北陸地方富山県石川県福井県)の全域だが、滋賀県長野県京都府の一部地域も販売エリアである。

  • 東海地方向けの紙面は、名古屋本部が制作・印刷・発行を担当する。
  • 大阪市の南部や神戸市の都心部の一部地域[3]、中日新聞大阪支社[4]では、キヨスクを含む売店コンビニ、スタンド売り店舗において、最終版(5版)を発売している[5]
  • 北陸地方と滋賀県京都府向けの紙面(「福井・滋賀版」)は、北陸本社が印刷・発行を担当するものの、発行元クレジットは名古屋本部のものが使われている。ただ1980年代、北陸本社版の題字の下に「金沢印刷版」と記載されていた時期があった[6]
  • 京都府では、京都市内のキヨスクを含む売店コンビニにおいて、福井・滋賀版[7]を販売している。かつては京都市内の駅売店に限って、名古屋版を販売していた。

紙面構成

1面トップ及び2~3面は、ほぼ毎日のように子会社・中日ドラゴンズの記事を中心に掲載している[10]。勝利した翌日はもちろん、敗戦・引分けした翌日、さらには試合がなかった翌日もドラゴンズ一面にこだわる。このため、東海地方を中心とする多くのドラゴンズファンが愛読している。1993年からは倉橋寛によるおれたちゃドラゴンズを掲載している[11]サッカーでは中日新聞社が出資参加している名古屋グランパスエイトを中心にした記事が多いが、他に販売エリア内に本拠地を置くジュビロ磐田FC岐阜関連の記事も掲載される。バスケットボールでは日本バスケットボールリーグに所属する三菱電機ダイヤモンドドルフィンズアイシンシーホース(共に愛知県内が本拠地)、及びWリーグトヨタ自動車アンテロープスアイシン・エィ・ダブリュ ウィングス、さらにデンソーアイリス(全て愛知県内が本拠地)の記事は掲載されるが、同様に販売エリア内に本拠地を置くbjリーグ浜松・東三河フェニックス関連の記事は、2010年初頭までは掲載されなかった。

「販売エリアである中部地方出身のスポーツ選手・チームを応援する」というスタンスの記事作りが心がけられており、高橋尚子(岐阜出身、中日新聞客員)を広告キャラクターに用いたり[12]イチロー(愛知出身)や松井秀喜(石川出身)(メジャーリーグ進出後ではあるが)、マラソン野口みずき(三重出身)やいずれもフィギュアスケート中野友加里安藤美姫浅田舞真央姉妹(全員愛知出身)といったアスリートの応援記事を書いている。

2005年秋以降、地元志向を一層強烈に打ち出すようになり、同年11月15日付では自社主催事業ながら軟式野球大会の結果を一面トップとした。

中央競馬面については従来、中京従場開催(主に3月・12月)以外の西日本主場及び中京従場開催の全レースとそれ以外の特別・最終レースの馬柱を掲載していたが、2012年6月30日付からは、開催場全レース(最大36レース)の馬柱を掲載を開始した。なお、紙面構成上の都合で、他の大手スポーツ紙では主流の、レース面のみの抜き取りができない日がある。抜き取りが可能な場合には、1面右側に「レース面、抜き取りOK」の表示がある。

芸能面ではジャニーズ事務所関連の記事が多く、モータースポーツをテーマとした近藤真彦長野博堂本光一の連載コラムも掲載されている。

以前は最終面をテレビ番組表に当てたが、2003年春以降は最終面の前の見開き2ページで掲載しており、右面に当該地域のテレビ番組表を(ドラマ映画の番組欄には2行の解説記事を掲載)、また左面にはテレビ番組の解説とラジオ、BSデジタル、衛星放送(J SPORTS)の番組を掲載しており、最終面はニュース面(ダブル1面 主として芸能関連)としていた。しかし2008年3月下旬に行われた紙面刷新で、最終面を再びテレビ番組表に戻し(休刊日は全面広告となり、中面2面分に2日分のテレビ番組表を掲載)[13]、テレビ解説とBS等は最終面の前の芸能面と新設の特報面よりさらに手前の頁に掲載されるようになった。日刊スポーツの大阪・名古屋・西部版も最終面はテレビ番組表が掲載されていたが、日刊が2011年4月の紙面刷新で最終面がダブル1面になったため、中日スポーツが日本のスポーツ紙で唯一、最終面は一般紙と同様にテレビ欄である。

主に2面に掲載される「きょうのプロ野球」の欄には当日の対戦カード、先発予想(パ・リーグは予告先発)に加え、カードごとに東海地方で視聴可能なTV(BS・CS含む)、ラジオの局名、放送開始時刻(中日戦の場合は解説者)も表記される。

他紙があまり扱うことのなかったモータースポーツ関連の記事を、F1ブームが起こる前より掲載している(姉妹紙『東京中日スポーツ』も同様)。前述の2008年3月の紙面刷新で、『東京中日スポーツ』に掲載している「F1 EXPRESS」(2009年3月より「MOTOR EXPRESS」に改題)面が、本紙においてもほぼ同じ内容で掲載されるようになった(以前は独自編集の記事だった)。

家庭で安心して読めるスポーツ新聞を基本理念にしているため、風俗店などの広告は掲載しているものの、駅売り版・宅配版ともアダルト面は設けていない(この事もあり、創刊当初からスポーツ紙でありながら、宅配件数は全国でも有数)。

創刊以来、題字ロゴの形式を一度も変えていない。他紙が題字をやや左に寄せて、右端に1頁の大見出しを出しているが、中スポの場合、創刊当初から1990年代序盤までは1頁上段右端に題字を載せ、左側に広告や主要記事目次(3項目程度)を載せて、その下に1面大見出しを掲載していた。その後、他紙同様題字をやや左にずらし、右端上段から大見出しを出すようになっていった。

現在は『中スポ』(赤地白文字で120円と記してある)を1頁右端に出し、『中日スポーツ』は左端に小さく出ている(東京中日スポーツ<東京本社>もほぼ同じようなデザイン形態である)。目次は「中スポ」の文字の下に入れている。また現在の小サイズの題字になる前まで(概ね2000年代前半まで)は「中日スポーツ」の上に「ス」を挟む形で白抜き文字「THE CHUNICHI SPORTS」を入れていた。

姉妹紙・関連紙

中日スポーツの紙面には、「東京へ行ったら 東京中日スポーツ」という小さな広告が載っており、逆に東京中日スポーツの紙面には「名古屋へ行ったら 中日スポーツ」という同様の広告が載っている。(どちらも記事などの都合でこの広告が載らない日もある)。
  • 中日新聞(中日新聞名古屋本社発行) - 販売エリアなど詳細は関連項目を参照。中日新聞のスポーツ面に関しては、運動部が担当していることもあり、中スポの一部解説者が論評を行う程度で、特に交流などはない。
  • 西日本スポーツ西日本新聞社発行) - 基から芸能・社会と一般スポーツ(九州地方関係は除く)の記事については中スポ、トーチュウからの記事提供を受けているが、2013年4月2日より中央競馬面の記事も中スポからの提供を受けて掲載している(同4月1日まではサンケイスポーツ(大阪本社版)からの提供だった)。

番組表

放送局末尾の数字はリモコンキーID

最終面

  • 2011年10月のBSデジタル放送のチャンネル追加に伴い、これまで中面に4分の1サイズで掲載していた民放BS局の内、主要6局が最終面に移動し、ハーフサイズに拡大された。
広域(愛知・岐阜・三重)
長野 
静岡
BSのサイズ・配置は不明。
北陸(石川・富山)
福滋(福井・滋賀)


中面

  • 番組解説、ラジオ(AMおよびFM)およびBSの番組表を掲載。なお、ラジオ以外は各地域共通サイズ。
  • 番組解説においては、番組名・名古屋での放送局・時間を書いた後に東京静岡長野大阪石川富山福井の順でネット局を掲載している。

ただし、テレビ愛知で放送されるテレビ東京系列の番組で、テレビ大阪びわ湖放送独立UHF放送局)で放映される場合でも、「テレビ大阪」「びわ湖放送」の表示はない。また、テレビ東京の番組であっても、ぎふチャン、三重テレビで放送される場合は掲載される。

BS

ラジオ

広域
長野 
静岡
北陸
福滋

競技別解説者

野球解説者(2011年現在)

一部を除き、系列の東京中日スポーツの評論家を兼任しているので、便宜上名古屋本部・東京本社ごとに分けて記載する

名古屋本部担当

東京本社担当

サッカー解説者(2012年現在)

競馬解説者(競馬担当記者)

その他競技解説者

コラム

セブンデイズ

2008年3月までは「セブンアイ」のタイトルで連載されていた。毎日日替わりで各界の著名人によって執筆されている。東京中日スポーツでも連載されている。

現在の執筆者

過去の執筆者

私は見た!

作家・高橋治大相撲に関するコラム。大相撲の本場所開催中は毎日掲載される。東京中日スポーツでも同様に本場所開催中に毎日掲載。

広告

CMについて

  • 東海地方でシェアが多いことなどから、中日新聞同様に頻繁にCMは放送されていない。
  • 過去には、地元民放ラジオ局の東海ラジオCBCラジオFM愛知でラジオCMが放送されていたが、現在は放送されていない。
  • 現在放映されているTVCMに関しては、数種類のCMの内容は10年近く変っていないほか、過去に中日ドラゴンズに在籍していた福留孝介ナゴヤドームで放ったサヨナラホームランの紙面を使用しているCMもあった。また競馬で1979年日本ダービーカツラノハイセイコが優勝)の写真を用いたCMも長年に渡って使用していた。
提供番組
取材協力・協賛

広告その他

  • ナゴヤドーム - 天井に近い部分にある、広告ポイント(ナゴヤドームをほぼ1周している部分)

その他・エピソード

  • 1966年(昭和41年)11月3日東京競馬場で開催された第54回天皇賞(秋)を前に、東京中日スポーツと共同でHITAC(日立製)3010電子データ選別装置による出走馬11頭の戦力分析を行い、「中日が初めてギャンブルにコンピュータを使用した」と週刊誌で話題になる[16]
  • 中京競馬場開催時の自社制作の競馬中継において、グリーンチャンネル(スタジオ解説のみ)・東海テレビにそれぞれ紙面でも有名な競馬担当記者を派遣し、解説を行っている。
  • 中日新聞サンデー版に掲載されている「大図解シリーズ」のスポーツ・芸能版が隔週水曜日に掲載されていた(2008年に終了)。
  • 中日スポーツは中日新聞社の子会社化はされておらず、現在も中日新聞社内の中日スポーツ総局が、中日スポーツの取材・編集を行っている。そのため、中日スポーツで中日ドラゴンズや中央競馬の記事を担当する記者が異動となり、中日新聞の地方部記者になることもある。
  • 2013年4月1日から120円に値上げされたが、それまでは長く他のスポーツ紙に比べて安い(2012年4月までは100円、2012年5月から2013年3月までは110円)状態が続いていた。このため、2014年3月31日まではライバル紙となるスポーツニッポン日刊スポーツスポーツ報知は中日スポーツへの対抗上、東海3県などで発行される分に限り、1部120円で販売されていた。(報知は長く中スポと同じく1部100円で販売されていたが、2012年4月に120円に値上げされた。それから1年足らずで中スポも120円に値上げされ、各紙足並みを揃えることとなった。)2014年4月1日、消費税が5%→8%に増税になったのに伴い、スポニチ・日刊・報知は130円に値上げされたが、中スポのみ120円と据え置いた。したがって、沖縄県向けに印刷・発行している日刊スポーツとスポーツニッポンを除き、日本で最も安いスポーツ新聞となっている。

発行所

  • 郵便番号460-8511 名古屋市中区三の丸一丁目6番1号 中日新聞名古屋本社内

印刷拠点

脚注

テンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

テンプレート:中日新聞社

テンプレート:スポーツ新聞
  1. 東京スポーツ新聞社が東海地区で発行する「中京スポーツ」は略称は「中スポ」ではなく「中京スポ」である。
  2. 中日新聞三十年史・発行当時の鈴木副社長(日刊紙計画当時は編集局長)談より。
  3. 阪神三宮駅高速神戸駅の駅売店など
  4. 堂島紀陽銀行ビル内<休日は除く>
  5. 名古屋市内・近郊向けの紙面。かつては早版〔3版〕を発売していた。
  6. 参考写真・1980年8月10日付
  7. 北陸本社発行で、テレビ・ラジオ欄のみ差し替え。
  8. ただし、伊豆の一部地域では東京中日スポーツのみ。
  9. 山梨県の一部地域・新潟県のほとんどの地域は、東京新聞を含め、中日新聞社の販売エリア外である。
  10. スポーツ報知読売ジャイアンツをトップに採り上げるのと同じ
  11. エピソードなど詳細は倉橋のページを参照のこと。関連本も販売されている。
  12. ちなみに高橋がシドニーオリンピック女子マラソンで金メダルを獲得した翌日の中日スポーツは、1面から7面まで高橋の記事で埋まり、同日にセ・リーグ優勝を決めた読売ジャイアンツに関する記事は9面下方にモノクロ写真付の2行記事で掲載されただけ(中日ドラゴンズに勝利して優勝を決定したという要因も大きい)であった。
  13. 大きなスポーツイベントや重大な事件・事故を報じる場合など、不定期でダブル1面にする場合もある。
  14. 左にAMとFMを区切るように東海ラジオの広告枠(プロ野球シーズン中東海ラジオ ガッツナイターの中継カードの紹介。不定期で尾張温泉や下呂温泉湯元館の広告も掲載される)がある。
  15. グリーンチャンネル出演時は当初役作りとして白衣姿で登場していた。
  16. 中日新聞三十年史〔1972年(昭和47年)12月1日・発行〕より