病者の塗油
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病者の塗油(びょうしゃのとゆ、テンプレート:Lang-la[1], テンプレート:Lang-en)はカトリック教会の七つの秘跡のひとつ[2]。
古代から行われていた病者への塗油は、時が経つにつれて臨終にある者に対してのみ行われるようになったため「終油(しゅうゆ)の秘蹟」と呼ばれるようになっていたが、第二バチカン公会議後の1972年に秘跡の由来と本来的な意味の見直しが行われ、対象を臨終のものに限らず行われる「病者の塗油」という名前に改められた[2]。カトリック教会では新約聖書のヤコブの手紙5:13-16を論拠に初代教会の時代からこの儀式が行われてきたと見なしている[2]。
概説
福音書の中でイエス・キリスト自身が病人をいたわり、癒し、(病気の原因と考えられていた)悪霊を追い出した。使徒たちもイエスと同じように病人を癒した。ヤコブ書5章13節から16節では初代教会において、病人が罪の許しを願い、教会の長老たちによってオリーブ油を塗られ、祈りを受けている様子が描かれている。カトリック教会はこの伝統を引き継ぎ、病人の癒しのために、聖なる油を塗り、病人のために祈るという儀式を続けてきた。
伝統的なやり方では秘蹟を行うのは司教、あるいは司祭である。儀式の流れは初めに祈りがあり、聖書の朗読および連願が行われ、中心的な部分である塗油が行われる。ついで聖体拝領と祝福が行われて儀式が終わる。この聖体拝領は特に臨終の人にとっては最後の拝領として大きな意味がある。[4]
キリスト教他教派における塗油
正教会の機密の一つにも同種のものがあり、「聖傅機密」(せいふきみつ)と呼ばれる。
プロテスタントでも油を塗って神癒を祈ることがあるが、礼典、サクラメントではない。[5][6][7]
参考文献
- 『カトリック教会のカテキズム』日本カトリック司教協議会 教理委員会 2008年6月3日 第3刷 ISBN 9784877501013
- 新要理書編纂特別委員会編、『カトリック教会の教え』、カトリック中央協議会、2003年