投了
テンプレート:出典の明記 投了(とうりょう、Resignation)とは、ボードゲームなどのゲームにおいて、不利な方が負けを認め、本来の対戦終了となる条件が成立するよりも前にゲームを終えること。他の表現として「投げる」「ゲームを降りる」などとも言う。
概説
投了が行われる時機としては、勝利の見込みがない、戦意を喪失してしまった、などがある。単なる時間や労力の無駄をなくすためだけでなく、勝負にならない対局を継続することは対局相手に失礼になるとする考えがある。
一般に、投了優先の原則があり、反則等があっても指摘せずに投了した場合は投了を優先する。
オセロ
オセロでは石数によって勝敗を決定する場合が多く(先後二番打ち)、そうでない場合でも最終局面まで打って石差をはっきりさせるのが一般である。
バックギャモン
バックギャモンは勝ち方、負け方で得点が異なるため、終了間際までプレイする。「これは何点の勝ちになるのが確実」と判断されたとき、双方の合意で終局となる。
囲碁
自分の手番で「ありません」「負けました」等と発して頭を下げることで、投了の意思表示をすることが一般的である。またアゲハマを盤上に置くことも投了の意思表示となる。投了により勝敗の決着がついた場合、「中押し(ちゅうおし)勝ち」「中押し負け」と呼ばれる。
日本囲碁規約では、第十一条において「対局の途中でも、自らの負けを申し出て対局を終えることができる。これを「投了」という。その相手方を「中押勝」という。」と定められている。[1]
将棋
将棋には投了の公式ルールは存在しない。自分の手番で「負けました」と発して頭を下げ、相手がそれを受けて下げた時点で終了とするのが一般的である。
棋譜を汚さないとし、上手い手を出現させた時点での投了、一手違いの形にしてからの投了などの美学が存在し、最後の詰みまで指すことはごくまれである。投げ場を求める、などと言われる。
将棋で投了となる局面は、大きく次の3通りに分けられる。
- 詰み - 自玉が即詰みとなることがわかったとき。前述のとおり、最後の詰みまで指すことはまれ。
- 必至(必死) - 自玉に必至がかかり、かつ相手玉が詰まないとき。
- 戦意喪失 - 駒損が著しい、有力な攻め(受け)が見込めないなどの理由で、勝ち目がないと判断したとき。
なお二歩などの反則や千日手が発生しても対局者が気付かずに指し継ぎ終局となった場合、反則や千日手如何にかかわらず投了による終局・勝敗が優先となる。
公式棋戦における逸話
2007年10月30日に行われた第66期順位戦C級2組6回戦・先手豊島将之四段-後手真部一男八段(段位は当時)の対局では、真部が直後に極めて有力な攻めの妙手を発見していたにもかかわらず、それを指さずに僅か33手で投了した。この時真部は癌を患っており、その妙手を指すと豊島が応手に困り長考に沈み、自らの身体が持たないであろうと判断して投了したという。
詳細は、真部一男#幻の妙手△4二角を参照。
連珠
連珠では、先に五連を作った者が勝ちとなり、黒が禁手を打った場合はその時点で白の勝ちとなる。しかし、四三(白の場合は三三、四四も)を打ち、相手が防ぐことが不可能な場合、四三(三三、四四)を打った時点で打った者を勝ちとする場合もある。
チェス
チェスにおいては、「(I) resign」「負けました」などと発し、握手をすることでゲームが終了となる。自分のキングを倒すことでも投了の意思は発せられる。倒すふりや、掴むだけであることが多い。
相手の手番で投了しても良いが、自分の手番でするのがマナーとされる。
TCG
トレーディングカードゲームでは投了などを認めているタイトルと禁じているタイトル双方が存在する。後者の理由として、ゲームを意図的に長引かせる戦術トランスや「一回の勝利で2ゲーム分の勝ち点を得るカード」が存在しているためなどがあげられる。