高年齢者等の雇用の安定等に関する法律
テンプレート:Infobox 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(こうねんれいしゃとうのこようのあんていとうにかんするほうりつ)は、1971年(昭和46年)に制定された法律である。通称高年齢者雇用安定法(こうねんれいしゃこようあんていほう)。
2004年(平成16年)12月にこの法律を改正する法律が施行され、年齢による応募や採用の差別を原則禁止とすることが主な目的とされた。2006年(平成18年)4月からは定年の引き上げや継続雇用制度の導入、定年制の廃止からいずれか1つを選んで実施することが義務付けられた。
概要
1971年(昭和46年)5月25日、「中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法」が制定される。1986年(昭和61年)4月30日、「中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律」(昭和61年4月30日法律第43号)に基づき、題名が「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」と改称され、同年10月1日に施行された。
雇用対策法とも連動し、高年齢者の安定した雇用の確保、再就職の促進、特に40歳代以上の応募や採用の差別を原則禁止[1]して、雇用機会の平等化を促す。この法律における「高年齢者等」とは、「高年齢者(55歳以上)」、55歳未満の「中高年齢者(45歳以上)」の求職者、および55歳未満の「中高年齢失業者等(45歳以上65歳未満の失業者その他就職が特に困難な失業者[2])」をいう。
実際には、正当な理由[1]を示すことで、年齢制限することができる。特に事業を営む上で該当する年齢の人材が不足しているためという理由での制限が多い。また、商品の対象が決まっていることや年齢と賃金が連動していることから、その関係で制限するという理由も多くある。
問題点
公共職業安定所(ハローワーク)へ出す求人では、正当な理由[1]を示して年齢制限したり、年齢不問と書かれていても希望の年齢をあらかじめ出すことがあり、必ずしも年齢による雇用機会の平等化には結びついていない。
また、ハローワークへ出す求人で、例えば年齢不問・連絡不要で事前郵送と書かれていて紹介状と履歴書を郵送したものの、企業側にとっては希望外の年齢の求職者が応募したため、書類選考で不採用とした上、改めて紙メディアで求人広告をし、「○○歳未満」と書いて、暗に年齢制限を行うケースもある。
改正高年齢者雇用安定法
2012年8月29日、60歳などで定年を迎えた社員のうち、希望者全員の65歳までの継続雇用制度の導入を企業に義務付ける改正高年齢者雇用安定法が成立。2013年4月から施行される[3]。この改正案について、労働組合が「希望者全員の雇用」を求めたのに対し、経済界は「他の社員の給与を減らすか、若年層の採用を減らすかという選択を迫られかねない」として、反発を強めていた[4]。定年者の再雇用拡大に伴って、非正規社員の削減を検討している企業は3割に上る[5]。
関連
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 [1]
- ↑ 具体的には身体障害者、刑法等の規定により保護観察に付された者等で、その者の職業のあっせんに関し保護観察所長から公共職業安定所長に連絡があった者。
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外部リンク
- 厚生労働省 - 高年齢者雇用安定法の改正のお知らせ