鳳だんじり祭り
鳳だんじり祭り(おおとりだんじりまつり)は、大阪府堺市西区にある大鳥大社(美波比神社)周辺で行われる秋祭り。堺市のだんじり祭りのなかで最も多くの観客が訪れ、大鳥大社にはたくさんの夜店が出る。岸和田だんじり祭りに次ぐ観客を集める。
平成13年度より大阪府道30号大阪和泉泉南線(通称「13号線」)にも曳行コースを広げ、西区役所前や鳳商店街前でパレードが行われるようになった。自主曳行時に八田荘地区や草部地区との交流会を行なう村もある。
日程
鳳だんじり祭りは10月の第1金、土、日曜日に行われる。平成21年度までは、二日(通称「にいび」とよばれる)が土日に重なった場合、翌週に延期して祭礼を行っていた。
概要
- 旧鳳町のだんじりをはじめ、旧鶴田村・浜寺町・取石村などの地域を含めて、全10台のだんじりが集結する連合曳きが行われる。江戸時代の村や字(あざ)で区分けされている。
- だんじりは宮入順に、大鳥、野田(大鳥村の字)、新在家(北王子村の字)、北王子、野代、長承寺、上(鶏鳴)、石橋(草部村の字)、富木、濱寺元町(旧 下村)の10台である。
初日の金曜日は基本的に各地区の自主曳行される。上、石橋は日部神社、富木は等乃伎神社、濱寺元町は大鳥北濱神社にそれぞれ宮入する。
二日目の土曜日は大鳥大社に全10台のだんじりが宮入をする。その後は、10台のだんじりが次々に熊野街道を駆け抜ける、連合曳きが行われ、JR鳳駅前(蔵王)の交差点では、商店街のアーケード内からだんじりが全力疾走して飛び出してくるのは圧巻である。(この模様は鳳だんじり祭り中、何度も目にかけることができる)
最終日の日曜日には、連合曳きはもちろん、13号線からやり回しで「でんでん坂」を駆け上り、鳳駅前に出るパレードが行われる。
鳳だんじり祭りは、だんじり祭りでは珍しく、灯入れ(提灯をつけること)曳行時も、昼間と変わらず全力疾走する。そのため、夜の連合曳きでは、美しく力強いだんじりの姿を見ることができる。
歴史
鳳のだんじり祭りは、約400年前から行われていると言われている。最も有名である岸和田だんじり祭りが約350年前からなので、だんじりの発祥と言われる。
壇尻の形式
曳行される壇尻(だんじり)の形式は、住吉の工匠、大佐一門などの作による堺型上地車が主流であったが、近年岸和田型の下地車が増えてきている。また、泥幕は腰下までとし、屋根の破風の形状・飾目が鬼板(獅子嚙み)という堺・大阪型の上地車の特徴を残しつつ、三枚板(さんまいた)の代わりに岸和田型の主流である立体的な見送りの形態を用いた折衷型もある。現在、鳳神社の祭礼で曳き出されるだんじりには、三枚板を設えたものはない。