長期
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経済学における長期(ちょうき)とは価格が完全に伸縮的である状態をいう。この時、価格メカニズムによる調整によって全ての市場(労働・財・貨幣など)で需給が均衡している。古典派経済学では長期の状態を想定しており、先験的な仮定としての完全雇用が成立している状態を長期均衡とする。なお、長期以外の状態を短期と呼ぶ。
ケインズは、古典派への批判をこめて「長期にはみな死んでいる」と発言した。これは、長期は無限の彼方にある、あるいは存在しないという意味である(ただし、ケインズは労働市場が不均衡にあるため非自発的失業が存在すると述べたわけではなく、均衡の下でも非自発的失業が発生し、価格メカニズムによってはそれが解消しないということを示した点に注意が必要である)。
さらに続けて「経済学者の仕事が『雨が止めば晴れる』と言うだけなのなら、そのような仕事は不要である」と述べている。これは、現実に発生している失業はあくまで一過的な短期の現象にすぎず、長期には失業はなくなるはずだ、と主張した古典派経済学者達への痛烈な批判として知られている。
この批判の背景としては、非自発的失業は、有効需要の政策的なコントロールにより解消可能であるとするケインズの考えがある。テンプレート:See also
なお会計用語では1年以上を以って全て「長期」とする。経営学の文脈で出てきた場合はこちらの可能性がある。