上野瞭
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上野 瞭(うえの りょう、1928年8月16日 - 2002年1月27日)は、日本の児童文学作家。息子の上野宏介はイラストレーター。
来歴・人物
京都府生まれ。立命館大学専門部を経て、同志社大学文学部卒業。1983年の『ひげよ、さらば』は、チャールズ・ブロンソンの『さらば友よ』から着想した、猫を登場人物にしたハードボイルド仕立ての作品で、刊行と同時に話題を呼び、日本児童文学者協会賞を受賞、NHKで「ひげよさらば」として人形劇化された。同志社女子大学教授も長らく務めた。
一般小説も手掛け、「砂の上のロビンソン」は映画・舞台・TVドラマ化され、「アリスの穴の中で」は第三回山本周五郎賞の最終候補作に残るなど、この分野でも高い評価を受けた。
2002年1月27日、胆管癌のため死去。享年73。
著作
児童文学
- ゲリラ隊の兄弟 金の星社 1959年
- 空は深くて暗かった 三一書房 1965年(高校生新書)
- ちょんまげ手まり歌 理論社 1968年 のちフォア文庫 解説:新村徹
- 目こぼし歌こぼし あかね書房 1974年 のち講談社文庫 解説:鶴見俊輔
- 日本宝島 理論社 1976年
- もしもしこちらライオン 理論社 1978年
- もしもし、こちらオオカミ 小学館 1980年 のち小学館てんとう虫ブックス 解説:灰谷健次郎
- ひげよ、さらば 理論社 1982年 のち新潮文庫 解説:鶴見俊輔
- さらば、おやじどの 理論社 1985年 のち新潮文庫 解説:河合隼雄 復刻版 解説:酒寄進一
- そいつの名前は、はっぱっぱ 理論社 1985年
- そいつの名前はエイリアン あかね書房 1994年
- グフグフグフフ あかね書房 1995年
- もしもし、こちらメガネ病院 理論社 1995年
小説
- 砂の上のロビンソン 新潮社 1987年 のち文庫
- アリスの穴の中で 新潮社 1989年
- 三軒目のドラキュラ 新潮社 1993年
評論・エッセイ
- 戦後児童文学論 理論社 1967年
- ちょっと変わった人生論 三一書房 1967年(高校生新書)
- わたしの児童文学ノート 理論社 1970年
- 現代の児童文学 中央公論新社 1972年
- ネバーランドの発想 児童文学の周辺 すばる書房盛光社 1974年
- 子どもの国の太鼓たたき すばる書房 1976年
- われらの時代のピーター・パン 晶文社 1978年
- アリスたちの麦わら帽子 児童文学者の雑記帖 理論社 1984年
- 日本のプー横丁 私的な、あまりにも私的な児童文学史 光村図書出版 1985年
- 晴れ、ときどき苦もあり PHP研究所 1992年
- ただいま故障中 わたしの晩年学 晶文社 1998年
- 宝島へのパスポート 解放出版社 1998年 ※今江祥智・山下明生と共同
- 映画をマクラに 解放出版社 1999年
- 猫の老眼鏡 同志社女子大学児童文化研究室 2003年 ※有志による小冊子
- 晩年学通信 最後の日記抄・闘病記 同志社女子大学児童文化研究室 2003年 ※同上
編著
- 田島征三 すばる書房 1978年
- 絵本・猫の国からの挨拶 すばる書房 1978年
- 空想の部屋(叢書児童文学第3巻) 世界思想社 1979年
- 想像力の冒険~わたしの創作作法~ 理論社 1981年 ※今江祥智・灰谷健次郎と共同
- 児童文学アニュアル1982 偕成社 1982年 ※複数人と共同
翻訳
- オルリー空港22時30分 ポール・ベルナ著 学習研究社 1968年
- ながぐつをはいたねこ シャルル・ペロー著 あかね書房 1969年
- ファーブルこん虫記 ファーブル著 文研出版 1970年
- マーマレード・ジムのぼうけん アラン・シリトー著 あかね書房 1971年
- カイツブリ号の追跡 R=ピルキントン著 学習研究社 1972年
- 小さな船長の大ぼうけん パウル・ビーヘル著 あかね書房 1979年
- 小さな船長と七つの塔 パウル・ビーヘル著 あかね書房 1980年
- アーサーのめがね マーク・ブラウン著 佑学社 1981年
外部リンク
- 猫のランチボックス 上野瞭夫人、上野定子の個人サイト。上野瞭の作品リストなど。