レッド・ツェッペリン III

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テンプレート:Infobox レッド・ツェッペリン III (Led Zeppelin III)は、イギリスロックグループ、レッド・ツェッペリンの第3作アルバム1970年(昭和45年)10月5日発売。プロデューサージミー・ペイジ。レコーディング・エンジニアはアンディ・ジョーンズ

経緯

多忙な1969年のスケジュールを終えると、メンバーは年末からウェールズスノウドニアコテジブロン・イ・アーに滞在して休暇を楽しんだ(時期、滞在したメンバーの顔触れについては諸説あり)。このコテージでの滞在中、ペイジはアコースティック・ギターで作曲を始め、前2作で確立した「ヘヴィ・ロック・バンド」というイメージからの脱却を意図した。ペイジとロバート・プラントが元々抱いていたブリティッシュ・トラッドウエスト・コースト・サウンドへの嗜好なども相まって新作の方向が定められたのだと思われる。

レコーディング

ロンドンオリンピック・スタジオレコーディングが始まったが、まもなくハンプシャーの古邸宅ヘッドリィ・グランジに移動。ここにローリング・ストーンズから借りた車載スタジオを持ち込んで作業の大部分が行なわれた。また、ロンドンに新設されたアイランド・スタジオでも追加録音が行なわれ、メンフィスのアーデント・スタジオでマスタリングされた。

ジャケット

前作と同じく見開きジャケットであるが、表ジャケットが中空に作られて中に遊動する円盤が仕込まれ、円盤を回転させると表ジャケットにくりぬかれた穴からさまざまな絵が見えるという凝った造りになっている。本来、ペイジの意図としては、ブロン・イ・アーで感じた自然の営み、生命の流転といった感覚を表現すべく、農事暦や動物の繁殖サイクルなどを回転する円盤によって順次見せる、というデザインになるはずであったが、デザイナーがその意図を充分理解せず、今見るようなポップなジャケットになってしまったのだという。

収録曲

LPレコードの表記をもととする)

Side A

  1. 移民の歌 (Immigrant Song / Page & Plant)
  2. フレンズ (Friends / Page & Plant)
  3. 祭典の日 (Celebration Day / Jones, Page & Plant)
  4. 貴方を愛しつづけて (Since I've Been Loving You / Jones, Page & Plant)
  5. アウト・オン・ザ・タイルズ (Out on the Tiles / Bonham, Page & Plant)

Side B

  1. ギャロウズ・ポウル (Gallows Pole / Traditional -arr by Page & Plant)
  2. タンジェリン (Tangerine / Jimmy Page)
  3. ザッツ・ザ・ウェイ (That's the Way / Page & Plant)
  4. スノウドニアの小屋 (Bron-Y-Aur Stomp / Jones, Page & Plant)
  5. ハッツ・オフ・トゥ・ロイ・ハーパー (Hats off to <Roy> Harper / Traditional -arr by Charles Obscure)

なおアウトテイクが3曲知られている。

チャート・アクション

『レッド・ツェッペリン III』は1970年10月5日発売。アメリカでの予約は100万枚を越え、ビルボードチャートで4週連続首位。イギリスのチャートでも3週連続首位。後に1週だけ首位に返り咲いている。

影響と評価

『レッド・ツェッペリン III』は全10曲中6曲(A-2およびB面全曲)がアコースティック・サウンドで占められており、発売当初、『レッド・ツェッペリン II』のようなハードロックを期待した聴衆から拒絶された。しかし、次回作『レッド・ツェッペリン IV』の「天国への階段」を予感させるようなアレンジや全編に渡ってパワフルなヴォーカルが聞かれる。このアルバムはハード・ロックを基調としつつもそれにとらわれない、レッド・ツェッペリンの音楽性を顕示した重要な作品であると言える。

関連項目

脚注

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