グロッシュの法則

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グロッシュの法則(グロッシュのほうそく、Grosch's law)は、ハーバート・グロッシュ(Herbert Grosch)が1965年に提唱したコンピュータの性能に関する法則である。

「コンピュータの性能は価格の2乗に比例する」

という経験則で、例えば50,000円と100,000円のコンピュータの性能比は25:100である為、コンピュータは(予算の許す限り)高い物を買った方が、性能対価格比で得であるという結果になる。

牧野による分析[1]では、この法則はCray-1より前では成り立つが、後では成り立たない。詳しく説明すると、パイプライン化してクロック毎に2演算(立ち上がりと立ち下がりの両方で演算することを仮定)が達成されたとすると、それより安い計算機では成り立つが、それより高い計算機では成り立たない。なぜなら、それ以上の性能を達成するためには複数個の演算装置並列計算する必要があり、それらを制御するための回路がそれ以上に複雑になるからである。1999年には、複雑化による性能向上は2乗ではなく逆2乗であるというポラックの法則が誕生している。

また、提唱された当時には想像の範囲外であろうが、パーソナルコンピュータのように量産効果が大きく働くと、低価格側が、法則が示すよりも高性能になる、という形で法則から外れるようになる。この意味では、2000年頃まではスーパーコンピュータは量産効果において不利であったが、その後の超並列化の結果、に至ってはSPARC 64 VIIIfxを8万基使用するなど、量産技術によって高性能を達成するように変わってきている。

似たような法則に、オペレーションズ・リサーチにおけるランチェスターの法則(第2法則)がある。たとえば戦争において、兵士の能力や兵器の性能が同等なら、兵士5人対兵士10人の戦力比は本法則同様25:100として考える。

  1. http://jun.artcompsci.org/articles/future_sc/note029.html

関連項目