タルタロス

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ファイル:Nekyia Staatliche Antikensammlungen 1494 n2.jpg
タルタロスで罰せられるシシュポス。後ろで見張っているのはペルセポネ

タルタロステンプレート:Lang-grc-short)はギリシア神話に登場するであり、かつ奈落そのものである。

ヘーシオドスの『神統記』に拠れば、カオスガイアエロースとともに生まれた原初の神々の一柱である。女神ガイアとの間にテューポーンという息子がいる。アポロドーロスに拠ればエキドナも彼とガイアの娘である。

冥界ハーデースのさらに下方に有る。天と地の間の距離と同じだけ、大地からさらに低いところにある(その距離というのは、具体的には、上端から下端へ真鍮の金敷きを九昼夜落とし続けて十日目に下端につく距離)。

たちこめ、神々ですら忌み嫌う澱んだ空間。ポセイドーン青銅の門を作り、その周りは青銅の壁で覆われているため、何者も逃げおおすことはできない。仮に人間がこの門の中に入ったとしたら、一年がかりでも底にたどり着けない。かえって、神々が怖れるほどの苛烈な暴風で吹き飛ばされてしまう。

はじめ、ウーラノスクロノスヘカトンケイル族やキュクロープス族を幽閉するのに使い、怪物カムペーに番人をさせていた。後にゼウス達が彼らを解放しティーターン族を打ち倒すと、ティーターン族が幽閉される番となり、ヘカトンケイル族がその牢番となった。他にもテューポーンがここに投じられたとも言われている。

後世、たとえばプラトーンなどでは地獄として扱われるようになった。

新約聖書の原文中、ただ一度ペテロ第二2:4にその名前がみえる。