カナダの総督
カナダ総督(カナダそうとく、テンプレート:Lang-en-short、テンプレート:Lang-fr-short)は、カナダにおける総督。カナダの国家元首であるカナダ国王(イギリス国王)の名代として任命される事実上の国家元首である。カナダはイギリス連邦に属しており、総督はカナダにおける女王エリザベス2世の代理を務めている。その起源は、17世紀頃のイギリス領北アメリカ植民地に遡ることができる[1]。
任期は明文化されていないが、慣例法として5年がその目安となっている。公邸はオタワにあるリドー・ホールである。
カナダは議院内閣制をとる立憲君主国のため、総督の役割はきわめて限定されたものであり、1867年憲法法 (Constitution Act 1867) や1947年の勅許状等によって規定されている。実際に政治はカナダの連邦議会(国王、上院、下院)が立法権を持っている。行政権は首相及び内閣が担当している。
「イギリス国王」は「カナダ国王」を兼務しており、実際カナダ滞在中などにはカナダ国王として行動するが、ウエストミンスター憲章制定後はカナダ政府はイギリス政府から完全に独立している。イギリスとカナダの関係はあくまでも同君連合であるものの、国王が通常カナダ国外に滞在していることから前述のように、国王の名代として総督が任命されている。国王も特に個人的にカナダの内政に対して関与することはほとんどないが、カナダの総督を任命する権限を持っている(現実的にはカナダの首相の指名に基づいて行われる)。
長らく白人の男性のみが総督となっていたが、1984年に女性として初めてフランス系カナダ人のテンプレート:仮リンクが第23代総督に就任した。その後も1999年と2005年に続けて2人の女性総督が誕生しているが、第26代総督エイドリアン・クラークソンは中国系カナダ人(アジア系)、第27代総督ミカエル・ジャンはハイチ系カナダ人(黒人系)と、性別のみならず人種や民族などの多様性にも配慮した人選となっている。
現職は、2010年10月1日よりデイヴィッド・ジョンストン。
また各州にはカナダ総督の代理としてカナダ副総督が置かれている。
カナダ総督の一覧(英語版)も参照。