鎌田慧
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テンプレート:Infobox 人物 鎌田 慧(かまた さとし、1938年6月12日 - )は、日本のルポライター、ジャーナリスト、ノンフィクション作家。
来歴・人物
青森県弘前市出身。青森県立弘前高等学校卒業後に上京し、零細工場で働く。カメラ工場の見習工、筆耕者養成学校の印刷工などを経て、早稲田大学第一文学部露文科に入学。
大学卒業後、業界紙(鉄鋼新聞社)記者を経てフリーライターとなる。トヨタ自動車の期間工の経験をもとに『自動車絶望工場』を発表[1]、社会派ルポライターとして注目を集める。以後、被差別者・底辺労働者など、弱者の立場に拠ったルポルタージュを数多く執筆。著作はすでに120冊以上ある。
1990年(平成2年)、『反骨 鈴木東民の生涯』で新田次郎文学賞受賞。翌年、『六ヶ所村の記録』で毎日出版文化賞受賞。1994年(平成6年)に発表した葛西善蔵の評伝『椎の若葉に光あれ』をはじめ、大杉栄、太宰治などを題材に、伝記も多数執筆している。
鎌田はかつて、成田空港反対運動に加わっていたこともある[2]など、社会運動にも深くかかわり、新日本文学会の解散のときに編集長もつとめていた。
脱原発をめぐっては、大江健三郎、坂本龍一、内橋克人、澤地久枝、瀬戸内寂聴、鶴見俊輔、落合恵子、辻井喬などと「さようなら原発」運動を呼びかけ、1000万人署名、17万人集会(2012年7月)を実施した。
「九条の会」傘下の「マスコミ九条の会」呼びかけ人を務めている[3]。
著作
- 『隠された公害 ドキュメント イタイイタイ病を追って』 三一新書 1970 のちちくま文庫
- 『死に絶えた風景 日本資本主義の深層から』ダイヤモンド社 1971 のち講談社文庫、現代教養文庫
- 『自動車絶望工場 ある季節工の日記』現代史出版会、1973 のち講談社文庫
- 『労働現場の叛乱 8企業にみる合理化と労働の解体』 ダイヤモンド社 1974
- 『ウラの社会を知る 革新のための常識』 ベストセラーズ 1974
- 『わが幻影工場地帯 大合理化時代の労働者たち』 風媒社 1976
- 『逃げる民 出稼ぎ労働者』 日本評論社 1976 「ドキュメント追われゆく労働者」ちくま文庫
- 『労働現場に何が起こった 合理化とたたかう労働者たち』 ダイヤモンド社 1976
- 『工場への逆攻 原発・開発と闘う住民』 柘植書房 1976
- 『職場に闘いの砦を』 五月社 1977
- 『工場と記録 ルポルタージュを生きる』 晶文社 1977
- 『ガラスの檻の中で 原発・コンピューターの見えざる支配』 国際商業出版 1977
- 『土と人間の記録』 現代書館 1978
- 『血痕 冤罪の軌跡』 文藝春秋 1978
- 『弘前大学教授夫人殺人事件』講談社文庫
- 『失業 不況と合理化の最前線から』 筑摩書房 1979(ちくまぶっくす) のち文庫
- 『日本の兵器工場』潮出版社 1979 のち講談社文庫
- 『倒産 嵐の中を生きる』 三一書房 1979
- 『労働現場 造船所で何が起ったか』 岩波新書 1980 「造船不況」同時代ライブラリー
- 『ルポルタージュの発見 時代を歩く』 西田書店 1980
- 『ガリバーの足跡 滅びるか鉄鋼王国ニッポン』 朝日新聞社 1980
- 『靴をはいた巨大児 私の取材ノート』 日本評論社 1981
- 『ルポルタージュの書き方』 明治書院 1981(作法叢書)
- 『ビラの精神』 晶文社 1981
- 『狙われた教科書』 どこが、どのように歪められたか 光文社 1981
- 『日本の原発地帯』 潮出版社 1982 のち河出文庫、同時代ライブラリー
- 『去るも地獄残るも地獄 三池炭鉱労働者の二十年』 筑摩書房 1982 のち文庫
- 『ロボット時代の現場 極限の合理化工場』 三一書房 1982
- 『鉄の町の記録 八幡・釜石はいま』 ダイヤモンド社 1982
- 『鉄鋼王国の崩壊 ルポルタージュ・新日鉄釜石』河出文庫
- 『ぼくが世の中に学んだこと』 筑摩書房 1983(ちくま少年図書館) のち文庫、岩波現代文庫
- 『中曽根康弘 権力者たちの素顔』 三一書房 1983 「ルポ権力者」講談社文庫
- 『死刑台からの生還 無実! 財田川事件の三十三年』 立風書房 1983 のち同時代ライブラリー、岩波現代文庫
- 『ロボット絶望工場』 現代史出版会・徳間書店 1983
- 『教育工場の子どもたち』岩波書店、1984 のち講談社文庫、岩波現代文庫
- 『自動車王国の暗闇 その後の絶望工場』 すずさわ書店 1984 のち講談社文庫「トヨタと日産」
- 『ドキュメント・労働者!』 1967~1984 筑摩書房 1984 のち文庫
- 『ロボット社会の管理と支配』 青史社 1984
- 『アジア絶望工場』現代史出版会、1984 のち講談社文庫
- 『ルポルタージュを書く』 光村図書出版 1984 のち同時代ライブラリー
- 『ドキュメント人間』 筑摩書房 1985 のち文庫
- 『上野駅発人生列車 ある時代の終り、そして…』 青史社 1985
- 『アメリカ自動車幻影工場』 潮出版社 1985
- 『健康売ります! ヘルス産業最前線からの報告』 朝日新聞社 1985
- 『事故の傷痕』 すずさわ書店 1985 「ルポ大事故!」講談社文庫
- 『一億みんな芸能人』 朝日新聞社 1985
- 『国鉄処分』柘植書房 1986 のち講談社文庫
- 『大国ニッポンの退廃 教育と文化と人間と』 すずさわ書店 1986
- 『この国の奥深く 法を撃つ人びと』 日本評論社 1986 「非国民!?」同時代ライブラリー
- 『日本人の仕事』 平凡社 1986
- 『全記録国鉄処分』 柘植書房 1986
- 『現代社会100面相 これだけは知ってほしい』 岩波ジュニア新書 1987
- 『北へちいさな旅 エッセイ集』 晶文社 1987
- 『ハッピー・ニッポンの終り』 すずさわ書店 1987
- 『ドキュメント・家族』 筑摩書房 1987 のち文庫
- 『ドキュメント・人間列島』 ぎょうせい 1987
- 『無関心の報酬 ルポルタージュ』 すずさわ書店 1988
- 『野望の航跡 東大経済卒の18年』 講談社 1989 のち文庫『「東大経済卒」の十八年』
- 『ドキュメント・現代』 筑摩書房 1989
- 『反骨 鈴木東民の生涯』 講談社 1989 のち文庫
- 『旅を喰う エッセイ集』 晶文社 1989
- 『デタラメ警察は止まらない ルポ・警察官OBたちの悔恨』 第三書館 1989
- 『国鉄改革と人権 JRは安全か』 岩波ブックレット 1990
- 『ドキュメント地方』 筑摩書房 1990
- 『激動世界の裏側 ルポルタージュ』 すずさわ書店 1990
- 『幸せの報酬 ルポルタージュ』 すずさわ書店 1990
- 『鎌田慧の記録』 全6巻 岩波書店 1991
- 『ドキュメント・村おこし』 筑摩書房 1991
- 『六ケ所村の記録』 岩波書店 1991 のち講談社文庫
- 『2001年の子どもが危ないシリーズ 2 環境編』 フレーベル館 1992
- 『どうしようもないJRなど』 エッセイ集 晶文社 1992
- 『日本の地下帝国 自民党・カイシャ・暴力団のトライアングル』 第三書館 1993
- 『日本たそがれ ドキュメント』 岩波書店 1993
- 『椎の若葉に光あれ 葛西善蔵の生涯』 講談社 1994 のち岩波現代文庫
- 『日本人の不安』 晶文社 1994
- 『ドキュメント・海の国境線』 筑摩書房 1994
- 『生きるための学校』 岩波書店 1995(同時代ライブラリー)
- 『ルポ戦後日本 50年の現場』 講談社文庫 1995
- 『空洞日本』 岩波書店 1995
- 『大災害!』 岩波書店 1995
- 『いじめ自殺と学校 先立たれた親の訴え アドバンテージサーバー』 1995(ブックレット生きる)
- 『旅から旅』 立風書房 1995
- 『日本断層地帯』 筑摩書房 1996
- 『書くこと生きること 自選批評集』 日本エディタースクール出版部 1996
- 『せめてあのとき一言でも いじめ自殺した子どもの親は訴える』 草思社 1996
- 『サンクトペテルブルグ・混沌と幻想の街』 日本放送出版協会 1996(世界・わが心の旅)
- 『学校なんかなんでもない ホンネで語ろういじめの問題』 ポプラ社 1996(新・のびのび人生論)
- 『大空港25時』 草思社 1996
- 『日本逆さ望遠鏡』 実業之日本社 1996
- 『ドキュメント・この地で生きる』 筑摩書房 1997
- 『大杉栄 自由への疾走』岩波書店、1997 のち現代文庫
- 『生きるための101冊』 岩波ジュニア新書 1998
- 『いじめ社会の子どもたち』 講談社文庫 1998
- 『壊滅日本 17の致命傷』 アストラ 1998 のち講談社文庫
- 『いま、非情の町で』 岩波書店 1998
- 『ドキュメント屠場』岩波新書 1998
- 『家族が自殺に追い込まれるとき』 講談社 1999 のち文庫
- 『津軽・斜陽の家 太宰治を生んだ「地主貴族」の光芒』 祥伝社 2000 のち講談社文庫
- 『日本列島を往く 1-6』 岩波現代文庫 2000-2006
- 『いま、この地に生きる』 岩波書店 2000
- 『怒りの臨界』 岩波書店 2000
- 『ルポライターの仕事』 早稲田大学人間科学部産業社会学研究室 2001
- 『原発列島を行く』 集英社新書 2001
- 『くたばれ!自民党 13の症候群』 アストラ 2001
- 『自立する家族』 淡交社 2001
- 『忘れてはいけないことがある』 ダイヤモンド社 2001
- 『反骨のジャーナリスト』 岩波新書 2002
- 『ライオンのマルジャン 飯田圭織絵』 主婦と生活社 2002
- 『ひとを大事にしない日本』 小学館 2002
- 『地方紙の研究』潮出版社 2002
- 『強権と抵抗 日本失望地帯を歩く』 岩波書店 2003
- 『こんな国はいらない!』 七つ森書館 2003
- 『時代を刻む精神』 七つ森書館 2003
- 『狭山事件 石川一雄、四十一年目の真実』 草思社 2004
- 『コイズミという時代 政権と世相の研究』 アストラ 2004
- 『この時代に異議あり やわらかく、したたかに生きる』 ポプラ社 2005
- 『自律と協働、はたらきがいをもとめて 大阪市現業労働者の60年』 七つ森書館 2005
- 『痛憤の現場を歩く』 金曜日 2005
- 『痛憤の時代時代を書く 人間らしい社会に向けて』 アストラ、2006
- 『やさしさの共和国 格差のない社会にむけて』 花伝社 2006
- 『いじめ自殺 12人の親の証言』 岩波現代文庫 2007
- 『いま、連帯をもとめて』 大月書店 2007
- 『絶望社会(痛憤の現場を歩く2)』 金曜日 2007
- 『抵抗する自由 少数者として生きる』 七つ森書館 2007
- 『ひとり起つ―私の会った反骨の人』平原社 2007
- 『全記録炭鉱』 創森社 2007
- 『心を沈めて耳を澄ます』 創森社 2008
- 『いま、逆攻のとき』 大月書店 2009
- 『橋の上の「殺意」』 平凡社 2009
- 『民主党波瀾の航海』 アストラ 2009
- 『反冤罪』 創森社 2009
- 『空港』 講談社 2010
- 『狭山事件の真実』 岩波書店 2010
- 『沖縄』 七つ森書館 2010
- 『日本の解放区を旅する』 七つ森書館 2010
- 『原発暴走列島』 アストラ 2011
- 『残夢』 金曜日 2011
- 『下北核列島』 岩波書店 2011
- 『日本の原発危険地帯』 青志社 2011
- 『さようなら原発の決意』 創森社 2012
- 『怒りのいまを刻む』 七つ森書館 2013
共編著
- 回想の戸村一作(編著)柘植書房 1981
- 国境を越えて 東欧民主化とEC統合の若者への旅 牧野剛共編著 河合出版 1991
- 大震災復興への警鐘 内橋克人共著 岩波書店 1995 (同時代ライブラリー
- スチュワーデスはアルバイトでよいのか 安全は?雇用は?(編)岩波ブックレット 1995
- いじめられている君へ いま言えること、伝えたいこと 保坂展人共著 徳間書店 1995
- 危ない学校希望の子育て 楽しい関係をいかに創るか 灰谷健次郎共著 光文社 2000(カッパ・ブックス)
- 人権読本(編著)岩波ジュニア新書 2001
- 大杉榮語録(編)岩波現代文庫 2001
- 反憲法法令集(編)岩波現代文庫 2003
脚注
- ↑ 〈時の回廊〉鎌田慧「自動車絶望工場」 夢も希望も奪い去る労働 朝日新聞 2012年4月13日
- ↑ 成田空港・開港30周年:わたしは思う/2鎌田慧さん/千葉 毎日新聞 2008年5月5日(2008年5月6日時点のアーカイブ)
- ↑ マスコミ九条の会(よびかけ人はだれですか)
外部リンク
- 死刑制度の廃止を求める著名人メッセージ・鎌田慧さん・ジャーナリスト
- [http://nomorewar77.blog.fc2.com/ 鎌田慧・公式ブログ]