コルグ
テンプレート:出典の明記 テンプレート:Infobox 株式会社コルグ(英文社名KORG INC. )はシンセサイザーやデジタルピアノなど電子楽器を製造、販売しているメーカー。本社所在地は東京都稲城市矢野口4015-2(京王よみうりランド駅前)。現在はヤマハの関連会社。アンプメーカーVOXをはじめ、海外の楽器/音響機器メーカー数社(Paul Reed Smith、Clavia Nordシリーズ、ALLEN & HEATH 他)の日本正規輸入代理店でもある。
目次
来歴
創業期
1963年(昭和38年)、東京都世田谷区桜上水に京王技術研究所として創業した。社名の由来は創業者の加藤孟(かとう つとむ、- 2011年3月15日)の「K」とアコーディオン奏者の長内端(おさない ただし)の「O」で「K・O」、これに本社が京王線沿いにあったことから「京王」の字が当てられたもの。KORGという名称は「KOの作ったOrgue(フランス語でオルガン)」からとられた造語である。これは1972年に発売されたオルガン(『Korgue』、通称デカ・コルグ)の商品名にもなったが、「ue」の部分をどう発してよいかわかりにくいとの意見があったためテンプレート:要出典、これ以降の製品には「ue」の部分をなくした「KORG」という名称がブランド名として使われるようになった。
最初に製造したのは、1963年発売のリズムマシン。「ドンカマチック(DONCA MATIC)」と命名された。この型名の由来は、バスドラムの「ドン」という音と、クラベスの「カッ」という音からと言われる[1]。1964年に杉並区下高井戸へ移転し、株式会社京王技術研究所を設立した。
初の国産シンセサイザー発表
1967年頃からシンセサイザーの研究開発にも着手し、1970年に初の国産シンセサイザー「試作一号機」を完成した。この技術は後に、1972年発売のコンボ・オルガン「Korgue」、1973年発売のシンセサイザー「miniKORG 700」へと発展した。
1970年に京王技研工業株式会社に改め、その後、800DV(1974年)等を経て、1977年、PS-3100/PS-3200/PS-3300ポリフォニックシンセサイザーの発表により、世界的に評価される会社となった。
1978年のMS-20はコストパフォーマンスの高いモノシンセとして大ヒット。1981年にはPolysixでポリフォニックシンセをアマチュアの手に届く楽器にした。
ヤマハの資本参加期間
1983年のヤマハDX-7発売以降、デジタルシンセサイザー開発への出遅れにより経営状態が悪化し、ヤマハによる資本参加と経営再建が行われる。M1の発売まで低迷の時代が続いた。</br> 1986年 サンプリングシンセサイザーDSS-1とFM音源シンセサイザーDS-8を発売する。</br> 1987年 株式会社コルグに改め、ヤマハの資本参加により梅陰正が副社長に就任して経営再建を行う。</br> 1988年 ワークステーションタイプのシンセサイザーM1を発売する。MIDI音楽製作が一台で完結できることで大ヒットする。M1が後のサンプリング機能や、デジタルレコーディング機能まで統合したTRINITYやTRITONといったデジタルワークステーションの草分けとなる。</br>
また1980年代に発表したチューニング・メーターはチューニングのずれをアナログメータによって表し、基準音を内蔵スピーカで出すこともできるといった特長を持っており、ヒット商品となった。
1992年に埼玉県大里郡花園町(現:深谷市)に自社工場を設け、2003年にはコルテックに分社化。2004年には稲城市のよみうりランド付近に本社を移転した。
ヤマハとの関係
コルグは1980年代半ばの経営難の際、ヤマハの資本参加により救われている。2006年3月31日現在、コルグはヤマハの持分法適用会社であり、連結決算の対象ではなく関連会社の扱いとなっている。コルグにおけるヤマハの議決権は29.2%。コルグの取締役としてヤマハから一名を出している。
ヤマハからは部品を購入するという取引関係がある。製品に対するヤマハの影響は、以下のようなものがあげられる。
- ヤマハ製FM音源チップの採用(1980年代に発表したDS-8、707)。- このときがもっとも経営の苦しいときであり、ヤマハ既存技術の活用で新規投資を最小限にし危機を切り抜けた。この後、ワークステーションM1の成功によりコルグは立ち直るきっかけをつかんでいる。
- ヤマハ提唱のMIDI音源規格、XGに対応した音源モジュール製品。NX5Rなど。
- TRITON-Rackが、ヤマハが規格提唱したmLANに対応。
- 物理モデル音源を採用した機種を90年代に数機種発売。
- ヤマハがシーケンシャル・サーキット社を買収後、プロフェットVSで用いられたベクトル・シンセシス音源の技術はコルグに移され、WAVESTATIONシリーズへ。
- ヤマハが開発しDX7に採用したFS鍵盤というセミウェイト鍵盤をワークステーションM1にも採用した。
機種
黎明期
- 1963年
- ドンカマチック DA-20 - コルグ最初のリズムマシン
- 1966年
- ドンカマチック DE-20
- 1967年
- Mini Pops MP-2 - クラフトワークが使用した事で有名なリズムマシン
アナログシンセ登場期
- 1970年
- 試作一号機 - コルグ最初のシンセ (後にKORGUE、miniKORGで製品化)
- 1972年
- コルグ (KORGUE) - 通称デカ・コルグ。幅広い音色作りが可能なオルガン
- Treveler F-1 / V-C-F / Mr. Multi - 試作一号機のエフェクト技術を製品化
- 1973年
- miniKORG 700 - コルグ最初のシンセ製品 (1973年3月発売)電子オルガンに載せて使う第3のキーボード。初めて"KORG"ロゴが使われた
- 1974年
- 800DV - 通称マキシ・コルグ。シンセ2台分搭載で2ボイスを実現。喜多郎が今も愛用
- miniKORG 700S - miniKORG 700を2オシレータ化 (ユーザ要望に対応)
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900PS |
ポリフォニック化とその応用
- 1976年
- PE-2000 - 分厚い音の3系統ポリフォニック・アンサンブル・オーケストラ (44鍵)。オシレータ計144個搭載(各鍵3個)。音色はプリセット8種類 (ストリングス、パイプ・オルガン、ブラス、コーラスを各2種類ずつ)
- PE-1000 - 独立音源方式のポリフォニック・アンサンブル (60鍵)。オシレータ60個搭載(各鍵1個)。音色はプリセット7種、シンセ機能 (トラベラー)
- 770 - miniKORG 700Sの後継、コンセプトはソロ楽器
- 1977年
- PS-3100 / PS-3200 / PS-3300 - 世界初の完全ポリフォニックシンセテンプレート:要出典 で、全鍵盤にシンセを1台ずつ搭載。キース・エマーソンやジャン・ミッシェル・ジャール、細野晴臣らが使用
- PS-3100: 1ボイスあたり2オシレータ構成、モジュレーション経路をパッチ可能。
- PS-3200: 音色メモリー搭載(16メモリー)
- PS-3300: PS-3100 を 3系統搭載
- M-500 / M-500SP - プリセットタイプのモノフォニック・シンセ
- PS-3100 / PS-3200 / PS-3300 - 世界初の完全ポリフォニックシンセテンプレート:要出典 で、全鍵盤にシンセを1台ずつ搭載。キース・エマーソンやジャン・ミッシェル・ジャール、細野晴臣らが使用
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VC-10 | MS-20 | ||
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SQ-10 | MS-10 |
- 1978年
- VC-10 - 世界初の鍵盤付きヴォコーダー テンプレート:要出典
- MS-20 - パッチ可能なモノフォニック・シンセ。マニアックなパッチ機能をコンパクトにまとめ、優れたコストパフォーマンスで大ヒットした。[構成] 2VCO、2VCF(LP,HP)、2VCA、2EG(ADSR)、1LFO、NG、S&H、外部信号プロセッサ(F/V Conv, ENVF)
- MS-10 - 1オシレーターの低価格モデル
- MS-50 - 拡張音源モジュール (鍵盤なし)冨田勲が使用していた。
- SQ-10 - アナログシーケンサー・モジュール
- SE-500/SE-300 - テープエコー
- SD-400/SD-200 - シグナルディレイ
- 1979年
- X-911 - ギター・シンセサイザー
- Σ (シグマ) - レイヤー可能なプリセット型ソロシンセ
- Λ (ラムダ) - プリセット型ポリフォニックシンセ (PEシリーズ後継)
- Δ (デルタ) - ストリングス搭載ポリフォニックシンセ (VCF以降1系統)
ポリフォニックシンセの進化
- 1980年
- 1981年
- Polysix (ポリシックス) - 6ボイス・ポリフォニックシンセ。高いコストパフォーマンスで大ヒットした
- Mono/Poly (モノポリー) - 4VCOシンセサイザー。分厚いソロと 4ボイス簡易ポリフォニックを提供 (VCF以降1系統)
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POLY-61 | ||
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POLY-800 | ||
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DSS-1 |
- 1982年
- POLY-61 - DCO搭載ポリフォニックシンセ。オシレータをディジタル制御、パラメータもディジタル入力。後にMIDI化キットをリリース
- SDD-3000 - デジタルディレイ
- 1983年
- POLY-800 - 8ボイス簡易ポリフォニックシンセ。コルグ初のMIDI対応機種 (VCF以降1系統)
- SAS-20 - 自動伴奏つきホーム・キーボード
ディジタル化
- 1984年
- DW-6000/DW-8000 - D.W.G.S.音源搭載ポリフォニックシンセ
- RK-100 - ショルダー・キーボード(41鍵)
- 1985年
- DT-1 - 電子チューナー
- 1986年
- DS-8 - FM音源方式のデジタルシンセサイザーである。ヤマハのFM音源チップが搭載されている。
- DSS-1 - デジタル・サンプリング・シンセサイザー。ユーザ・サンプリング、波形編集/手書き波形作成、シンセ機能による音作りが可能
- 1987年
- DSM-1 - ラックマウント版サンプラー。単なるDSS-1互換ではなく、それぞれ固有機能を持つ
- SG-1D/SG-1 - ステージ用電子ピアノ
- CONCERT C-7000 - 本格的家庭用デジタルピアノ
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KORG M1 | |
WAVESTATION | |
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01/W FD |
ワークステーション登場
- 1988年
- M1 - コルグ最初のミュージック・ワークステーション。高品位PCMサンプル音源と、マルチトラック・シーケンサー を核とした ワークステーション機 の草分けとして大ヒットした
- A3 - マルチエフェクター
- 1989年
- T1/T2/T3 - M1の高機能版。マスター・キーボード機能、サンプル再生機能、FDD追加
- 1990年
- WAVESTATION - ベクトル・シンセシス音源搭載
- A5 - フットタイプのマルチエフェクター
- 1991年
- 01/W - 第3世代ミュージック・ワークステーション
DAW製品、DSP音源、アレンジャーの登場
- 1991年
- SoundLink (サウンドリンク) - 業務用DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)
- 1993年
- X3 - ワークステーション普及機
- G1/G2/G3/G4/G5 - ToneWorksエフェクター
- i3 - アレンジャー・ワークステーション
- 1994年
- WAVEDRUM (ウェイブドラム) - DSP搭載の電子パーカッション。豊富なシンセサイズ方式やアルゴリズムを提供
- X5 - 軽量シンセサイザー
- 1995年
- 1996年
- N364、N264 - テクノ/ダンス系ワークステーション
- WT-120 調べ - 和楽器用チューナー
- 1997年
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TRITON | |||||
ElecTribeシリーズ | |||||
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EA-1 | ER-1 | ES-1 | |||
- 1999年
- TRITON - 定番ミュージック・ワークステーション。宇多田ヒカルから細野晴臣まで、幅広いミュージシャンが曲作りに活用 テンプレート:要出典
- ELECTRIBE A / ELECTRIBE R - テクノ/ダンス系トラック制作用グルーヴマシン
- KAOSS PAD - 指先操作のタッチパッド・エフェクター
ソフトウェア音源、アナログ・モデリング、DSDレコーダーの登場
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MS2000B |
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microKORG |
- 2000年
- MS2000 - アナログ・モデリング方式のシンセ/ヴォコーダー
- 2001年
- KARMA - 演奏に応じ多彩なアレンジを提案するKARMAアルゴリズム搭載ミュージック・ワークステーション
- 2002年
- microKORG (マイクロコルグ) - 低価格ミニ鍵盤のアナログ・モデリング・シンセ/ヴォコーダー
- 2003年
- MS2000B / MS2000BR - MS2000のアップデート版 / 同ラック版
- ELECTRIBE mkII / MX / SX - ELECTRIBEのアップデート版 / 高機能版
- 2004年
- KORG Legacy Collection (レガシー・コレクション) - 過去の名機をソフトウェア音源化。特別版には MS-20コントローラ(フィジコン)が付属。
- [再現機種] MS-20、Polysix、WAVESTATION (後継追加: Mono/Poly、M-1)。
- [対応環境] VST/AU, Win&Mac (後継追加: RTAS, Intel Mac)
- KORG Legacy Collection (レガシー・コレクション) - 過去の名機をソフトウェア音源化。特別版には MS-20コントローラ(フィジコン)が付属。
- 2005年
- OASYS - ハイエンド・ミュージック・ワークステーション。DAW / シーケンサ / サンプラーをはじめ、多彩なシンセサイズ機能 (PCM/アナログ・モデリング/トーンホイール・オルガンモデリング)、KARMAの自動伴奏機能 等、最新技術を結集した統合ワークステーション
- 2006年
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KAOSSILATOR | nano KEY |
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KORG DS-10 |
- 2007年
- M3 - 最新機能をコンパクトに濃縮したミュージック・ワークステーション
- KAOSSILATOR (カオシレーター) - 指先操作のフレーズ・シンセサイザー
- 2008年
- M50 - ミュージック・ワークステーション
- microKORG XL - microKORGのパワーアップ版。マルチプル・モデリング方式
- nanoシリーズ (nano KEY, nano PAD, nano KONTROL) - モバイル対応コントローラ
- DS-10 - MS-10をモチーフにしたニンテンドーDS用ソフトウェア(AQインタラクティブと共同開発)
- MR2000S - MR1000の後継機種
- 2009年
- 2010年
- monotron - アナログ・リボン・シンセサイザー。片手に収まるサイズのアナログシンセサイザーで、リボンコントローラーで演奏する。初心者でもに扱える様に操作部を簡単化。名機MS-10/MS-20と同じVCF回路を搭載。アルカリ単4電池2本でも可動であり屋外でも演奏可能。スピーカー内蔵
- M01 - 2010年12月発売のニンテンドーDS用ソフトウェア
- MR-2 - MR-1の後継機種。1bitオーディオに対応したポータブルDSDレコーダー。PCM方式・WAV方式とMP2・MP3の録音方式に対応。付属ソフトである「AudioGate」を用いてDSDフォーマットをPCM24bit/192kHzに変換可能。更にコンパクトディスクやDSDディスクを作成可能。記録メディアはSDメモリーカードに記録。
- 2011年
- 2012年