ボスが来た
ボスが来た(ボスがきた、Boss key)とは、パソコンソフト(主にPCゲームなど)に搭載されている機能で、特定のキーを押すなどの決められたコマンドを入力することで、瞬時に仕事をしているような画面(パニック画面とも呼ばれる)を表示するものである。パニックモード、ステルススイッチ、ボスボタンなど様々な呼称がある。
主にPC-98+MS-DOS時代のフリーソフトの多くに搭載されていた。
目的
職場などの私用に使うべきでないパソコンで主に仕事中にゲームなどをしているときに、名前のとおりボス(上司)が来たときに「仕事中のような画面」(オフィススイートなど)を表示し、まるで仕事をしているかのように見せかけるために使われる。この機能を搭載しているほとんどのソフトは、キーボードの特定のキーを押すことでパニック画面が表示される。
パニック画面には、DOSのDIRコマンドの表示結果をテキストとして表示するものから、「大量のデータをソート中。キーを押さないでください」といったデータベースソフトらしき画面を表示するもの、当時広く使われていたテキストエディタであるVZエディタやMIFESの画面を表示するような凝ったものまである。ユーザーが任意の画面を組み込むことができる高機能なパニック画面を持ったものもあった。
パソコンソフト以外に搭載されているものもあり、PCエンジン用脱衣麻雀『麻雀学園 東間宗四郎登場』では、コンシューマゲームとしては珍しく、パニックモードとしてRPG風の画面を備えていた。また、PlayStation 2用ソフト『アルトネリコ2 世界に響く少女たちの創造詩』にもママキタボタンという名前で搭載されている(コンシューマーゲームの規制ギリギリなシーンがあるため)。なおその続編である『アルトネリコ3 世界終焉の引鉄は少女の詩が弾く』においてもオヤキタボタンという名前で引き続き搭載された。
当時ボスが来た機能が広まった理由は、その頃のOSはシングルタスクが主流で、アプリケーションの切り替えや再起動に時間を要したためである。瞬時の偽装を実現するため、各々のアプリケーションで「ボスが来た」機能を実装する必要があった。
なお当時は、パソコン一式が数十万円もする高価なもので一般家庭にあまり普及しておらず、パソコンゲームをできるのは職場のみであったという時代背景も関係していると考えられる。
現状
近年、主に使われているWindowsをはじめとするOSのほとんどがマルチタスクであり、Windows 95〜8ではタスクバーに実行中のアプリケーションがまとめて表示されるため、他のアプリケーションに瞬間的に切り替えることが容易である。よって、わざわざボスが来た機能を追加しなくてもタスクの切り替えで同様の効果を得られるため、ソフト単位でこの機能を搭載している物は非常に少なく、搭載していたとしてもある種のジョーク的な意味合いのものである。
しかしボスからの緊急回避というニーズは根強いためか、常駐することでキー押下やマウスジェスチャーでボスが来た機能を実現するソフトがフリーウェアなどでリリースされている[1][2]。またUSB接続のハードウェア式ボスが来たボタンも数社から発売されている[3][4]。
また他のソフトのウィンドウの一部を乗っ取るWebブラウザ[5]、 最小化状態に移行すると見た目をメモ帳などに偽装するゲーム[6]など、ボスに非業務ソフトと見破られないような対策が施されているソフトが存在する。
典拠・脚注
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:仮リンク — テンプレート:Cite web
- ↑ ういんどみる開発のアダルトゲームなど — テンプレート:Cite web