離宮
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離宮(りきゅう)とは、皇居や王宮とは別に設けられた宮殿のことである。
一般的には王族・皇族等が居住するために建設された宮殿とは別の敷地に建設される。例えば皇太子などが成人・結婚し、天皇・皇帝と別に住居を構える場合などが当たる。また、避暑・避寒、静養のために建てられるものもある。日本では一定規模の建造物と敷地を有するものを離宮とし、小規模のものを御用邸と称している。また、明治以前には上皇や法皇の退位後の離宮として「後院」と呼ばれる離宮が築かれて専属の役人が置かれた。なお、平安時代の天皇の追号には後院の名称に由来するものが多い。
日本の離宮
現存する離宮
かつて存在した離宮
- 赤坂離宮:東京都港区 - 明治時代に皇太子嘉仁親王(のちの大正天皇)の東宮御所として建てられた。大東亜戦争後は国立国会図書館、裁判官弾劾裁判所として利用された後に迎賓館に改装され現在に至る。
- 霞関離宮(現在の国会前庭南地区):東京都千代田区 - もともとはジョサイア・コンドルの設計により1884年(明治17年)に竣工した有栖川宮邸であったが、1896年(明治29年)11月24日、宮内省の懇望により買い上げられ、以後「霞関離宮」と称した。おもに外国王族使臣の旅舎として使用され、大正時代には摂政となった皇太子裕仁親王(のちの昭和天皇)の東宮仮御所としても用いられた。1945年(昭和20年)5月、東京大空襲により被弾炎上し、戦後取り壊された。
- 芝離宮(現在の旧芝離宮恩賜庭園):東京都港区
- 鳥羽離宮:京都府京都市 - 12世紀から14世紀頃まで使用された。
- 名古屋離宮(名古屋城):愛知県名古屋市
- 二条離宮(二条城):京都府京都市
- 函根(箱根)離宮(現在の神奈川県立恩賜箱根公園):神奈川県箱根町
- 浜離宮(現在の浜離宮恩賜庭園):東京都中央区
- 武庫離宮(現在の須磨離宮公園):兵庫県神戸市
- 吉野離宮(宮滝遺跡):奈良県吉野町 - 飛鳥時代の離宮。