白銀比
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白銀比(はくぎんひ、silver ratio / silver mean)とは数学定数であり、無理比のひとつである。
を白銀数 (silver number)と呼び、しばしばギリシア文字のτ(タウ)で表される[1]。このとき1:(τ-1)の比を白銀比という。すなわち、
ふたつの量 a, b(a は b より小さいとする)の比が白銀数であるということは、b - 2a と a との比が a と b との比と等しいということを示している。
数学的性質
白銀数の連分数展開は テンプレート:Indent}</math>}} である。
白銀数 rsは有理数に2 の平方根を添加した代数体における代数的整数になっており、 rsの共役数は テンプレート:Indent</math>}} によって与えられる。任意の自然数 n について、 (rs)n + (rsσ)n は有理整数になるが、rsσの絶対値が1/2より小さいため、この有理整数は (rs)nにもっとも近い自然数を与えている。nが大きくなっていくとき (rsσ)n は 0 に収束するから、R/Zにおける (rs)n の像は原点(の像)を唯一の集積点として持ち、特に (rs)nの小数部分は均等に分布していないことがわかる。
白銀長方形と工業規格
一辺と他辺が1:<math>\sqrt{2}</math>となる長方形を白銀長方形と呼ぶ[1]。
ISO 216規格で定められる紙の寸法は短辺と長辺との比が2の平方根になっているが、このような紙を向かい合う長辺の中点を結ぶ線分により2分割すると、元の紙と相似である長方形となり、その短辺と長辺の比は2の平方根である。例としてA4規格の紙を2分割して得られる長方形がA5規格である。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 岩本誠一・江口将生・吉良知文 黄金・白銀・青銅 : 数と比と形と率と