グレーター・ロンドン
テンプレート:Infobox England region グレーター・ロンドン(テンプレート:En)は、イングランドおよびイギリスの首都ロンドンにおける最高レベルの行政区画である[1]。日本語では大ロンドンとも呼称される。1965年に設置され、その範囲はシティ・オブ・ロンドンと32のロンドン特別区に及ぶ[1]。この領域はロンドンの地方行政区分および欧州議会選挙区に一致する。住民一人当たりのGVA(粗付加価値)はイギリス最大である。面積はテンプレート:Convert[2]で、2011年の国勢調査による人口は8,174,000人[3] である。1965年以前は、「グレーター・ロンドン」という単語は行政上のカウンティ・オブ・ロンドンよりも広範囲を指し、しばしばロンドン警視庁管区とほぼ同義に用いられるなど、様々な区域を定義していた[4]。
行政上および統計上の機能に加えて、(シティ・オブ・ロンドンを除く)グレーター・ロンドンは48あるイングランドの典礼カウンティのうちの1つで、テンプレート:仮リンクの下に置かれている。
概要
グレーター・ロンドンはシティ・オブ・ロンドンとシティ・オブ・ウェストミンスターに31のロンドン特別区 (London boroughs) を加えた範囲を領域としている。総面積は1579 km² (609 sq. mi) 、人口は2001年時の調査で7,172,036人であった。人口調査による数値は実際よりも過小になる傾向があり、統計局による計算によると、実際には7,322,400人の住民が存在している。
地方行政区
2000年以降、ロンドン地域には地方自治体としてグレーター・ロンドン・オーソリティー (Greater London Authority, GLA) が設けられており、大ロンドン市長 (Mayor of London) がその行政の責務を負い、同様にロンドン議会 (London Assembly) が立法府としての役割を担っている。この双方が入居するGLAの本庁舎は、サザーク特別区のシティ・ホールに所在する。
行政上の地位
グレーター・ロンドンの行政上の地位はやや複雑である。公式にはイングランドの州の1つであるとされている。 (シティ・オブ・ロンドンは除く) イングランドを構成する9つの地方の1つである。この立場における公式な名称はロンドン (London)である。イングランドにおいて、選挙により選出された議員が構成する議会と行政府の長が存在する地方はロンドンのみである。
通常ロンドンという言葉を使用する際にはシティ・オブ・ロンドン[5] のことではなく、グレーター・ロンドンをさす場合が大半である。法律を厳密に解釈すると大ロンドンは市 (city)ではないが、慣習的にグレーター・ロンドンは単一の市であるとして認識されている。
特別区
グレーター・ロンドンにはシティ・オブ・ウェストミンスターを含めて32の特別区 (boroughs) が存在し、これらとシティ・オブ・ロンドンはそれぞれ単一自治体またはユニタリー (unitary authority) として機能している。シティ・オブ・ロンドンの有する特殊な地位は12世紀に端を発している。
ファイル:LondonNumbered.png |
歴史
グレーター・ロンドンはロンドン自治法(1963年制定、1965年4月1日施行)に基づき、それまでのミドルセックス州の大部分、カウンティ・オブ・ロンドン及びシティ・オブ・ロンドン[6] に、ケント、ハートフォードシャー、サリー及びエセックスの一部を加える形で成立した。ホーム・カウンティと呼ばれるエセックス、ハートフォードシャー、バッキンガムシャー、バークシャー、サリー及びケントと市域を接している。
かつてのグレーター・ロンドンの行政は2層からなる地方自治制度を組み合わせた独特の制度であり、グレーター・ロンドン・カウンシルがシティ・オブ・ロンドンと32の特別区 (boroughs) と行政権限を共有していた。グレーター・ロンドン・カウンシルはサッチャー政権下の1986年、一部の権限をシティ・オブ・ロンドンと32の特別区に移し、残りを中央政府へと戻す形で廃止された。後の2000年、労働党政権は再び大ロンドン市域全体の行政府として大ロンドン庁 (Greater London Authority) を設置し、立法府としてロンドン市議会、そして大ロンドン市長職が成立した。2000年および2004年の市長選挙では、グレーター・ロンドン・カウンシルの最後の市長であったケン・リヴィングストンが市長に選出されたが、2008年の市長選挙では、保守党のボリス・ジョンソンに敗れた。
現在のグレーター・ロンドン市域にあたる部分の人口は、1801年の約110万人[7] から1939年には860万人に増加したが、1980年頃には680万人に落ち込んでいる。1980年初頭からは再び増加する傾向にあるが、2003年時点で1970年代初頭の人口(1921年の人口と同程度)に達した程度である。研究者の中には大ロンドンの人口は2016年には815万人に達すると予測する者もいるが、それでもピークである1939年と比べて45万人ほど少ないということになる。より広い市域の定義であるロンドン都市圏(ロンドン通勤圏)で考えると、1200万人から1250万人が都市圏人口とされる。
なお、「グレーター・ロンドン」という単語は、1965年以前は特にスコットランドヤード(ロンドン警視庁)が管轄する範囲を指す言葉[8] として用いられていたが、現在のスコットランドヤードの管轄地域を指す言葉としては、 "Metropolitan Police District" が好んで用いられている。
地理
グレーター・ロンドンはイングランド東部のエセックスとハートフォードシャーおよびイングランド南東部のバッキンガムシャー、バークシャー、サリー、ケントの"ホーム・カウンティ"と境界を接する。グレーター・ロンドンの最高地点はケントとの境界にあるノース・ダウンズのウェスターハム・ハイツで、標高は245メートルである。
グレーター・ロンドンの面積は1965年の設置以来、幾度となく変更を重ねてきた。細かな変更を含めるとかなりの数になるが、中でも最も重大な変更は1969年のノックホルトのケントへの編入とファーリーのサリーへの編入である[9]。1990年代の一連の州境変更によって、M25高速道路の境界が度々再調整された。2008年2月4日以降、グレーター・ロンドンの大部分はロンドン低排出ゾーンを形成している。
人口統計
1971年以前の数値は統計から計算したものである。1981年以降の人口は中間期の推定 (midyear estimates) であり、人口を過小に申告される傾向のある国勢調査結果よりも精度が高い。
1891年 | 4月5日/6日 | 5,572,012 |
1901年 | 3月31日/4月1日 | 6,506,954 |
1911年 | 4月2日/3日 | 7,160,525 |
1921年 | 6月19日/20日 | 7,386,848 |
1931年 | 4月26日/27日 | 8,110,480 |
1939年 | 中間期推定人口 | 8,615,245 |
1951年 | 4月8日/9日 | 8,196,978 |
1961年 | 4月23日/24日 | 7,992,616 |
1965年 | グレーター・ロンドンが正式に成立 | |
1971年 | 4月25日/26日 | 7,452,520 |
1981年 | 中間期推定人口 | 6,805,000[10] |
1988年 | 中間期推定人口 | 6,729,300[11] |
1991年 | 中間期推定人口 | 6,829,300[12] |
2001年 | 中間期推定人口 | 7,322,400[13] |
2002年 | 中間期推定人口 | 7,361,600[14] |
2003年 | 中間期推定人口 | 7,364,100[15] |
2004年 | 中間期推定人口 | 7,389,100[16] |
2005年 | 中間期推定人口 | 7,456,100[17] |
2006年 | 中間期推定人口 | 7,512,400[3] |
2009年 | 中間期推定人口 | 7,753,600[3] |
脚注
外部リンク
テンプレート:London テンプレート:イングランドのリージョン
テンプレート:イングランドのカウンティ- ↑ 1.0 1.1 Travers, T., The Politics of London, (2004)
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ 3.0 3.1 3.2 テンプレート:Cite web
- ↑ Glass, R., London: aspects of change (1964).
- ↑ シティまたはスクエア・マイルと呼称される。
- ↑ カウンティ・オブ・ロンドン行政府であるロンドン・カウンティ・カウンシルからは独立していた。
- ↑ うち85万人ほどが都市部で暮らしており、残りの25万人は周辺の村に住んでいた。
- ↑ その範囲は現在のグレーター・ロンドン市域とは一致しない。
- ↑ The Greater London, Kent and Surrey Order, 1962
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web