宋高僧伝
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テンプレート:Sidebar 『宋高僧伝』(そう こうそうでん)は、唐・五代・北宋初期の高僧の伝記を集めた書物のことである。30巻、北宋の賛寧による奉勅撰。988年(端拱元年)の成立。
概要
梁の慧皎による「高僧伝」、唐の道宣の手になる「続高僧伝」の後を継いで編集されたもので、982年(太平興国7年)の太宗の勅命による撰修である。その後、7年間かけて、正伝533名、附伝130名の伝記を編纂して成ったのが本書である。但し、「続高僧伝」に漏れていた唐以前の僧の伝記も若干ではあるが収められている。下限は、本書成立の前年没の、宋初期の僧の伝記である。ただ、その中心となるのは、唐代の僧の伝記であり、書名の「宋高僧伝」というのは、内容を指すものではなく、その成立を指して付けられた書名であるため、注意が必要である。
十科分類
体裁は「続高僧伝」にならい、全く同様の十科分類をしている。
- 訳経
- 義解
- 習禅
- 明律
- 護法
- 感通
- 遺身
- 読誦
- 興福
- 雑科声徳
である。
特色
撰者である賛寧は、宋朝による中国統一前は、仏教を尊崇したことで知られる十国中の呉越国の僧であったため、蒐集された資料は華中や華南に偏る傾向がある。さらに、編纂時に基づいた資料は、塔銘・碑銘や野史の類いに及んでおり、中には貴重な資料も含まれているが、その反面、信憑性に乏しい記載が含まれていたり、編集ミスと思われるような誤った記述も見られることがある。その扱いには十分注意する必要がある。
ただ、中国の仏教が隆盛を極めた唐代を中心とした仏教史の研究上、不可欠であり第一級の史料であることには変わりない。
テキスト
- 『大正新脩大蔵経』巻50「史伝部2」