登山計画書
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登山計画書(とざんけいかくしょ)とは、登山の際に提出する書類のこと。「登山届」「登山者カード(登山カード)」「入山届」ともいう。
概要
登山計画書は警察へ提出し家族にも通知する。基本的には提出は任意だが、自治体によっては登山条例によって特定の山岳に登山する場合に登山計画書の提出を義務づけている場合もある。
登山計画書を提出することで、遭難や行方不明時の初動捜索が容易になり、救出されやすくなる。高山登山はもちろん、低山でも提出が望ましい。
家族への通知
警察は個々人が無事に下山したかどうかは把握しない。下山報告も必要ない。下山予定日に下山せず、おかしいと感じるのは警察ではなく家族(あるいは職場)である。
従って、登山計画書は警察だけでなく家族にも渡しておくことが重要である。
たとえ、警察に登山計画書を提出したとしても、家族に行き先を告げずに登山に行くと、万一遭難したときに、「どの山に登ったのか家族も警察も誰も知らない」ということになり、捜索しようがなく、救出できない恐れがある。
警察への提出
登る山を管轄する警察署への提出を基本とする。あるいは県警察本部地域課あてでもよい。郵送・FAXのほか、最近はインターネットで提出ができる[1]場合もある。
その他、以下の場所でも提出を受け付けている。
- 登山口に近い駐在所(常勤ではないから、深夜早朝は郵便受けに投函するのがよい)
- 主要登山口にある提出箱(必ずあるとは限らない)
- 山のふもとの駅の提出箱(必ずあるとは限らない)
登山計画書の書式
基本的に自由様式である。警察などが作成した雛形がインターネットで公開[2][3]されているのでそれを利用するのもよい。
最低限、以下の項目は記入したほうがよい。
- 登山者それぞれについて、氏名・性別・年齢・住所・携帯電話番号・緊急連絡先(家族)の電話番号
- 登山ルート(登山口、目的の山、経由する山、下山口)
- 登山日数、入山予定日時、下山予定日時
- 非常時対策はどうするか
- 非常時は、どの山小屋に泊まるのか、あるいは、どのルートで下山するのか。
- ここでいう非常時とは、予定時間を大きくオーバーしたり、突然の荒天・負傷、想定以上の積雪などをいう。
- 計画変更時の緊急下山ルート
- 食糧の数量