秋田音頭
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秋田音頭(あきたおんど)は、秋田県の民謡。1663年(寛文3年)、久保田藩(秋田藩)主佐竹義隆に上覧した時に成立したといわれる。古くは単に「音頭」と呼ばれ、明治時代の始め頃に「秋田音頭」という名がついたと言われている[1]。
三味線、笛、太鼓、鐘などの伴奏で滑稽な歌詞をリズミカルに並び上げるのが特徴。出だしの「ヤートナー」(「ヤートセー」とも)というかけ声以外はあまり音程がなく、7-7-9を基本としたリズムに乗せて台詞を述べ上げるだけである。いわゆるラップや地口のようなもの。
多くの歌詞があるが、「秋田名物八森ハタハタ…」と秋田名物を並べたものが有名である。その他にも、小野小町が秋田美人の代表であるなどを歌った有名な歌詞がいくつかあるが、即興でおもしろおかしい事を歌うというのが本来であった。長らく庶民の間では時事風刺や春歌として歌い継がれていたが、他の民謡同様、レコード産業やラジオ放送コードの出現によって、「お国自慢」の歌詞が最も有名である。
代表的な歌詞
- (ヤートナー)コラ、秋田音頭です(ハイ、キタカサッサー、ヨイサッサ、ヨイナー)
- コラ、いずれこれよりご免こうむり音頭の無駄をいう(アーソレソレ)お耳障りもあろうけれどもさっさと出しかけな
- (以降、歌詞の終わりに「ハイ、キタカサッサー、ヨイサッサ、ヨイナー」のかけ声が入る)
- コラ、秋田名物八森ハタハタ、男鹿で男鹿ブリコ(アーソレソレ)能代春慶、桧山納豆、大館曲げわっぱ
- コラ、秋田の国では雨が降っても唐傘などいらぬ(アーソレソレ)手頃な蕗の葉さらりとからげてサッサと出て行がえ
- コラ、秋田の女ご何どしてきれ(い)だと聞くだけ野暮だんす(アーソレソレ)小野小町の生まれ在所お前(め)はん知らねのげ
- コラ、お前(め)がたお前がた踊りコ見るならあんまり口開ぐな(アーソレソレ)今だばええども春先などだば雀コ巣コかける
踊り
秋田市土崎港で毎年7月20日・21日に行われる曳山祭り「みなと祭り」(土崎神明社祭の曳山行事)では、しばしば曳山の運行を止めて踊り(演芸)の披露が行われるが、その中でも、どの町内の曳山でも踊られる[1]スタンダードナンバーが秋田音頭である。
もともと、柔術の型を踊りに取り入れた振り付けであったと言われる[1]。
その他
- ザ・ドリフターズ歌唱の「のってる音頭」はこの秋田音頭が元となっている。
- アラジンのヒット曲「完全無欠のロックンローラー」(1981年、第22回ポップコングランプリ、第12回世界歌謡祭グランプリ、オリコンチャート最高7位)の歌詞の中に「秋田音頭です(アーソレソレ)」という部分がある[2]。
- うたの科学館シリーズ 世界ののりものの歌 じどうしゃ・オートバイ〜はたらくじどうしゃ〜には、おそうじ自動車という曲に、この曲調が用いられている
- ソウル・フラワー・ユニオンの重要なライヴ・レパートリー。マキシ・シングル『ルーシーの子どもたち』に収録。
出典
- ↑ 以下の位置に戻る: 1.0 1.1 1.2 土崎神明社奉賛会『曳山 土崎神明社祭の曳山行事伝承活用テキスト』秋田市教育委員会、2002年、68頁
- 元の位置に戻る ↑ 完全無欠のロックンローラー アラジン 歌詞情報(goo音楽)