志摩弁
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志摩弁(しまべん)は、三重県の鳥羽市・志摩市・度会郡の南伊勢町で話されている日本語の方言。近畿方言の一種。
大正時代以前はアクセントの地域差が見られたが、近年は人の移動や放送の影響で伊勢弁との同化が進んでおり、伊勢志摩弁と言われることもある。全域で近畿方言のアクセントに近くなっている。
表現
接続詞
- ~やがぃ - ~だから
名詞
- いどころね - うたた寝
- いなさ - 東南風
- オガイ - クロアワビ
- おかずき - 海女
- 親孝行星(おやこうこうぼし) - オリオン座
- おんび - アワビ
- ゴケンジョ、クダメ - トコブシ
- ちちろ - コオロギ(古語)
- どうぜい - 大海老
- のー - お前、あんた
- はこ - 大便
- まぜ - 南風[1]
- まめ - シッタカという貝
- もうれん - 妖怪
- やい気 - 元気、やる気[2]
形容詞
- あばばい - まぶしい(徳島弁と同じ)
- おそがい・おとし - 恐ろしい
- かいだるい(かいだりい) - 疲れてだるい
- だいない・だいねえ - 構わない
動詞
- あざれる - 魚が腐敗する
- あめる - 食物が腐敗する
- げんとうする - 十分以上のことをする
- ごうわく - 腹が立つ[3]
- めめる - 幼児が人見知りして泣き顔になる
- よめく - 大声で叫ぶ
助詞
- ~こ - 疑問・付加疑問を表す。【例】行くこ? - 行くか?
- がれ - 強意の終助詞
感動詞
- おおきんな - ありがとう[3]
志摩弁を使う著名人
- アイドル歌手時代はそれほど目立たなかったが、リンドバーグのボーカル時代のフリートークではかなり目だった。
脚注
参考文献
- 飯田竜司「伊勢えび祭 "やい気"満ちる 多彩な踊り 『志摩のまつり』も」2011年6月5日付、中日新聞朝刊、伊勢志摩版28ページ
- 志摩町役場企画課『志摩町町勢要覧 町制50周年記念号 〜磯笛と潮騒のまちを記録する〜』志摩町役場企画課、2004年7月、121pp.
- 西垣晴次・松島博『三重県の歴史』(山川出版社、昭和49年、県史シリーズ24、付録 51 - 58ページ)